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自分の価値を知りたくて、殻をやぶって飛び出した


人に自分のことを話すのが苦手。
文章では伝えられることも、話すとなると、途端に自信がなくなってしまう。

そんなわたしが、まさか人生で「ラジオの生配信」に挑戦する日がくるなんて。


***


阿部広太郎さん主催のオンライン講座「企画でメシを食っていく」の第7回目。講師は、Radiotalkの井上佳央里さん

課題が発表されたとき、「生配信なんて、わたしには無理だ……」と、頭を抱えた。

だけど、今回ばかりは諦めるわけにはいかなかった。
なんとしても、前回の反省と後悔を、成仏させるために。

できることは、すべてやった。
とはいえ、講義が始まっても、やっぱりずっと不安だった。

だから、講義で井上さんが、声に力を込めて


「……これは、すごい。と思いました。」


とわたしのラジオの番組名を口にしたとき、呼吸が止まった。

ラジオの企画であり、自分の企画でもある。そんな想いで、全身全霊で挑んだ今回の企画。

これまでの人生に、わたしという人間に、また少し自信が持てそうな気がしている、今。

ここに想いを、しっかり書き留めておこうと思う。


1. わたしの "ラジオの企画"

今回、実はふたつのラジオを配信していた。

課題で提出したのは、生配信した「真夜中の、ラブレター」

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そして、企画生に向けてこっそり収録していたのが、「岡崎菜波のB面ラジオ」

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どうして、今回のような企画をしようと思ったのか。

この数週間のわたしの悩みや葛藤、奮闘も含めて、包み隠さず綴っていきたい。

2. ラジオの企画ができるまで

ふたつの「ラジオの企画」ができるまで。
企画を練るときに書いたメモを読み返したら、今まででいちばん多い、7,800文字の記録が残っていた。

2-1. 今回の企画で、大事にしたかったこと

まず、今回の企画に取り組む前に、じっと考えてみた。
そして、ラジオを配信する上で、これだけは大事にしようと決めたことがある。

大事にしようと決めたこと
・「自分にしか話せないこと」と「相手が聞きたいこと」の交点をみつける
・取り繕わず、「自分らしさ」をちゃんと出す
・「自分の企画」につながるような企画にする

「自分の広告」のときからの永遠の課題は、「自分の感情と、客観的な事実のバランスを保つこと」

自分の感情の押し付けにならないように、「本当にこれは、誰かが聞きたいと思っているのか?」「誰が、どんなときに聞きたいと思っているのか?」と、何度も何度も自問した。

2-2. 聞き続けたからこそ、見えたこと

大事にしたいことを決めてからは、前回の反省を生かして、「とにかく生の声を聞く、調べる、対象を知る」ということを、時間の許す限りやってみた。

完成までの道のり
・いま世間で人気のラジオ番組を調べて聞く
・周りの友人に好きなラジオ番組とその理由を聞く
・どんな話を聞いてみたいか、意見を聞く
・人気・おすすめされた・気になったラジオを聞く
・上記を踏まえて、ラジオとは?自分が届けられることは?を考える
・自分らしいラジオのコンテンツ案を洗い出す(15個)
・構成を考え、簡単な台本を書き、いざ配信!

「音声だけを聞き続ける」ことが、こんなにも忍耐力のいることなのか……と、途中で心が折れかけた。けれど、興味がない番組も、知らない人の番組も、とにかく片っ端から聞いてみた。

この作業をしたから、「自分はこういう路線じゃないな」とか、「知らない人だけど、こういう内容だったら案外聞けるな」とか、そういう感覚が徐々についてきたのかな、と思う。

2-3. 相手と自分の交点をみつける

そして、いちばん難しかった、周りの人が「聞いてみたいこと」と自分が「話したいこと」の交点を探る、ということ。

ここに関しては、

①まず、いろんな人の声を聞いてみる
②自分が話せること、話してみたいことを洗い出す
③その中から、自分の強みや感性が生かせそうな内容を選ぶ
③実際にその内容で話したら、聞いてみたいか?を人に聞く

という感じで、自分の考えと他の人の考えを行ったり来たりしながら、内容を磨いていった。

だけど最終的には、前回の講義で秋元さんがおっしゃっていた、「データをとことん集めたら、最後は自分の心で決める」という言葉を思い出して、自分の心を信じることにした。


3. ラジオの企画に込めた想い

こうして、悩んだり躓いたりしながらできあがったのが、今回のふたつの企画だった。

3-1. 真夜中の、ラブレター

課題として出した、ラジオの企画。

井上さんからは、

「ポッドキャストアワードに出してみたら、いい線いくかも」
「詩の朗読に近い文学性があって、よかった」
「このまま配信を続けたら、ラジオ界のaikoさんになれるかも」

なんていう、人生でこれまでにないくらいの褒め言葉をいただいた。
(嬉しすぎて、震える指で一言一句残さずメモした……。)



数あるアイディアの中で最終的にこれを選んだのは、「これが、自分の人生をいちばん表す企画だ」と、心から思えたから。

あのときは伝えられなかったけれど、たしかに自分の中に芽生えた、そこに存在した、想い。

わたしはそんな感情や記憶をなかったことにしたくなくて、noteを始めて、今でも文章を書き続けている。

音声だったら、もっと気持ちを込め込めることができるし、文章よりも、双方向で対話することも、できるかもしれない。

真夜中に、忘れられない記憶や、誰にも言えない想いを、誰かに聞いてほしい。聞くことで、救われる。そんな人が、いるかもしれない

「恋愛の生々しい話をしたら、受けはいいと思うよ」とはいろんな人に言われたけれど、面白おかしく話すのは、たぶん自分の企画じゃない。

そんな風に思って、出した答えがこれだった。



いざ話したものを聞いてみると、単調だし、感情もこもっていないような感じがして、「これ大丈夫かなあ……?」と心配になったけれど、阿部さんに

「朗読がとてもいいなあ。役者、声優だ。」

という、これもまた身に余るほどの褒め言葉をいただいて、「あれ、案外わたしはこのままでもいいのかもしれない……!」と思うことができた。



ちなみに今回ここで話したことは、noteにも書いたことがないし、誰にも話したことがないお話で。

まだ他にも用意していた話があるので、もし機会があったら、この続編もいつか話してみたいなあと思っています。


3-2. B面ラジオ ー 自分に自信がない話。

ここからは、B面の話をする。

「ラジオの企画」の課題が出た日、わたしは真っ先に、いちばん信頼している人に「わたしは何を話したらいいんだろう……」と弱音を吐いた。

すると彼は、「自分に自信がない話をしたら」と、さらっと答えた。

ちょうどその日は「食の企画」でボロボロになって、いつも以上に自信がなかったから、「どうしてそんな、自分自身をさらに追い込むようなことをしないといけないんだ……」と思ったし、「こんな話を聞きたい人なんて、いないでしょ」と苦笑しながら返した。

だけど、「おむすびラジヲのときは頑張りすぎていたような感じがするし、企画生の中にも、そういう話を聞いて救われる人は、絶対いると思うよ」という力強い一言を聞いてから、

「企画生のみんなにも、本当の自分を知ってもらいたいな」という想いが、少しずつ芽生えていった。



とはいえ、これを課題で出すほどの勇気はなかったし、「阿部さんだったらまだ分かるけど、わたしが自信のない話をすることで、何人の人が救われるんだろう……」と考えたら、やっぱり自信がなかった。

そんなとき、ちょっとしたトラブルが起きた。

「今日、絶対に生配信しよう。」

前々からそう決めていた日の夜、アプリを開いて40分間画面を見つめていたものの、結局勇気が出なくて、「まずは収録型で練習をしよう」と、逃げ道を選んでしまった。

自分の臆病さが幸いして(?)、「じゃあ、せっかくだから練習として、話してみようかな。収録型なら、聞きたい人だけが聞くだろうし……」ということで、このラジオが生まれた。




このラジオを聞いて、誰が救われたのかは、わからない。

だけど、阿部さんの「殻、やぶれてた。」という一言が、わたしにとってのすべてだったなと思う。

今はまだ、名もない26歳の戯言かもしれないけれど。

いつか自分が誰かの背中を押す側になったら、このラジオが、誰かの夜を少しでもあたためられたらいいなあと、密かに願っている。

4. "自分の企画" という答えに向かって。


不安で不安で仕方なくて、自信も枯れ果ててしまっていた、数週間前。

「この半年間で、自分は何ができるようになったんだろう」
「企画メシに参加して、自分のどこが変わったんだろう」


そんな不安や焦りを抱えながら、ひたすら音声コンテンツを聞き続けて、周りの意見に耳を傾けて、自分と向き合い続けて。

食の企画の後、「自分に価値なんてない」と夜の下北で大号泣して、それでも現実から目を背けないで、「これは自分の企画だ」と胸を張って言える答えを出そうと、必死にもがいてきた。



今日まで半信半疑だったけれど、こういう形で誰かに「伝わった」のはやっぱり嬉しいし、心底安心した。

そして何より、「もっとちゃんと、客観的に自分のことを見つめて、認めてあげよう」とも思った。



***



6月から始まった企画メシも、ついに12月で最終回を迎えようとしている。


この半年間、もがいて悩んでぶつかってきた、今の自分の夢や想い。


そのすべてを「自分の企画」という答えにして、最終回は笑顔で臨みたいな、と、思っている。



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