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仏蘭西生活記

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フランスに住んで考えたこと、気づいたこと
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#最近の学び

"自分を大切に"とは言うけれど

自分のことを大切にしてあげるのは得意です。 あんまり我慢しないし、食べたいものは食べるし、自分へのご褒美と言って毎日美味しいチョコレートを買っているし、時には贅沢もする。 休日はダラダラするし、早起きしないし、一日中ただ本を読んでるだけのこともある。怠けるのは得意です。 自己中心的だし、やりたいことをやるし、他人の目を気にして何かを決めることもあまりない。 無理せずなるべく甘やかしてあげるスタンスで、自分を大切にしてあげているなあと思っていました。 ある日、今夜は友人

家庭の異文化比較:オノマトペが通じない

以下、会話はフランス語 パートナー「どうそのセーター?」 私「悪くない、けどちょっとチクチクするわ」 パートナー「え?CHIKU CHIKUってなに?」 私「あ〜!オノマトペだよ。肌に刺す感じの生地とか、かきむしりたくなる生地って、"チクチク"って感じしない?」 パートナー「いや、全然!」 そうなのです、フランス人のパートナーとはオノマトペが通じないのです。 一方、日本人の中でも特にオノマトペを多用すると言われている関西人の私。オノマトペが使えないのは不便なもの。

語学能力はその人の能力を(時として)正しく反映しない

撮影の仕事終わりに2日間連続でタクシーに乗った時のことです。 1日目の夜のタクシーの運転手さんはどこの出身の方かはわかりませんが、訛りのあるフランス語を話します。私も訛りがとてもあります。でも住所を2回ほど繰り返しかつ最寄りのメトロの駅を言うとすぐにどの通りかわかってくれ、GPSも使わずお家まで送り届けてくれました。 2日目の夜のタクシーの運転手さんはフランス語ネイティブに聞こえます。私の訛りの強いフランス語をわかってくれません。GPSに何度も打ち込んでもうちの住所が見つ

ヨーロッパ的正しいバカンスの実践・カダケス編

この夏、初めてヨーロッパ的なバカンスを実践しています。つまり、海辺の街でひたすらなにもしない、をすること。行き先はスペインの街、カダケスです。フランスとスペインの国境のすぐ側にある地中海沿いの小さな街は、フランス人にとっては定番のバカンス地。ダリが隣町に住んでいたそうで、彼の家が美術館になっているのが有名です。 白で統一された街並みに、ボートが浮かぶ海岸線。美味しい海鮮料理にビール。マジックアワーでピンクに染まる空。きちんと整備されたザ・観光地っていう街は苦手かと思っていま

雑誌に掲載されなかった写真

世の中は少しづつ良くなっていて、昨日よりは今日、マイノリティーにとって暮らしやすい社会になっているのではないかと思っていました。でもそれはマジョリティーに属した者の思い上がりだったようです。 先週、フランスのとある結構イケてる雑誌の撮影のアシスタントをした時のことです。アクセサリーとカバンの特集で、12人の男性モデルを起用した撮影でした。女性用のカバンをあえて男性モデルに持たせ、かつ、スタイリングは下半身全てブリーフかボクサーショーツで統一、上はジャケットを羽織っていたり、

撮影で日本語のラップがかかった時。以下会話は英語。「これ日本語?Nanao歌詞分かる?」「もちろん!〜って言ってるよ」「でもさ、このサビのリフレインのとこ、これ何?何語?」「...そこは英語でWorld wide!って歌ってる...」伝わる発音って大切だなと気づく、春の日。

新しい、初対面でタブーな話題

フォトグラファーのアシスタントをしていると、撮影の度にいろんな人に出会います。大人の一般常識として、初対面の人と会話するときに避けるべき話題がいろいろありますよね。例えば政治と宗教の話。 それに加えてパリで働いているといろんな国籍の人、様々なバックグラウンドを抱えている人がいます。撮影現場に10人いると、10人みんな国籍が違う、なんてこともあります。肌の色も見た目も違います。政治や宗教の話題に加えて国籍や出身地もデリケートな話題だと感じます。 例えば、イギリス人のフォトグ