35歳(女)子持ちデザイナーの転職成功ストーリー
私ごとですが、最近転職しました。
社員数十名規模の受託制作会社から、社員数百人規模の事業会社へ。念願だった事業会社への転職は自分にとっては大大大成功の結果なわけですが、30代も半ばになってからの転職活動は、正直簡単ではありませんでした。
目の前の仕事を丁寧にやってきた自負はあるけど目を引くようなような実績もない。有名企業に勤めているわけでもない。しかも子持ちの30代。こんな私がなぜ転職を成功させることができたのか?をお話したいと思います。今もし同じような状況の方がいらっしゃったら、私の経験が少しでも参考になればうれしく思います。
スペック紹介
・Webデザイナー歴12年(ソフトウエア開発会社4年→受託制作会社8年)
・2015年 産業技術大学院大学 人間中心デザイン 修了
・2018年 第一子出産のため1年弱の産休育休を取得
・2020年 復職1年後に転職
キラキラして働く母ちゃんになりたい
1年前、転職活動を始める前の私は、落ち着いたらいつか事業会社に転職したいなくらいに思っていました。
前職のWeb制作会社は非常にホワイトな会社で働き方に関して不満はなく、クライアントワーク自体も嫌いではなかったし、時短勤務→フルタイムに戻してこの会社で働いていくことも考えていました。
女性であることや出産を言い訳にしたくないですが、転職のタイミングは本当に難しいです。子どもが欲しいと思っていた数年間はとても会社を変える気にはなれなかったので、キャリアは二の次に考えていました。
育休から復帰して、再度自分のキャリアについて考えたときに、いつか子どもが手がかからなくなった時に自分が誇れるものってなんだろうと考えました。ただなんか漠然と「キラキラして働く母ちゃんになりたい」と思いました。
そんな私ももう35歳!この先ますます市場価値がなくなっていくかもしれないし、転職するなら早い方がいい!と重い腰を上げました。
とはいえ、よほどいい条件じゃないと転職したくなかったので、はじめに高望みすぎるくらいの条件を設定しました。
転職先の条件
・みんなが知っている(何なら親も知っている)会社
・自分が使っているサービスの事業会社
・UI・UX両方できるところ(特にUXリサーチ)
・パパママ社員が活躍しているところ
・今が旬の会社
そんなこんなで、8年ぶりの転職活動をスタート
2020年中に転職できたらいいなくらいの目標で、職務経歴書やポートフォリオの準備をはじめました。前回の転職は8年前。転職活動のやり方なんてとうに忘れてしまっています。
まずエージェントに登録することにしました。職務経歴書のテンプレートをもらえそうだし、文章の添削とか、面接のアドバイスなんかもしてくれそうと思ったからです。(⚠️実際には違いました。詳細は後述)
登録したエージェントは2社。女性のキャリア支援に特化している会社と、クリエイター求人に強いと謳っている会社です。
ポートフォリオに関しては、凝ったデザインの印刷物やサイトをイチから作るほど時間的余裕はないので、Adobeポートフォリオ、MATCHBOXあたりを触ってみて、操作が簡単なMATCHBOXに制作実績をアップロードしていきました。ただ、無料プランだと作品の上限数が5?6?くらいしか登録できず、画像のレイアウトの自由度がないのが不十分に感じました。(有料プランにしろって話ですね😇)
わりと短時間でポートフォリオを完成させ、エージェントから日々送られてくる求人に目を通し、自分で決めた条件にマッチする求人に応募していきました。
まさかの書類通過率、0%😂
応募をしたものの、書類の時点で不合格で、面接にさえ進めません。
明らかに何かがおかしいと気づきます。自分の経歴と実績では、とても「今が旬の会社」には目にもとめてもらえないのだと・・・
それもそのはずです。30代中盤ともなれば、誰もが知っている企業で風を切って仕事をしているとか、マネージャーで何人もの部下を育成した経験があるとか、デザイナーとして目をみはるようなイカした成果物があるとか、そんな人を求めますよね。
個人的な感覚ですが、私のような経歴だとエージェントを通しての転職は無理があると思いました。よっぽどの経歴か実績が書類上に並ばないと面接にすら進めません。もちろん会社を選ばなければ豊富な求人から選ぶことも可能なのですが、キャリアアップを求めるのであれば難しいです。
担当のエージェントもあまり乗り気でなかったと思います。書類やポートフォリオのアドバイスもほとんどしてくれませんでした😇😇😇
年の瀬、小田急線沿いのとあるカフェで覚悟を決める
暗雲立ち込める中、産技大時代の恩師であるA先生に相談しました。
「ポートフォリオ見せてみな。」というのでリンクを送ると返ってきた言葉がこれでした。
ああ!ひどい。これじゃ落ちるわw
大学生じゃないんだからさ
私:😱😱😱😱😱
みかねたA先生から、ポートフォリオ作成のポイントを伝授していただく運びとなりました。(年の瀬のお忙しい中、小田急線沿いのカフェで)
A先生とお話する中で、自分が本当に市場価値のない人間に思えてきました(注:先生はモラハラでも何でもないしめちゃくちゃいい人です)。そして漂う、転職するには遅すぎる感・・・😇
実績を並べただけのポートフォリオを広げて待っていても、誰も必要としてくれない。自分がやりたいことを明確にして、やりたいことをするための攻めのポートフォリオを作らないと、今が旬の会社には転職できないとわかりました。
この時、転職活動に本腰をいれる覚悟が決まったのでした。(やっとかい🤣)
🔽 ここからはやってよかったことベースで書いていきますね 🔽
1. ポートフォリオには企業側が求めていることを書く
2. 友達知り合い元同僚のツテを最大限に使う
3. Wantedlyのプロフィールを充実させる
4. まずはカジュアル面談をうける
5. 面接はとりつくろわず、等身大でいどむ
1. ポートフォリオには企業側が求めていることを書く
先生から教えてもらったポイントを押さえればみんな成功してしまうので教えたくない(いじわる😂)のですが、かいつまんで書くとこんな感じです。
・冒頭に自分のウリにしたいことを書く
・ウリにしたいことは、企業側からみて魅力的なものにする
・プロセスを丁寧に書き、途中成果物も載せる
ちなみに私は以下をウリにしました。
1. UXリサーチ(今後やっていきたい)
2. クリエイティブディレクション(自信ありと言い切る)
3. UIデザイン(自信あり)
企業側が求めていることは、だいたい求人票に書いてあります👀
求人票をみていると、中堅デザイナーの場合はデザイナーのスキルにプラスして、リーダー経験とか、マネジメント経験とか、プロジェクトマネージャーの経験が求められるケースが多々あります。
私の場合マネジメント経験が足りていないと思ったので、それに変わる経験がないか考えてみました。
競合コンペでデザインコンセプトを考えてクライアントにプレゼンした経験や、UXリサーチ部を立ち上げたこと、社外でやっていたUXの取り組みでリーダーを努めたことなど、代わりになりそうなエピソードで補填しました。
ポートフォリオは自分という商品のカタログです。ユーザー(採用担当者)から見て魅力的に見えるか、客観的に見返しながら文章を書き足していきました。
ページの一例
成果物だけでなく、制作プロセスを丁寧に書く
新卒採用のポートフォリオの場合、パッと見て伝わりやすいことや、レイアウトにもインパクトが重要と聞いたことがありますが、中途採用のポートフォリオは違うように思います。
私は今後UXリサーチに力を入れていきたいこともあって、成果物よりも、制作のプロセスをできるだけ丁寧に詳細に書いていきました。
サイトを作る際にユーザーインタビューをした、インタビュー結果からどんなことがわかった、クライアントに説明するためのこんな途中成果物をつくった、ユーザーテストをした、改善をした・・・などなど。
こうして完成したポートフォリオ第二弾をひっさげ、転職活動を再スタートしました。
完成したポートフォリオを再度A先生に見てもらったところ「やればできるじゃん!これを使ってブラッシュアップしていけばよろしい。足りないところを埋めるように活動すること」と言っていただきました😭
2. 友人知人元同僚のツテを最大限に利用する
30代にもなれば、友人知人や元同僚は各所で重要なポジションになっているでしょう。今こそ、ツテを最大限に利用する時です。20代のころにはできなかった戦法です😎
「今度ランチしよう?」「会社見学に行かせてほしい」「転職を考えているのだけど、いい会社しらない?」などとカジュアルに連絡してみました。
リファラル採用の場合、紹介者に報酬が入る制度を用意している会社も多いので、みなさん快く応じてくださる印象です。(お金が目的というわけではないですが)
私の場合、3社に会社見学にいかせていただきました。(コロナ前)
・恩師A先生を通じて、食に関する事業会社へ
・友人を通じて、ネットショップサービスの会社へ
・産技大の先輩Hさんを通じて、大手通信会社のUXデザイン部門へ
会社見学にいくと、自分がそこで働くイメージがつくかどうか大体わかりますよね。
長年生きてきて培ったアンテナを最大限に利用して、「あっ、なんかガツガツした職場だな」とか「雰囲気が若いな」とかを感じとります。これはもう直感的なものです🔮
逆にこの年になると、見学に行かずに応募するのは怖いと思うくらいです。フィーリング大事。
3. Wantedlyを充実させる
並行して、Wantedlyを充実させました。もうWantedlyには感謝しかありません。
Wantedlyスコアをあげるために、出せる情報は出し、ポートフォリオのリンクも載せました。情報が充実してくるとスカウトメールが届くようになりました。
自分の経歴と、今後やりたいことを見てメールを送ってくださるのか、見当違いなメールは届きませんでした。(求人紹介サービスに登録すると自分の希望にまったくかすらないスカウトメールが届くことも多いですよね)
4. カジュアル面談をうける
Wantedlyを通して、自分の条件にあう会社と何社かカジュアル面談をさせていただきました。
返事もすぐ来るので、エージェントを通すよりはるかにスムーズでした。
この頃から世の中はコロナ禍に突入し、カジュアル面談はすべてオンラインとなりましたが、むしろ時間的に大変助かりました。
カジュアル面談に挑むときのポイント
・なんだかんだいって、かならず自己紹介を求められるので1分とか2分で経歴を説明できるように練習しておく。
・受け身はだめ。質問したいことはかならず3つ以上用意する。
・ポートフォリオを見せて、可能であればフィードバックをもらう。(選考前なので客観的な意見をいただける)
カジュアル面談では、可能であればポートフォリオのフィードバックをもらうとよいと思います。「他にこんな制作実績はないの?」とか「面接では、ここ突っ込みたい」とか教えてもらいました。
カジュアル面談でざっくりお話をきいておくと、面接に進んだ際に緊張が減るのでおすすめです。
5. 面接はとりつくろわず、等身大で挑む
最後は面接についてです。
産技大時代の先輩Hさんを通じて、大手通信会社のUXデザイン部門にも応募しました。採用面接には先輩も同席していて、面接でダメだったところを教えてくれました。(本当に本当にありがたいことです😭)
いただいたフィードバックがこちらです。
自分を会社に合わせるのではなく、自分の思いを伝えること。
うちのサービス使ったことありますか?に対しては正直に「使ったことありません」でよい。
なんでもできます、なんでもやりたい、という姿勢ではなくて「自分はこれがやりたい、この会社ではそれが叶えられる、なぜなら」を言えるように。
ハッとしました😱😱😱
採用されたいがために、自分が受け身の姿勢になっていたことに気づきました。
人気企業であればあるほど、人がわんさか応募してくるわけで、好きです尽くしますという人よりも、自分を持っている人の方が惹かれるよなと。
選んでもらうのではなく、こちらが選ぶ。この会社がダメでも他でも求められてるんで〜。くらいのスタンスでいることが大事だと思いました。
不採用でも凹む必要なし
知人の紹介でネットショップサービスの会社にも応募し一次面接に進んだのですが、ビジュアルデザインに強い方を求めているということで不採用に。不採用通知をいただいたときには正直凹みますが、凹む必要はまったくないです。単に、そのときの波長が合わなかっただけだと思うようにしました。タイミング重要👆
ちなみに、窓口になってくれていた知人から、「転職の思考法」という本をおすすめしてもらいました。
読んでみる価値ありです。本の後半にかけて役立つ情報がぎゅっとつまっています。
最後に
ここまで読んでくださりありがとうございます🙇♀️
最終的に二社からオファーをいただくことができ、自分の決めた条件により近いと思う方に入社を決めました。
30代半ばの転職活動は、当然ですが20代のころとは感触がまったく違って厳しいと感じました。ましてや育児をしながら転職準備をするのは相当大変です。子どもが寝た後に、少しずつ少しずつ準備を進めていきました。
それでも今、憧れの会社で好きな分野の仕事をしながら新しいキャリアを作っていけるとは、1年前には想像もしていなかったことです。覚悟を決めて転職活動をがんばって本当によかったと思います。
※ちなみに私が応募した会社はパパママ社員がたくさん活躍しており、育児中であることは採用のハンデにならないようでした。朝や夕方は家族の時間としてブロックしていることがごくごく自然に行われているようでした。
最後になりますが、今回の転職に際しいろんな方にお力添えをいただきました。
・覚悟を注入してくれた、A先生
・面接のフィードバックをしてくれた、先輩Hさん
・相談に乗ってくれた、大学時代の友人D
本当に感謝しています。このご恩はいつか返したいと思います😭
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