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仏蘭西生活記

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フランスに住んで考えたこと、気づいたこと
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2021年11月の記事一覧

ワクチン、打つか打たないか

わたしはまだコロナのワクチンを打っていません。パリではいよいよかなりの少数派になってきました。 すごく新しいワクチンだし、強制でないならまだ打ちたくないなというのが正直なところです。別に怪しいニュースを盲信している訳ではないです。ただコロナのワクチンだけでなく、薬でも、新しいものだと長期的に見て副作用があるかどうかまだ誰にもわかりません。だから怖いなと感じるのはごく自然な感覚だと思っています。 しかし最近ではワクチンを打っていないと言うと、かなりオーバーに驚かれ、どうして

パリコレで感動したこと : 写真を撮る意味

ファッションウィークでストリートスナップを撮り始めたときのこと。今でも忘れないことがあります。 2016年。ドキドキしながらカメラを抱え、ショー会場に向かいました。 会場前はひどい人混みです。有名なファッション雑誌にスナップ写真を撮っているカメラマンたちがいます。そしてそれ以上に多くのアマチュアカメラマンやインスタグラマーたちで溢れかえっています。そこに招待客や時にはボディーガードなどが混ざり合って、会場辺りは大変な騒ぎになります。 その中に、一際キラリと光るカメラマン

語学能力はその人の能力を(時として)正しく反映しない

撮影の仕事終わりに2日間連続でタクシーに乗った時のことです。 1日目の夜のタクシーの運転手さんはどこの出身の方かはわかりませんが、訛りのあるフランス語を話します。私も訛りがとてもあります。でも住所を2回ほど繰り返しかつ最寄りのメトロの駅を言うとすぐにどの通りかわかってくれ、GPSも使わずお家まで送り届けてくれました。 2日目の夜のタクシーの運転手さんはフランス語ネイティブに聞こえます。私の訛りの強いフランス語をわかってくれません。GPSに何度も打ち込んでもうちの住所が見つ

パリコレで感動したこと : 新しい時代を創造するファッションデザイナーたち

パリに住んだ1年目のこと。初めてファッションウィーク、通称パリコレに行きました。ストリートスナップカメラマンのアシスタントでした。 ファッションショーというと、とんでもない別世界の出来事だと思っていたのですが、有名でないブランドのショーだと開演ギリギリに空きがあったら入れてもらえることもあるよと聞き、入り口の警備員さんに尋ねてみます。そして生まれて初めてファッションショーを生で見ることができました。感動しました。なんというブランドだったのかも覚えていないし、今思うと服もあん

いつか恋しく想うだろう、パリの人々

先日、パレ・ド・トーキョーという現代美術館の中庭で撮影アシスタントの仕事がありました。パレ・ド・トーキョーはパリ市近代美術館と向かい合って建ち、二つの美術館に挟まれた石造の中庭は、古代ギリシャ風とでも呼ぶのでしょうか、石の柱に囲まれています。中庭を囲む外回廊はいかにも絵になる場所です。中庭から階段を降りて一段下がると、彫刻で飾られた壁に囲まれた広い空間があり、そこはスケーターたちの聖地。午後になるとたくさんのスケートボーダーたちで賑わいます。自由な雰囲気です。 雨の降り出し

クロワッサンのおいしい食べ方

クロワッサン、どうやって食べますか? 早起きしてパリのカフェに行くと、カウンターにはたいていカゴに盛られたクロワッサンとパンオショコラが置いてあります。カフェ(というと日本で言うエスプレッソ)やアロンジェ(エスプレッソのお湯割り)と一緒にクロワッサンを頼んでカウンターで頬張るのが、早い安い旨いパリの朝食。もしくは縦半分に切ったバゲットにバターとジャムを塗って食べるタルティーヌも定番です。 クロワッサンやパンオショコラを注文すると、カゴからひょいっとひとつつまみ上げ、小皿に