見出し画像

100円ライターの内部が、2つに仕切られている驚きの理由


たばこが許されている飲食店が、目に見えて減ってきましたね。今月から施行された改正健康増進法で、屋内での喫煙は原則NGとなってしまいました。申請すれば可能なお店もあるそうですが、飲食店はほとんどが禁煙となり、喫煙者には肩身の狭い世の中になりました。

画像1

さらに、ここへ来てコロナ禍の影響で、たばこが生産停止になるかもしれません。国際組織「国際結核肺疾患連合」が昨日、感染リスク低減のため、たばこ会社に対して製品の製造と販売停止を呼びかけました。ただでさえ肩身が狭いのに、ここに輪をかけて生産停止要請とは、喫煙者はもう大変です。

画像2

時代が、たばこはダメと言っているのかもしれません。ですが、本日は時代の空気を読まずにたばこに関連した話題にしたいと思いますw

縦長の部屋が二つ

喫煙者のなかには、たばこを吸うときに100円ライターで火をつける人も多いでしょう。コンビニなどでどこでも売っていて、オイルライターやガスライターなどのように燃料を補充する必要などなく、なくなったらポイ。つまり、お手軽に使えるからです。加熱式たばこが普及しはじめた昨今においても、喫煙所などではいまだに100円ライターを使う人をよく見かけます。

この100円ライターで、とくにコンビニによく置いてあるタイプが、透明のボディのものです。外側が透けており、内部の液化ガスが見えます。これを、よーく見てみてください。

ボディの内部に仕切りがあり、ちょうど真ん中で、縦長の二つの部屋に分けられていますよね。これはほかのメーカーの100円ライターでも同じです。

画像3


燃料ならそのまま入れておけばいいのに、なぜわざわざ二つの部屋にする必要があったのでしょうか。

ガスの圧力を分散させる

ボディが仕切られている理由は、ズバリ、液化ガスの圧力を分散させるためです。
ライターの容器には、小さな体躯からは似合わず、意外にも高い圧力がかかっています。本来なら気体であるはずのガスに圧力をかけて無理やり液体にさせているのですから結構なものです。
それは、1㎠あたり、なんと約13kgもあります。1㎝四方の小さな面積に13kgと、凄まじい圧力。そのため、ライターのボディは、AS樹脂やポリアセトアルなどといった強度の高い素材でつくられてはいます。

しかし、いくら強度があると言っても、これほどの高圧を支え切れるか微妙なところだそう。破損の可能性もまったくないとは言えないそうです。
そこで、内部を二部屋に分けて、圧力を分散させているのです。一部屋に全部の圧力がかかるよりも、2分の1の圧力がそれぞれにかかるだけなため、万が一にもボディが壊れずに済むというわけです。

液体の少なさにも理由が

ちなみに、新品でも中身が満タンじゃないのも、圧力が理由です。
コンビニなどで新品の100円ライターを買っても、中の液化ガスを見ると、八分目くらいまでしか入っていませんね。決して中身を削減しているわけではありません。
ガスの量と圧力は比例するために、満タンにすることで圧力が高まってしまうからです。もし満タンにした場合、少しのはずみでボディが割れて、爆発する恐れもあるそうです。

普段、結構雑に使っている道具が、割に危険なものだったとは驚きです。


参考資料:

『「見るだけ」で楽しい!「ビジュアル雑学」の本』博学面白倶楽部(三笠書房)


Ⓒオモシロなんでも雑学編集部

サポートいただいたぶんは、図書館への交通費や資料のコピー代になります。