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日常非日常の物語という名のエッセイ

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日常っぽい非日常の物語という名のエッセイ。
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困ったように笑う (日常非日常の物語という名のエッセイ)

困ったように笑う (日常非日常の物語という名のエッセイ)

そんな人、もういないと思っていた。
以前は「困ったね」と言いながら微笑んでくれる人が周りにたくさんいた。
それは、私がまだ子供で、物の道理というものをよくわかっていなかったからだと思う。
大人というものになってからはそんな人は、がくん、と減った。

当たり前。
当然。

できて当たり前。
知っていて当然。

そんな「大人のガイドライン」のようなものがあって、そこから外れると、世間に馴染めなくなる。

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あたたかな微笑み (日常非日常の物語という名のエッセイ)

あたたかな微笑み (日常非日常の物語という名のエッセイ)

時々見せる、ちょっとした微笑みが好きだった。
あなたは女性相手によく笑う方ではなかったから、なおさらその笑みをみられた日は浮かれたものだ。
どちらかといえば強面で、年齢より歳を重ねていると思われていて、女性から話しかけるのはちょっと躊躇ってしまうタイプ。
実は、私と誕生日が4日しか違わない同い年。
その4日のことを「4年の差だ」と言い張って笑ったあなたは、無邪気な子供のようだった。
そんなあたたか

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