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はじめての沖縄7日間の記録 〜旅を重ねると、自分の"好き"に確信が持てる。〜


毎年、季節が変わるごとに旅をしているのに、沖縄にはずっと訪れたことがなかった。

「いつか行けたらいいな」とは思っていたけれど、南国に4年間住んでいたこともあって、写真を見てもあまり心惹かれなかったし(好きな方にはごめんなさい…)、なにせ暑いのは大の苦手だから、無意識に遠ざけていたのかもしれない。

だけど、今回はじめて沖縄やその周辺の島で7日間を過ごしてみたら「またここへ戻ってきたいな」とあたたかな気持ちになる場所や、「ここが同じ日本だなんて信じられない…!」と驚くような風景や食べものに出会って、久しぶりに「旅をする」感覚を思い出した。

どんな土地にも、いろんな顔がある。それを強く感じたこの旅で、わたしが出会ったはじめての沖縄の表情たちを、ここに残しておこうと思う。


沖縄7日間の旅の工程

今回ははじめての沖縄旅ということで、まずは沖縄本島をまわって、その後に石垣島、竹富島を訪れるというコースで7日間を過ごした。

○旅の工程○

1日目 那覇
2日目 那覇
3日目 那覇→名護(今帰仁・古宇利島)
4日目 名護→石垣島(川平湾)
5日目 石垣島(川平湾)
6日目 石垣島(川平湾)→竹富島
7日目 竹富島→石垣島(フサキビーチ)


自然の中で、頭が空っぽになってゆく

都会で暮らしていると、常に頭が忙しなく考えごとをしている。「何もしない」「何も考えない」って難しい。

だけど沖縄で過ごした7日間、気づくとわたしには「何も考えていない時間」が何度か訪れた。

自然の中に包まれていると、頭も少しずつおやすみモードになっていくのかもしれない。彼に「今、なに考えてた?」と聞かれるまで、わたしは自分が何も考えていないことにすら気づかない、そんなことが何度かあった。

心地よい「空っぽ」の状態を生み出してくれたのは、沖縄の大きく包み込んでくれるような自然だったのかもしれない。

海へと向かう、短くて深い緑のトンネル。
トンネルを抜けると…。よしもとばななの「海のふた」を思い出す。
今帰仁の淡い夕暮れ。なんだか神秘的。
眺めていると心穏やかになる、夕方の川平湾。
西桟橋からの夕陽。見えなくなるまで見つめてた。
竹富島。思い描いた沖縄が広がっていた。


泊まったからこそ垣間見れた、沖縄の素顔。

今回は、7日間で5つの宿に滞在した。(彼と一緒に旅をするようになって、毎日違うところに泊まるのにもだいぶ慣れてきた。)

7日間、全く違う場所やタイプの宿に滞在したからこそ、沖縄のいろんな顔がみえた気がする。

それぞれの宿をおすすめするなら、こんな感じ。

・はじめての那覇観光なら
 ▶︎アンテルーム那覇

・人との出会いを楽しむなら
 ▶︎なきじんゲストハウス結家

・落ち着いた水辺でのんびり過ごすなら
 ▶︎Maetakaya the third

・沖縄の原風景で、島暮らしを体験するなら
 ▶︎新田荘

・リゾート地で、アクティブに過ごすなら
 ▶︎リトルマーメイドホテル
朝、目を覚ますと目の前に海が広がっている。それだけで、今日はいい日と思える。
廊下にはギャラリーが。
ここで毎日仕事をしたい。
やっぱり、海を眺めながらぼーっとしたい。
今帰仁のゲストハウス結家。海まで30秒。
夜はごはんを持ち寄って、みんなで食べる。
気になる料理を少しずつ。盛り付け方に性格が出る。
石垣島・川平湾にあるMaetakaya third。名前の理由は、いまのオーナーがここの3代目だからだそう。
畳がいい。窓の外の川平湾を眺めながら、壁にもたれて読書したい。
川平湾が目の前に広がる窓。ここがいちばんのお気に入りスポットでした。
竹富島の民宿、新田荘。
広〜い縁側。ここから眺める星空がきれいだったな。
フサキビーチの丘の上にある、アットホームなホテル。
「甘いね」と何度も言いながら食べたパイナップル。


知っているようで知らなかった、沖縄の味。

日本語なのに、メニューが読めなかったり味が想像できなかったり。はたまた、頼んでみたら思っていたものと全然違ったり。

日本にいるのに「予想外」の連続で、まるで異国に来ているみたいだなあといちばん強く感じたのは、食事かもしれない。

憧れていたもの、はじめて出会ったもの。特に印象に残っている、沖縄の食べものたち。

この旅でいちばん感動したもの。子供も大人も思わず笑顔が溢れるお菓子。
あなたが本物のゴーヤチャンプルーだったのね。
市場で選んでそのまま調理してもらった、ぐるくんの唐揚げ。丸ごとかぶりつく!
沖縄氷ぜんざい。ひんやりしたら氷に黒蜜、ゴロゴロ入った煮豆たち。毎日食べたい夏のおやつ。
"福を呼ぶ" と言われている、伝統のぶくぶく茶。
川平湾のパン屋さん。グリーンカレーとバインミーが衝撃的なおいしさ。近くにあったら週一で通いたい。
とろとろの島バナナカスタードパンも忘れられない。
島らっきょうの天ぷら。甘くて軽い食感で、食べはじめると止まらない。
これを食べるためだけに、また美栄橋に行きたい。
可憐なやちむんに、たっぷりのカフェラテ。何時間でもここで過ごしたい。
暑い中、氷を求めてくてくと。
氷屋さんの氷ぜんざい "きなこみるく" 味。


沖縄にいるのに、なぜか恋しくなった場所。


今回の旅は、自分の「好き」に確信が持てた旅だった。

おかしな話かもしれないけれど、わたしは沖縄の海を眺めながら、瀬戸内の海が恋しくなっていた。

その気持ちは旅が終盤に差し掛かるにつれてどんどん膨らんでいって、東京に帰ってきてから、わたしは次の瀬戸内旅のことばかり考えていた。

沖縄の海は、今まで見た中でいちばん透き通っていたし、大きな太陽に照らされて、きらきら輝く姿は美しかった。焼けるような夕暮れの空には圧倒されたし、ここへ来れてよかった、と何度も思った。

だけど、わたしにとっていちばん美しいと思う海はやっぱり瀬戸内海で、熱い太陽ときらめく海よりも、薄い水色の空にぽっかり雲が浮かび、水面が穏やかに揺らめくのどかな風景のほうが、なんだか落ち着くのだ。

このことに気づいたときは少し決まりが悪かったけれど、今は「旅を続けていると、こういうこともあるんだなあ」と、新しい発見をしたような気持ちで、むしろ前向きに捉えている。

旅を繰り返していると、こうやって微妙な「好き」の違いに敏感になっていくのかもしれない。

これからもわたしは、自分の好きな土地や、帰りたいと思う場所を、いつまでも探し続けていたいなあと思った。




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▼旅についてのエッセイは、こちらのマガジンで。



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