古今東西の「愛してる」:2114年
夜ベッドに入り、枕元にあるスイッチを押すと、目の前に半透明の画面が現れる。
彼の名前に触れて数秒。
頭の中に、彼の声が現れる。
「...おはよう」
「何いってんの、もう夜よ」
なんて、いつものやり取りが始まる。
「愛してる」
「私もよ。それじゃあ、おやすみなさい」
一日の中で、この時間が一番だ。
===後記===
手紙がメールに変わり、メールがLINEに変わったように、想いを伝えるための手段も、時代に合わせて変化していく。
きっと、未来のある世界線では、電話なんてものはもうなくなっていて、個人の頭同士をつないで、今で言う「テレパシー」みたいなことができるようになるんだろう。
でも、話したいことや伝えたいことは、今と一緒のような気もする。
技術は進化しても、人間の人間的な部分って変わらない。それがまた面白かったりする。
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