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社会に出ていく不安。

ソワソワしているモラトリアム最終日。明日はいよいよ入社式。

対人関係、仕事内容、残業、やりがい、自分に何ができるのか不安と期待が複雑に入り交じっているだろう。

当時の私は100対0で不安しかなかったのだが、そんな夜も眠れず路頭に迷う学生が私以外にいるのかもしれないと思い、このメッセージを残しておく。不安に押し潰されそうな人は読んでみてほしい。学生の方に向けたものではあるが、一年目〜三年目ぐらいの若手の人、転職したての人、仕事の考え方に悩む人などにも役立てれば幸いだ。




まず。初日

することは無い、
何も心配いらない。大丈夫だ。

社長のメッセージをオンラインで聞くだけで、後は何か自己紹介を適当にすれば一日が終わる。緊張するかもしれないが、それは当然のはず。オラオラしてるやつなんかよりよっぽどかわいい。そういう初心な仕草を見て「うふふっ、。若いのぉぉ〜」って我々は勝手に思ってるだけだ。安心してほしい。

それでもまだ不安っていう人に覚えていてほしいことがある。それは


「不安とは、それが何なのかが分からないことである」


ということだ。不安とは先行きが見えない漠然としたものに感じる恐怖のようなものである。認識できないことは対処もわからないから、まずは対象を捉えるところから始めた方がいい。

明日は一体何をするだろうかと、やることリスト(タイムスケジュールでもいい)を書き出してみてほしい。多くの人が、あれ、別に明日大したことなくね?って思うはずだ。当たり前、一年目にそんな大層な仕事は降ってくるわけがないのだから。


これは、社会人になってもなかなかできない。悩んでいる人の話は、大抵の場合、何が問題なのかが分かっていない。きちんと整理すれば、一つ一つはただの作業に落とし込めるはずなのに、難しいものを難しいまま捉えようとして、不安になる。

要素ごとに分類する。それごとに一体何が分からないのか、きちんと名前をつけられるか?がポイントだ。


分かるということは、分けることだ。


これは、私の先輩の受け売り文句。人間は物事を理解するとき、何かと比較して、分類・差別化し、それに名前をつける(ラベリングする)ことで対象を識別する。仕事であってもそれは同じで、大っきな塊を細かなブロックにしないと押し潰される。仕事は整理学そのものと言えるだろう。




次に。仕事への向き合い方

鈍感であれ。


これに尽きる。
私達は単純作業だけをするのではない。必ず何かしらの問題にぶつかり、これどうやって解決するの?誰もわかんないじゃんという無理難題、顧客と現場からの板挟み要求、明らかに自分の仕事じゃないもの、誰もやってない抜け漏れ等、あらゆる理不尽がいつ何時襲ってくるか分からない状況に晒されている。

常日頃、相当のストレスを受けることになるのだが、真正面から全てが自分のせいだと受け止めてたら間違いなく死ぬ。これは冗談とかではなく本当で、追い込まれると、人間は壊れる。私は何人も見てきた。

自分のせいじゃないところは、はっきりさせて良い。責任の所在を特定することは、なすりつけでも、責任転嫁でもない、他人に協力を頼む上で必要なことだ。これはあなたがやらないといけないことですね?というのをやんわり(ここポイント!)伝えて、仲間を作る。これがいい意味での人たらし、コミュ力高いヤツが生き抜いている理由だ。


新人の方はまず、直面する問題をおおよそ三段階に分類してみて欲しい。

  1. 何すれば良いか不明。

  2. どうやれば良いか不明。

  3. 量が多い。


1番だけが唯一自分の問題である、というか仕事とは何をすべきかを考えることであると言っても過言ではない。ただし、誰が答えを持つものでもないし、正解がないからこそ、あなたの意見は絶対に否定されるものではない。安心して心血を注げばいい。なぜそういう風に考えたのか、考えられる範囲で全力を尽くす。真剣に考えた意見はきっと誰かに刺さり、かけたパワーの分だけ得られるアドバイスの価値は上がる。これは自分がどこまで仕事に向き合うかという問題であり、どこで終わらせるかは自分で設定する他ない。

2番はもはや聞くしかない。あなたのせいでは無いから、くよくよしなくて良い。3番は、指示した側のコントロール不足。終わらないですって言えばいい。なんで?とか言ってくるやつがいたら、そいつの頭が…

これらをごっちゃにしたまま、よくわかんないけどうまく行かないです、で終わってしまうのは良くない。不安だし、全部自分のせいだ、能力不足なんだと自信を無くしたり、焦る。時間は十分にあるはずだから落ち着いて欲しい。今すぐやらないと会社が傾くような仕事は一年目に任されるはず無いって、そのぐらいの「鈍感さ」をもってほしい。




おまけ。
メンタル分かったけど、実務が…というあなたへの必殺技。それは、


「報・連・相」


おいおい、そんなの知ってるよ、簡単じゃん死ねカス、という人も多いかもしれない。ただ、そういう反応をした人たちは、この言葉の本質的な意味を理解しているだろうか。ポイントは


報連相は相手にとって適切なものでなければならない。


ということだ。この点を見落とすと、危なっかしい、自分勝手、コミュ障、うるせぇ…などなどの印象を与えてしまう。先輩や上司も一人の人間であり、放置プレイの人もいれば、ミリミリコントロールしてくる人まで様々だ。彼らが望むタイミング、間隔、欲しい情報を届ける必要がある。

これは中々に難しい。この3つ、要は仕事におけるコミュニケーションを要素分解したもので、上手くコミュニケーションを取りなさいと言っているようなもの。「相手の立場に立つ」と何度もESを書いたと思うのだが、その実践は私の年次でも満足にはできない。

唯一、あなたに言えることがあるとすれば、「過剰なぐらいが丁度いい」ということだ。そんなの報告しなくて良いのに、と私も思うことはあるが、でもそういう人は一緒に仕事していてとても安心する。ウザかわいいというやつだ。何かあったら言ってくれるという信頼関係は、とても重要なものだと私は思っている。ひどいPJは現場からの声が挙がらなくなる。

削ぎ落とすのは簡単だから、まずは高頻度にコミュニケーションを取ってほしい。「量より質」という言葉があるが、私は大嫌いだ。質を高めるには、無駄かもしれないけど量をこなさなければ精緻化は不可能であるというとが私の持論だ。(勢いあまって若干社畜感出ているので、参考程度に読んでほしい。)




最後に。

学生おわっぢゃゔぅぅー!!!と嘆く皆さんへ伝えたい。


「別に何も変わらないから」


仕事は大変かもしれない。だけど、別にバイトだって卒論、研究だって、多くの人は責任やプレッシャー、やりがいを持って、自分なりに一生懸命働いていたのではないだろうか。その延長に仕事はある。別に区別なんかしなくて良いのだ。

急に大人になる必要はない。

真摯に物事に向き合う人は絶対に周りが放っておかない。必ず助けてくれる。あなたも後輩にそうしてきたはずで、社会に出たら、それがガラッと変わるなんてことは無いのだ。

大丈夫だ。



おしまい。



P.S.
寝れないなら、夜ふかししても良い。どうせ朝は緊張で目が覚めるから。



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