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去年の明日の私へ。会社を辞めることにした日。

去年の明日の私へ。

今日は少し大変なことがあります。

きっとたくさん傷つくし、立ち上がる気力をなくすかもしれない。

でも、1年後は充実していて楽しいです。

だからそのまま歩いて。負けないで。

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2020年2月7日。いつもの金曜日。寒いけど、ちゃんと起きて、仕事に行く支度をする。メイクをしているときには、脳裏に、昨日提案して上司に否定された内容が思い浮かんで、今日もまたトライしようと、やる気が憂鬱さを倒して、出かける準備をすすめる。

ブラウスにタイトスカートがいつものコーディネートで、シアータイツに7cmヒールパンプスを合わせる。ロングダウンを着て、A4サイズが入るバッグを持ったら、戦闘モードに入る。

会社に着いて、明るく社内の人に挨拶をして、PCを起動する。今日の予定をメモに書き出して、朝の会議のあとに、新人デザイナーさんとの打ち合わせがあることを確認する。

自分の担当媒体の昨日の売上確認をして、朝の会議の報告書類を作る。そして、そのまま朝の会議の突入する。

入社して半年間続けているルーティン。

でも、その日は違う。そのあと、気持ちが壊れそうになることがある。今、もし戻れるなら参加しないで帰ってと伝えたい。

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朝の会議のあと、広告媒体デザイン確認を社長にお願いする。最初は普通に話していたのだけれど、突然社長が声を荒げて、その後1時間怒鳴られ続けることになる。

抽象的な表現。言葉はわかるのに、意味がわからない。「こういうことですか?」と聞いても、否定。でもその理由すら、何を言いたいのかがわからない。

要するに会議で意見を言った私の行動は、尊敬が足りなかった。そういうことらしかった。

仕事以外の精神的なことを責め立てる、終わらない罵声に、心が折れて、悔しくて、涙が止まらなくなった。

やっと解放されて、会議室からトイレまで走った。だれにも会わないことを祈りながら。でもトイレの個室に入っても、涙は止まらない。トイレに誰かが来る気配を感じながら、息を殺しながら気持ちを整えていた。でも、もうすぐ新人さんとの打ち合わせがある。

持っていた電卓のソーラーの部分で目が赤くないか確認する。赤くないわけはないのだけれど。打ち合わせ時間ギリギリになってしまったけれど、トイレから出て席へ戻った。

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そのあとは、必死に平然を装って1日を過ごした。思い出すと悔しくて泣いてしまいそうになるので、心の機能を停止して過ごした。

帰りは、社長に挨拶をする決まりのある会社だったので、必死に笑ってガラス越しに挨拶をした。すると、社長は会議を抜けて外に出てきて「違う」と言う。フォローをしてくれているようだったけれど、実は入社して半年間、こんな瞬間、たくさん見てきた。

もう表情を作るのは限界だった。必死に取り繕って、逃げるように会社を出る。

思ってみれば、最初から異常だった。朝の会議では毎日のように、誰かが社長や他の社員に責められる。

どんなひどいことを言われても、焦点が合わないような目で笑う社員たち。そして、その後に社長からフォローが入るところまで、よく見かけるパターンだった。

いざ、自分がされてみると、何より悔しい。どうしてこんなことになってしまったのか。自分の選択を責めた。

定時退社の優良企業を退職してまで、手に入れたこの仕事。毎日23時まで必死に働いても何も身についていないような焦燥感。私は選択を間違えた。情けない気持ちがあふれ出す。

帰り道は、地下鉄で2駅。でも、オフィスを出てエレベーターに乗った瞬間に、電車には乗れない顔になってしまった。

暗い夜道を、街灯を避けて歩く。

正直に言うと、前はほとんど見えない。それでもなんとか家に向かって歩いた。

仕事で失敗をしたら改善すればいい。でも、改善方法が心を停止することなのだとしたら、したくない。私はどうして、今こんな風にこの道を歩いているんだろう。自分の弱さが悔しくて、もうすべて投げたしてしまいたい気持ちにもなっていて、帰り道の川、車道、衝動に負けないように必死に歩いた。

家についても涙は止まらなかったけど、気持ちは決まっていた。

辞めよう。

そして、それを社長に伝える月曜日には、さらなる修羅場を経験することになる。人ってそんなひどいことを言われることもあるんだ。という経験ができたのは、意外にも大きな収穫だったのかもしれない。

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きっと、もっと大変なことを経験した人もいる。でもどんな経験でも、自分が傷ついたと感じたら、それは自分にとってとても大変なこと。相対的に見て、私はまだ大丈夫と思わず、自分の気持ちを確かめよう。

何か違和感を感じることが起きたなら、それは自分の方向性を変えるチャンスかもしれない。

心がつらいことからは全力で離れよう。

立ち上がって歩いていたら、絶対に楽しい日はくるから。ゆっくり休んでから立ち上がろう。

しばらく歩いてから振り返ってみたら、なんてことのないできごとになっているはず。

実際に今、私は働く楽しさを実感できていて、辞めたこと後悔することはありません。

生き方はひとつじゃない。

自分を大切に、歩いていきましょう。

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