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誰のために働くか?親、自己実現、家族、自分・地域の為。

天職と適職の違いも大事

①親のために働いた時代

 大学を卒業して初めての就職は、もちろん自分の為でもあるのだが、定期的な収入を得てまっとうに働けるようになったことを親に確かめてもらう意味合いが強かったような気がする。当時は何も感じていなかったが、今思うと親の為に働いていたように思う。実家暮らしだったため家にお金を入れてもいたし、親のすねかじりで独身時代に働く意味は、親のためだった。もちろん自分のために貯金はしていたが。

 子供の頃祖父の経営する同族会社は順風満帆で家庭は裕福だったが、ある時からその経営が低迷し、中学卒業が近づく頃から「うちはお金がない」と言われ続けてきた。その為親におねだりをしたこともなかったし、お小遣いも派手に使わず、ちまちま使って、親には負担をかけないようにしてきた。だから余計に、大学卒業し安定した仕事(公務員)に就けたことは、親への感謝がまずあった。

②自己実現のために働こうとした時代

 しかし、数年働き続けている間に、自分は大勢の人と接したり(施設職員)、人生の裏側に向き合うストレスの多い仕事(ケースワーカー)にも向いていない、専門職採用の為働ける職場は限られ、そんな長い人生は嫌だと思うようになった。

 そして自分の好きな事で食べていくことを考え始めた。女性だからいずれ結婚するだろう、旦那さんに食べさせてもらって、自分は好きな手仕事やアート作品を作り、少し稼げればよい生活を夢見て、働きながら夜間の美術系専門学校に通い、自分本位の自己実現のための時代が始まった。

 30歳になって、安定の公務員を辞めて生地を販売する大手デパートの中のパッチワークショップに転職、販売の傍ら自分のデザインしたキットを使い、教室を開いたりもしていた。好きな事をして、いずれ個展を開くのが夢だなんて甘いことを考えていた時代。

 結婚することになり転居した先で、デザイナーとしての仕事も始めることができたが、自分の才能のなさに気づき、作ることは趣味でやるのが丁度よい、子育てしながらできる仕事ではない、と気付いた。

③家族のために働く時代

 妊娠し体調不良で仕事を辞め、子供が幼い頃は、手作りおもちゃの提案という雑誌の仕事も在宅でしていたが、主人の経営する事業が低迷し、またもやお金の心配が生じ、家族の生活のために働く時代がやってきた。

 子供がまだ小さい頃、上が3歳間近、下が1歳半の時に保育園を利用しながら事務員として働く傍ら、資格を取って介護支援専門員として働き始めた。介護保険の始まった大混乱の2000年のドタバタを乗り越えて、その後職場を変えつつ正社員となり社会福祉士として働き、両親の介護も一人で抱えながら20年以上が過ぎていった。子供たちの学費捻出が最大の目的だったが、二人とも大学、大学院を卒業後就職し、手を離れた。我ながらよく頑張ったと褒めてあげたい。

ひと段落したのに、今度は夫が病気となり、私は今も少し軽い仕事を続けている。家族のために…。

④老後は自分のために、地域のために

 年金がもらえるようになる時期を想定し、老後は自分の好きな手作り作品を作り販売も考えつつ、地域の認知症の方(母を含む)や家族が集えて一緒にモノづくりをしたり、歌を歌う場を夢に見て妄想している。どう考えてもお金のにおいがしない仕事(活動)だ。

 でも、自宅の近くに楽しみながら活動できる場があるのは素敵な事ではないか。認知症の人だって、個性を考えてできることはあるはず、家族が近くでサポートできればそんな夢のようなことも可能かもしれない。       助成金やクラウドファンディングもあるではないか?ということを、のんびり構えて数年前から考えている。

 音楽もずっと私の周りにあったので、ZOOMでその人の好きな音楽を届けて、介護の愚痴を聴きつつ歌って発散してもらえる時間を共有する仕事も妄想中だ。

 働く意味はその時代と家族の関係によって変わってくるが、私は自分の選択と前向きに道を切り開いてきたことを誇りに思っている。子育てしながら勉強もたくさんして資格もたくさんとった。何一つ無駄になっていない。

⑤天職と適職の違い

 (参考文献:江原啓之『スピリチュアルワーキング・ブック』三笠書房)                            

天職は、「好きでたまらず、自分の魂が喜ぶ仕事」 心の底から喜んでできる天から与えられた職業。野球だったり歌だったり、アートだったり。でもお金にならないこともあり、それだけでは幸せになれない。                              適職は、「自分の資質の中でお金を得ることができる技能を生かした職業」自分の持てる力でお金を稼げ、生活を安定することができる仕事のことだ。

    このことを知った時、もっと早く知っていれば…と思った。

 振り返ってみると、若い時代は適職、年を取ったら天職で働くことが、私にとってよいのでは?と思える。                     私は若い時に天職を夢見て寄り道をしてきたから、老後の天職をまた夢見ることができるのだ。

楽しもう老後の天職!!!


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