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キュリー夫人は”世界初”を3つも成し遂げたすごい人!【5/12はラジウム発見の日】


本日、5月12日は、キュリー夫人(マリ・キュリー)が新元素ラジウムを発見した日です。
キュリー夫人は、ポーランドで生まれた、フランスの物理学者です。世界で初めて放射能という概念を提唱した人物であり、ラジウムのほかにポロニウムなどを発見しました。

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1898年の今日、ウランの抽出残渣から分別結晶することで、ラジウム226という新元素を発見します。
そして1903年、夫とその兄が考案した電位計を用い、鉱石からラジウムとポロニウムを発見した功績を称えられ、キュリー夫人と夫のピエールは「放射能の研究」によって、ノーベル物理学賞を受賞しました。キュリー夫人はこのとき世界初の女性ノーベル賞受賞者となりました。

化学賞で2度目の受賞

これだけでもすごいことなのですが、さらにすごいことに、キュリー夫人はなんと2度目の受賞もしています。
一度目の受賞の8年後、前回と違う、化学賞で再び受賞しました。
その理由は、「ラジウムとポロニウムの発見と、ラジウムの性質およびその化合物の研究において、化学に特筆すべきたぐいまれな功績をあげたこと」と、新元素ラジウムとポロニウムを発見したことが再評価されたのです。

前回は物理学賞で、今回は化学賞。自然科学の異なる部門で2度も受賞しているのは、歴代の学者のなかでも彼女ひとりです。
つまり、世界初の女性ノーベル賞受賞者というだけでなく、世界唯一の複数分野での受賞を成し遂げた、すごい人物だったのですね。

その24年後には…

キュリー夫人のすごいところは、それだけではありません。
じつは二度目の受賞から24年後、もうひとりキュリーという名前の人がノーベル賞を受賞しました。

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その人物は、なんとキュリー夫人の娘であるイレーヌ・ジョリオ・キュリーでした。彼女は夫フレデリック・キュリーとともに、「人工放射性元素の発見」によってノーベル化学賞を受賞したのです。

親子二代が夫婦で受賞するのも史上唯一です。史上初・史上唯一と冠される受賞を3度も成し遂げるなんて、キュリー家は、ものすごい家庭だったのですね。 

(▼左からピエール、イレーヌ、マリ)

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参考資料:
『元素111の新知識』桜井弘(講談社)
『マリー・キュリー 新しい自然の力の発見』ナオミ・パサコフ著、オーウェン・ギンガリッチ編、西田美緒子訳(大月書店)

Ⓒオモシロなんでも雑学編集部

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