目の前の仕事は大きな驚きとワクワクを生むか。3つのバリューに込めた想い
2012年に「nana」をローンチしてから5年が経ち、nana musicは新たなビジョンとバリューを掲げ、さらなる進化を遂げようとしています。前回の記事では、新しいビジョン「Everyone is a Co-Creator」について代表の文原に語ってもらいました。
今回の記事では、3つの新しいバリュー「Keep Surprising」「Try First」「Respect Mutually」を選んだ理由や意図について、じっくり聞いていきます。
前回の記事はこちら
「“共創”する人の遊び場をつくりたい。nana musicが「Everyone is a Co-Creator」を掲げる理由」
ー まずは1つ目のバリューを「Keep Surprising」に決めた理由について教えてください。
「目の前の仕事を通して、大きな驚きやワクワクを提供できるか」を自問自答し続ける組織でいたいからです。ABテストや細かな改善を繰り返す姿勢も大切なのですが、それが大きな驚きに繋がるのか、作業が目的になっていないかを、絶えず考えていきたい。必死で手を動かしていると、成果が出ていなくとも「仕事をしている」気になりがちですし、発想が小さくまとまってしまいます。
ー 文原さんの考える「驚き」ってどのようなものなんでしょうか?
少し前に任天堂さんが『Nintendo Labo』を発表しましたよね。あれを見て、「VRだARだと叫ばれているこの2018年にダンボールで遊ぶことを提案するのか!」と驚いた人って多いと思います。私も大興奮でした。ああいうプリミティブな驚きとワクワクをつくっていきたいんです。
工作や作ったものが実際に動く、子ども時代に誰もが慣れ親しんだ遊びの楽しさを、どう表現して、ユーザーに驚きを与えるのか。『Nintendo Labo』はそれらを徹底的に追求して生まれたアイデアだと思います。私たちもそのレベルまで考え抜かなければいけない。「Keep Surprising」できているかを測る上で、おこがましいかもしれませんが(笑)任天堂さんは大いにリスペクトし、ベンチマークにしている存在です。
ー 確かにダンボールは予想してなかったですよね...!では2つ目の「Try First」はどのような意味なのでしょうか?
「Try First」は直訳すると「まずやってみよう」です。けれど、決して何でもかんでもやってみようと言いたいわけではありません。実行したいアイデアが本質的なことなのか、本当に驚きを与えるのかを議論し、答えが出ないときには恐れずにトライしていこうといった意味です。「Try First」は「Keep Surprising」が根底にあるからこそ、活きてくるバリューだと考えています。
ー 3つ目の「Respect Mutually」は、日頃から互いをリスペクトしたコミュニケーションを心がけようということですか?
そうですね。相手を否定するコミュニケーションではなく、お互いにリスペクトの心を持って仕事をしていきたいという意味です。
個人的に、強い言葉でのやりとりや、相手を言い負かそうとするコミュニケーションが得意ではないんです。歯に衣着せぬ言い合いができる関係性という意味で問題ないのでは、とも思います。ですが、個人的にはすべての意見に一理あると思っているので、それはそれで受け止めた上で肯定的なコミュニケーションをしていきたいですね。
相手の意見を聞いたときに、まずは「なるほど、それも分かる。でも、私はこう思うんだけど…。」と、自分の意見を明確に伝える。そんなふうに理解し合おうとする姿勢を持つ。その上で、意見を交わし合える文化をつくっていきたいと思っています。
ー 3つのバリューを浸透させるために、どのような施策を考えているんでしょうか?
すでに取り組んでいるのが評価制度の整備です。グレード(等級制度)毎に、求められるバリュー行動(要素)を可視化し、その体現度合いを社員の評価に反映しています。
こうした制度の整備と並行して、私も含めたボードメンバーが積極的に3つのバリューを体現していかなくてはと思っています。日頃の仕事を通してバリューを伝えられるよう頑張らなくてはいけないですね。
ー 最近、社員を見ていてバリューを発揮しているな、と感じた事例などありますか?
この秋にリリースを予定している新機能の開発チームでは、まさに「Keep Surprising」と「Try First」が実現できているなと感じます。技術的な課題やリソースの問題にも挫けず、いかにユーザーに新しい遊び方を提案し、驚きを与えるのか、手を動かしながら思考してくれています。今から発表するのが楽しみですね。
ビジョンもバリューも4月に決めたばかり。これからどんどん組織に浸透していくことを期待していますし、バリューを理解してもらうための機会を増やしていきたいですね。
ー そういえば新しいオフィスの会議室にもバリューの名前がついてますよね!
そうなんですよ!安易かもしれませんが、こういったベタなことからコツコツと…(笑)でも名前が長いからか、みんな全然呼んでくれないですけど…(泣)。ちなみにこの会議室は「Respect Mutually」なので、覚えてくれたら嬉しいです。
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nana musicが目指すのは、「nana」を通して表現や共創の喜びを、“驚き”とともに届けていくこと。すべての人に「Co-Creation」の楽しさを伝えるためにも、「Keep Surprising」「Try First」「Respect Mutually」という3つのバリューが欠かせません。
次回は、nana musicが広げていきたい「共創」の形について深掘りします。
nana musicは「Everyone is a Co-Creator」を信じ、誰しもが“おと”を通じて繋がり、共に表現する喜びを得るためのツール、仕組み、遊びの場をつくっていきます