さようなら、恋した時代の言葉たち。これからは、新たな言葉と生きていく。
「誰かに恋していること」がアイデンティティと言っても過言ではないくらい、恋愛中心の人生を送ってきたわたしは、いつの間にか大人になって「恋する自分」を卒業していた。
それと同時に、心が動く文章が書けなくなった。
文章を書くこと自体は、ずっと続けている。だけど、あの頃のように身体の内側から言葉が湧き上がってくるような感覚は、しばらく抱いていない。
頭で考えて文章を書くことはできても、それは今までのような「自分らしい文章」ではないような気がしていた。
「恋する自分」を卒業し