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[学校は創造性を殺すのか?]何度も見てしまうTEDのスピーチ

わたしは英語のブラッシュアップがてらTEDのスピーチをYouTubeで見ていますが、その中でも定期的に聞いてしまうスピーチがあります。
学校は創造性を殺すのか?Do Schools Kill Creativity?
という2007年発表のケン・ロビンソン教授のスピーチは、1800万回再生されているようです(そのうちの8回くらいはわたしのだな)。
今日はこのお気に入りスピーチを紹介したいと思います。

ロビンソン教授の話は、色んな例え話や実例を挙げながら進む、聴衆の笑いが絶えない20分のスピーチです。そこで彼が主張しているのは、

「人間は、驚異的な範囲の知識のカテゴリーを生み出し、それを学ぶ機会を得ているが、それを学ばされる子供たちには、今、何を教えることができるのか?
この圧倒される技術革新の流れの中、この5年先でさえも先見することがままならないのに、今生まれた子供たちが定年退職する2067年まで役立つようなどんなことを、今の私たちは子供たちに教えられるというのだろうか?」ということです。

間違える準備

これは、今の時代を闊歩している私たちみんなに当てはまるなぁと思います。
そこで、挙げられているのが、創造性の重要性です。特に強調して話されたのが、

「もし、間違えることに対しての準備ができていないなら、何も発見をすることはできないでしょう。でなければ、間違いを犯すことを恐れ始めるようになってしまうから」
“If you are not prepared to be wrong, nothing will be discovered. Otherwise, you will start to frightening to be wrong.”

「間違いに烙印を押してしまう」“Stigmatise the mistake.”

神様の絵

教育というものは、子供が持って生まれてくるものをひねり潰すものになってはいけない、と。ここで、ある女の子が絵を描いているところを見た先生との会話の話になります。

先生:何を描いてるの?
女の子:神様の絵を描いてるんだよ。
先生:でも、誰も神様を見たことはないのよ?
女の子:(今描いているから)すぐに分かるわよ

「こんな発想ができる子供の創造力をどうして潰してしまえるのか?19世紀に確立された現行の教育論は、子供を将来的に大学の教授のように仕立て上げる基準で設計されたものです。しかし当たり前ですが、みなが大学教授になりたいわけではありません」

ピカソの言葉

ピカソの言葉が紹介されます。
「子供たちはみな芸術家だ。問題は、成長しても芸術家でいられるか、だ」
 

「私たちは、創造豊かになるのではなく、創造豊かでなくなっていくのです。
(“We are grow out of creativity, not grow into creativity)
なぜでしょう?それは、教育によって、創造性を剥ぎ取られてしまうからです。本来ならば知性は、多様性を持ち(Diversity)、ダイナミック(Dynamic)であり、互いに影響しあい(Interactive)、個性的(Distinct)であるべきです」

世界的に有名なダンサーの例

ここで、世界的に有名なダンサーの例があげられます。彼女が小さい頃(1930年代)、あまりにも落ち着きがないと親が学校から呼び出されてしまいます。
そこでカウンセリングに行かされました。

幼い彼女の話に耳を傾けた専門家は、ご両親と話すことがあるからと、彼女を別室に連れて行き、ひとりにさせました。
そこでその専門家はこっそりラジオで音楽を流し始めたそうです。
すると彼女は、聞こえてくるラジオの音楽に合わせて体を揺り動かし始めました。
その様子をしばらく観察した専門家は「この子は落ち着きがないのではなく、生まれつきのダンサーです。ダンス学校に通わせてあげなさい」と親に言いました。

ダンス学校に通い始めた彼女が見たのは、そこにいる子たちはみな自分と同じようだったこと。じっとしていられない、常に動いていないとダメ。というか動きながら考える子達ばかりだったそうです。
そんな彼女はダンス学校で、バレエ、モダン、ジャズ、タップなどを習ううちにみるみると頭角を現し、ロイヤルバレエでソリストを躍るまでになります。
その後、自分のダンス学校を創設して、著名なミュージカル・プロデューサーと共に数々のショーを成功に導き、マルチミリオネアになったそうです。

「もしこの人が、落ち着きがないと叱られ続け、じっとしているよう強制されていたら、今頃どうなっていたでしょうか?」

創造性というギフト

ここで、自然に逆らう馬鹿らしさとして、
「もし全ての昆虫が消滅してしまったのなら、50年以内に地球上の全ての生命が消え去るでしょう。その反対にもし、人間が消滅するのなら、50年以内に地球上の全ての生命が繁栄するだろう」という生物学者の言葉を紹介します。

そして「自然に人間に備わった創造性というギフトを謳歌しようではありませんか」の言葉でスピーチが締めくくられます。

アインシュタインの名言

アインシュタインの名言を思い出します。「誰もが天才だ。しかし、魚の能力を木登りで測ったら、魚は一生、自分はダメだと信じて生きることになるだろう」


わたしは果たして自分の子供の能力をきちんと伸ばしてあげていられているだろうか?と考えてしまいます。
障害児の場合はどうしよう?
そして、すっかり大人になってしまったわたしは今、創造性を発揮できているのか?って。


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