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『進撃の巨人』を観るフランス人

アニメを観てすっかりハマってしまいました、『進撃の巨人』。ファイナルシーズン第1部終わりましたね。すでに最新話まで原作で読んでいるのですが、それでも先が気になってしまう終わり方で、今冬公開予定の第2部が待ちきれません!


いままで電子書籍は買ったことがなかったし、絶対紙主義者だったのですが、ファイナルシーズンの途中で続きが気になりすぎて、まだアニメ化されていない巻を電子コミックスバージョンで購入。さらにマガポケ(少年マガジン公式アプリ)をダウンロードして最新話まで読了。アニメは一人で1周してからパートナーに無理やり同伴させて2周目完了。マガポケのチケット制度で今なら23巻まで無料キャンペーンをフル活用して原作漫画もほぼほぼ読了。ああ、日本に帰って紙のコミックで全巻揃えたい!

と、ここ最近、進撃一色で日常生活に支障をきたしておりました。

何かにハマってるときって、独特の爽快感があって気持ちいいですよね。ハマる対象は実はなんでもよくて、ただこの心地良さを感じたいが為に、テレビドラマでもアニメでも、はたまた普段スポーツ鑑賞なんてしないくせにW杯だけ見てみたり、そんなふうにいつも何かを探しているという気もします。


別冊マガジンで連載中の『進撃の巨人』。4月9日に、11年続いた物語もいよいよ最終話。海外に住んでいる方、マガポケでも9日の0時に最新話を読むことができますよ!

連載中の漫画が終わる瞬間に立ち会うのはこれが初めて。大げさだけど、嘘偽りなく、歴史的瞬間を世界中の人とともに迎えられることに、大興奮です。


先日仕事場で、最近何観てる?と話題になったときのこと。進撃の巨人のアニメを見てるのと言うと、「SHINGEKI!めちゃくちゃ面白いよね!一番好きなアニメだよ!!リヴァイかっこいいし、ミカサかわいいよね〜!!」と、日本好きオタクではない、ごくごく一般的な趣味を持つと思われる30代のフランス人同僚に言われ、国境を越えて世界がひとつに繋がったような衝撃を覚えました。確かに、フランスのNetflixで進撃の巨人シーズン3が公開になったとき、フランスの”本日のNetflixランキング2位”に入っていて驚いたことを覚えています(アニメランキングではなくて、Netflix全体でのランキングですよ!)。漫画やアニメってアニメファンと言う特定の層だけでなく、今や世界的に、普通にそこにあるジャンルのひとつになっているんだなあ。自分が見ているアニメをリアルタイムで世界中の人が追っているって不思議で、嬉しいです。まさか撮影現場で「リヴァイかっこいいよね〜!」と盛り上がることができるとは、思ってもいませんでした。わたしは映画や小説が好きですが、例えば日本の小説の話をしても、村上春樹さんの本以外だとこんなに盛り上がってはもらえないですし、そもそもフランス語に翻訳されている小説を探すことが難しいくらいです。たとえ素晴らしい文学でも翻訳されなければ世界中では読んではもらえません。一方漫画やアニメはどんどん翻訳されています。時代に愛された情報媒体で表現するということの、圧倒的な力強さを見せつけられます。当たり前なのですが、何を表現するかという以前に、それをどこで表現するかによって、伝わる相手も速度も、否が応なく変わってくるんですよね。



ちなみに、進撃の巨人の英語版タイトルは"Attack on titan"。フランス語版タイトルは"Attaques des titans"。直訳すると英語では”巨人への攻撃”で、フランス語では”巨人からの攻撃”と、攻撃の方向が真逆。国民性を反映しているのでしょうか?



初めはただ巨人と人間が闘うだけのつまらない話かと思っていたけれど、世界がどんどんドラスティックに展開していくあの勢い、秘密が明らかになって行く息もつかせぬ展開に、すっかりはまり込んでしまいました。登場人物たちには作者のご都合主義で動かされているような嘘くささがなくて、いろいろな場面で自分ならどうするか、考えさせられてしまいます。正義vs悪の単純な構造ではないのが良いのです。漫画って今まであまりたくさんは読んでいなくて、漫画という世界がこんなにも文学的に深く広く発展していたことに今更ながら驚きました。とにかく絶対にあらすじやネタバレを一切読まず、驚きを堪能しながら見てほしい作品です。原作漫画は王政編が圧巻。アニメはシーズン3から超絶面白くなってきたと思いきや、予想を上回る大展開のファイナルシーズンでさらにヒートアップ!面白さが止まりません。



進撃の巨人は漫画もアニメ版も面白いので、ぜひ!一緒に4月9日を迎えましょう!









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