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ワクチン、打つか打たないか

わたしはまだコロナのワクチンを打っていません。パリではいよいよかなりの少数派になってきました。

すごく新しいワクチンだし、強制でないならまだ打ちたくないなというのが正直なところです。別に怪しいニュースを盲信している訳ではないです。ただコロナのワクチンだけでなく、薬でも、新しいものだと長期的に見て副作用があるかどうかまだ誰にもわかりません。だから怖いなと感じるのはごく自然な感覚だと思っています。


しかし最近ではワクチンを打っていないと言うと、かなりオーバーに驚かれ、どうして?!なんで?!と質問攻めに合うか、異端者を見るような目でじっと見られるので、あんまりワクチンの話題には加わらないようになっていました。

と言うのも、フランスではワクチン接種は強制ではありませんが、衛生パスポートによる追い込み作戦は激化しているのです。確かにワクチンを打っていないと、もう普通の社会的生活が送りにくくなっています。


衛生パスポートが導入された7月頃はPCR検査もantigenique検査(15分で結果が出る薬局で受けられる検査)も無料。検査結果は72時間有効。ワクチン未接種でも陰性の検査証明が72時間分の衛生パスポートになります。ただし鼻にコットンの棒を突っ込まれるのはなかなか苦痛で、コロナに罹るより鼻の新しい病気にならないかが心配。それでも週に1、2回検査を受ければ映画館にも行けるしカフェにもレストランにも行けて、ほぼ"普通"の生活を送ることができました。

状況が悪化したのが先月。10月15日からワクチン未接種者のみ検査が有料になったのです。Antigenique検査は1回25€。これでしばらくレストランもカフェも映画館も美術館も長距離旅行も行けなくなるなあと思ったれけど、まあ25€払えば72時間分の衛生パスポートが手に入り自由に行動することができます。だから結構払いました。

なぜそこまでして、と言われるのも分かるし馬鹿げて見えるのも分かるのですが、やっぱりワクチン打ちたくない。ワクチン打ってもコロナに罹るようだし、入院する人もいる。しかも6ヶ月くらいしか効果が保たないとかで、フランスでは3回目の接種が始まっています。本当にこのワクチン意味あるのか?と疑問に感じます。接種に反対じゃないけれど、接種しないでもよい選択は残しておいてほしい。でも私は仕事柄今のところワクチン接種が義務ではないので運が良い方です。行政関係の仕事をしている知人曰く、ワクチンを接種したくない同僚は人に会わない部署に移動させられたそうです。飲食業界で働く知人曰く、ワクチンを接種したくない近所のレストランのシェフがクビになったそうです。職業によっては選択肢がありません。

なんて考えていたら、マカロン大統領から新たな発表があり、11月29日からAntigenique検査の有効期限が24時間に短縮されると発表されました。つまり25€払っても24時間分の衛生パスポートしか発行されない。流石にもうお金を払ってまで検査を受ける意味もない。いよいよワクチンを打っていないと何もできない世界になりました。来年の3月からワクチン未接種者はEU圏に入国できなくなるそうです。日本に一時帰国したらもうフランスには戻って来れなくなると考えると不思議な気持ちです。それよりそのうちワクチン未接種だと日本へ帰れなくなる可能性もあるだろうし、フランスに住むのにもワクチンが強制になるかもしれません。

コロナが蔓延し始めて、ロックダウンになったり、マスク着用が必須になったり、ビズ(ほっぺを合わせてチュッと言うフランス式挨拶)を初対面ではしなくなったり、そして衛生パスポートが導入されたり、生活にたくさんの変化がありました。でもまさかワクチン接種によってコントロールされ、行動の自由が奪われる世界になるとは想像もしていませんでした。甘かったです。


私はそれでもまだワクチンを打ちたくないなと粘っていますが、周りの友人たちはほとんどみな接種しています。他人が接種することに対しては全く反対ではありません。いろんなニュースが溢れかえっているし、何を信用していいか、命に関わることだから、自分で調べて考えて、それぞれが納得のいく選択をするべきだと思います。

でも先日友人と話していた時のことです。ワクチンをまだ打ってないと言ったら驚かれました。「怖いの??」と。「怖いよ。副作用怖くない?」と聞くと「2〜3日風邪っぽくなるだけで全然大丈夫だよ。」とのこと。「でも長期的に見た時の副作用は?怖くない?」と尋ねると「そんなのないよ〜!みんな打ってるんだから大丈夫だよ〜!」と言われました。そう言うふうに考えるのはワクチンを打つことよりももっと怖いなと思いました。なんでみんなが打ってたら大丈夫なんだろう。副作用があるかどうかは接種した人の人数には依りません。何万人が接種しても副作用があるならある。”みんな”が打っているということと、副作用があるかないかと言うことの間に一切の因果関係がない。みんなが打っているから、万が一副作用があっても政府か誰かが何とか責任をとってくれるだろう、と言う意味での”大丈夫”なのでしょうか。でも健康はお金では買えないものだし、失ってからでは責任のとってもらいようのないものもあるでしょう。

打つことにも打たないことにもリスクはあって、それを認識した上で決めるならどんな選択肢でもよいですが、ただワクチンのことに限らず世の中のこと何でも、”みんな”と呼ばれるものに安心して無意識に流されていくのは怖いです。


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