「職業としての音楽」以外の選択肢もある。「nana」がサンデーアーティストを応援する理由
nana music代表の文原へのインタビューも第4回目となりました。これまで新しく定めたビジョンや、3つのバリューに対する文原の想い、「nana」というサービスや、nana musicという組織に共通する思想を探ってきました。
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プロではない人にも「共創」の楽しさを。「nana」が表現の間口を広げる
今回は「サンデーアーティスト」がテーマです。サンデーアーティストは文原がよく使う言葉で、本業は別に持ちつつも趣味として休日や空いた時間に音楽制作やライブ活動といった音楽活動を行っている人たちのことを、そう呼んでいます。
このサンデーアーティストという生き方や、「プロ」と「アマ」の境界線、アーティストと音楽の関係性ついて、文原に語ってもらいます。
ー 「nana」のユーザーには、プロのアーティストではないけれど、自分の歌や演奏を届けたい、という高いモチベーションで投稿している方がたくさんいますよね。こうしたプロとアマチュアの間のような活動について、どのように考えていますか?
とても素敵だと思っています。個人的にも非常に応援しています。
「何か自分らしい表現をしたい」「もっと音楽をやりたい!」と思ったときに、どんどん活動の場や選択肢の幅が広がっていくといいと考えています
例えば仕事の合間に「nana」で楽しみながら歌を投稿し続けて、1000人のファンができたとします。そんなユーザーさんが、リアルイベントを開催すれば、一般的なライブハウスが客席で埋まるかもしれない。レッスン教室を開けば、生徒が集まるかもしれない。音源を販売すれば買ってくれるファンだってたくさんいるかもしれないです。
ー 音楽一本に絞らなくてもアーティストのように音楽活動をしていく選択肢はありますよね。
もちろん生活をすべて捧げて、「人生を賭ける」のも素晴らしいと思います。ただ、専業で、音楽一本でプロとして活動することがすべてではないし、ガムシャラになりすぎて音楽をやることがプレッシャーになってしまっては意味がない。自分のペースで好きなように音楽活動を続ける中で、結果的に注目され人気が出て、ファンが生まれる。そこから少しずつ、音楽活動による収入が増える。そういった選択肢、プロセスを選ぶ人がもっと増えてもいいと思うんです。
音楽だけでなく、漫画も同じです。出版社に認められなくても、pixivでどんどん自分の作品を発表することでファンを獲得し、月刊誌で連載を持つことができますよね。コミックマーケットで直接自費出版の漫画を販売することで生計をたてている方々もいます。
ー 「nana」を含め、今はファンに直接作品を届ける表現の場が沢山ありますね。
そもそも「表現」だけで生計を立てる必要もないと思います。ゴールとして「プロになってこれ一本で」というのはわかりやすいですし、テレビに出演して大勢の人を熱狂させるアーティストに憧れる気持ちも、とてもわかります。
たとえば子ども向けの音楽教室でピアノを教えて、休日にちょっとしたステージに立つ人もいる。平日は他の仕事をして、土日はシンガーとして活動し、出演料をもらったり、CDを売ったりする人もいる。「nana」のユーザーから、そういった「サンデーアーティスト」のような新しい表現者のロールモデルが生まれていったら嬉しいなと思っています。
ー「nana」という場所が、「好きなことを続けていく」ユーザーを応援していけたらいいですよね!
そうですね。「nana」を通じ、ユーザー同士が充実した関係を築き、音楽と共に人生が豊かになる人が増えてほしいと願っています。
実は私がモータースポーツの世界に入る前、ジャズバーで歌うシンガーになりたいと思っていた時期がありました。モータースポーツでプロを目指すか、音楽でプロを目指すか、迷ってたんですが、音楽はプロになるよりも、自分自身が憧れのアーティストのように自由に歌えるようになりたいと思っていました。
モータースポーツは若い”今”の時期にしかチャレンジできないこともあり、モータースポーツの道を選びました。自分にとって音楽は、あくまでも大好きな自己表現のいち手段です。それを専業にする必要はないと思いましたし、何歳になっても好きで楽しみ続けられるが一番だよね、という考えもありました。
「プロを目指さない」という判断を下したことで、結果的に音楽を楽しみ続けることができた。こうした自分自身の経験も、サンデーアーティストを応援したいという「nana」のサービス設計につながっていると、後になって気づきましたね。
nana musicという組織にも、サンデーアーティストとして活動している社員がいます。今後は会社として彼らの活動も積極的にサポートしていきたいですね。
音楽に関わる仕事ができて、イベントではありますが10代の時に憧れたビルボードのステージで歌えたりと、私が一番「好きなことを続けていく」を実現できてたりするんですけれどね(笑)。
多種多様な形で、音楽を好きな人が自由に音楽を続けていく。「食べていけなければプロじゃない」と思われがちな「表現」の領域で、サンデーアーティストのような活動が広がっていけば、個人がより自分らしく、豊かな人生を追求できるようになるかもしれませんね。
4回にわたってお届けしてきた代表の文原によるロングインタビューも次回がラスト! 最終回は、「nana」というプラットフォームの原点、そしてnana music今後の展望についてお届けします。是非、お楽しみに!
nana musicは「Everyone is a Co-Creator」を信じ、誰しもが“おと”を通じて繋がり、共に表現する喜びを得るためのツール、仕組み、遊びの場をつくっていきます
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