世界食文化紀行|バルセロナのピンチョス通り
スペインの軽食「ピンチョス」は、小さなパンに色々な食材を乗せ、串刺しにしたもの。目にも楽しく、食べて美味しい最高のおつまみを求め、バルセロナでバルをハシゴしてきた!
ピンチョスとの出会いは丸亀で
わたしとピンチョスとのファーストコンタクトは、なぜか丸亀城の前だった。
4月のある日、お城の前で「チャコリの日」というイベントが行われていて、丸亀と姉妹都市であるスペインのサン・セバスチャン市のグルメが、いっぱい出店していたのだ!
生ハム、チーズ、スペインオムレツ、魚フライ...色とりどりの食材がバケットの上で輝いている。
見た目はもちろんのこと、ちょっとずつ美味しそうなものを試せるという、食べる楽しさが最高の料理だと思った!
約半年後の10月。
Raymmaの相棒、盛田諭史(アーティスト)の展示がバルセロナのヨーロッパ近代美術館(MEAM)で行われることとなり、通訳・マネジメントとしてスペインに同行することとなった。
このとき、心の中で「しめしめ...ピンチョスを楽しめる機会が来たぞ!」と思っていたのは、言うまでもない。
バルセロナの「ピンチョス通り」
午後4時、わたしたちは地下鉄パラレル駅近くの、通称ピンチョス通りに向かっていた。
スペインのバルが盛り上がるのはちょっと遅い時間だが、このあたりは早めの時間から盛り上がっていて、夕方からは並ぶこともある、と聞いたからだ。
なんでそんなに人気なのかというと、数百メートルの短い距離に、ピンチョスやタパス(小皿料理)の店がひしめき合って、はしご酒にうってつけだから。
午後4時は早いかな、と正直思っていたが、スペインの飲み助たちは、すでにテラス席に集結し始めていた...!
さっそく、わたしたちも一軒目に入ってみる。
「Bar La Bota」という、可愛いお店だ!
ずらり並んだ圧巻のピンチョス
眺めているだけで楽しくなってしまうが、同時にお腹も空いてくる。
まずは、このお店からハシゴ酒の第一ラウンド、スタート。
サングリアとモヒートで乾杯!
最初の一杯は、軽めにサングリアにした。
多くのラインナップの中から選んだピンチョスは、「生ハム&ブリーチーズ」、そして「ししとうの素揚げと鶏唐揚げ」。好物しか乗っていない!
生ハムの塩気と硬めの食感に、まろやかなブリーがとても合っていて、サングリアがすすむ。
ししとう&チキンも、しっかり目の味付けで食べ応えがあった。
さあ、ハシゴ酒2軒目!
ひとつの店でまったりもいいが、まだ陽が高いし、せっかくのピンチョス通り。
次なる店に行ってみよう!
こちらのお店のピンチョスは、だいたい2ユーロスタート。
ずらり並んだピンチョスから、紙に書いてオーダーするスタイルだ。
さっきのお店ではお肉を中心にいただいたので、今度は海鮮をいただいてみよう。
タコのマリネのピンチョス、そしてヤギチーズ。
またしてもチーズを頼んでしまったが、違う種類だからいいか。
本日2杯目は、白のサングリアにした!
ヤギチーズには、なぜか濃厚なマスタードが乗っていてピリ辛味だったが、白のサングリアによく合った。
タコのマリネはシコシコ食感とあっさり目の香味野菜ピクルスの取り合わせが絶妙だった!
はしごピンチョス唯一の盲点
こうして、ハイペースで2軒目に進んだわたしたちだったが、3軒目を前にして、いきなりピンチョスの盲点に気づいた。
ピンチョス、結構お腹にたまる...。
そうだよね。すべてバケットが付いてくるので、食べた個数分のバケットが胃に入っているから、すぐお腹いっぱいになっちゃうよね...。
3軒目にたどり着く前に、わたしたちはもうお腹いっぱいになってしまった。
残念!でも別の見方をすれば、「ピンチョスは2軒ハシゴで結構いい感じに楽しめる」ということ。
スペインのレストランは、基本的にガッツリ盛りだ。
ちょっとずつ、美味しいものを色々楽しみたい人は、ぜひピンチョスをはしごしてみたらどうだろうか。
機会があったら、また別の店を訪れてみたい。