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少し大人になったあの時

私たちはその曲が好きだった、好きだったから聞きたかった。

私たちが中高学生のころ、音楽は、ウォークマンにいれて持ち歩くのが一般的だった。
CDを買って、パソコンに取り込んで、それをウォークマンに入れて。友だちと交換してお互いのおすすめを入れ合ったりもした。それだけじゃなくって、パソコンが得意な誰かに頼んで、動画サイトからファイルを変換してダウンロードしてもらっていたりした。いけないことだった。


「その曲が好きなら、作った人、届けてくれた人にありがとうを伝えて、応援しようよ。」


誰かを応援する気持ちを明確に意識したのは、この言葉があったからだった。もちろん、当時の私にとっての応援は、少しのお小遣いをどう使おうか、というくらいの問題だったけれど。
それ以来、本を買うにも、パンを選ぶにも、カフェに行くにも、「応援」という言葉を意識するようになる。自然といろんな場所で、いろんな人が、いろんなことに一生懸命になっていることに目が向くようになる。

頑張っている人がいてそれを応援する人がいる。応援する人と応援される人は、別の場面では逆になっていることもある。そういう関係がたくさん重なって世界は動いている。

応援する気持ちを知って、私も社会の一員になった気分がした。社会の中の1人の大人になったような気がした。

そうして周りを見渡して、
私は、私を応援したい人の気持ちにも気がついた。


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最後まで読んでいただきありがとうございます。こうして言葉を介して繋がれることがとても嬉しいです。