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新人君がやって来て/就職当時の気持ちと今の私にできる事

私の職場は、4月1日で職員の大異動!
我が係に新卒の男性がやって来た!
「3月末まで学生でした。」・・・そろそろ引退の私の心に芽生えたのは、このまっさらな人を育てなくちゃという感情と就職当時のある思いだった。

遥か彼方の昔、運よく公務員試験に合格し、大学卒業後市役所で働くことになったが、新人研修の後配属されたのは、障碍者の入所施設だった。
専門職採用だったので、ケースワーカーという相談職に就くのだろうと皆が思っていた。ところがふたを開けてみると、新人の大部分がとある施設への配属。
「ガーン!!!!!そんなの聞いてないよ!」と誰しもがそう思った。
入所施設なので早番、遅番、夜勤があり、辺鄙な立地で通勤にも時間がかかる。

配属先を告げられた後、バスで強制収容されるような気分で新しい職場に向かった。みんな暗い面持ち。

その気分を払拭してくれたのは、
入居者の明るい笑顔と地面に座りながら片手をあげて愛想よく、誰彼構わず元気に挨拶する「こんにちは~」の声だった。

知的障碍者の方たちは、みんなずっと年上だけど、精神年齢が若く(失礼だが)、世間でもまれていない分純粋で、何だか愛おしく感じられたのだ。


福祉に関する仕事のしょっぱなとして、人間の昼と夜の顔を知り、体と体でぶつかり合い、笑ったり泣いたり、楽しいこと苦しいことを共有した日々は、とても貴重な体験だった。

体力的にも精神的にもエネルギーのある時期、時間もある。
今振り返ると、その時に体と心で学んだことは、かけがえのないものだった。若かったからこそできたのだ、と思える。

「若さって素晴らしい。」あの時年配の職員がそんなことを言っていたけど、今自分がそれを思う。

年を取ると昔のようにスピーディーに事務処理したり、同時並行して多くのことを処理する能力が低下してくる。
経験年数がある分、知識は増え判断力は養われているけれど。

次の世代に教えてあげられることは伝えていこう。今まで人を育ててきたように。そして、第二の人生への準備期間として今何をなすべきか考えよう。

今の自分にできることは何か。好きな場所、好きな人、やりがいのある事、自分のやりたいことは何かを改めて考えつつ、これから長く続くなだらかな時代をどう乗り越えるか、真面目に考える春を迎えている。

まず手始めに5月、介護について話し合い、一緒に歌を歌う講座を計画した。ココロが赴くままに、やってみたい。やってみよう。

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