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シェフ服の前が2枚重ねになっているサバイバルな理由


飲食店で食べるとき(いまはあんまりやってませんが…)、お店の奥の厨房を見ると、シェフがつくっている姿がたまに覗けることがあります。
洋食屋さんなんかに行くと、真っ白な服を着たザ・シェフといった感じのシェフがいたりしますね。

このシェフの服、正式にはコックコートというんだそうです。真っ白でお洒落、しかもシンプルなデザインのこの服は、着ているだけでもう味の信頼は保証済みな気がしてきますね。

じつはこのコックコートの形、たんにデザインというわけではなく、機能を追求した結果のものなのです。

寒さ避け、火避けに効果的

たとえば、胸元を彩るスカーフ
これはオシャレのためではなく、冷蔵庫に入るときに首元を寒さから守るためにあります。マフラーみたいなものだったのですね。

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また、コックコートの胸からお腹にかけての部分にも秘密があります。
よく見ると、ここだけ2枚重ねになっていますね。しかもそれぞれに2枚ずつ、合計4枚もの生地が使われています。

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これは、シェフの身の安全を守るためです。調理をしていると、火があたったり、油が跳ねたりといった危険な場面が少なくありません。そうしたときにシェフが火傷することがないよう、コンロに向かう体の前部分が分厚くなっているのです。

ボタンにも秘密アリ

身を守る工夫といえば、この前部分にたくさんついている白いボタンにも秘密が隠されています。(たまに黒いのもありますが…)
この白ボタン、じつは綿が詰まっています。なぜかといえば、誤って包丁や割れ物で手を切ってしまったときに、すぐ手当てできるようにするための備えなのです。
ここに綿があれば、救急箱を取りに行く手間も省けて、すぐに止血できますね。

何気なく目にするシェフの服ですが、こんなにもサバイバルだったのですね。

参考資料:

『「見るだけ」で楽しい!「ビジュアル雑学」の本』博学面白倶楽部(三笠書房)


Ⓒオモシロなんでも雑学編集部

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