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【ダイバーシティからインクルージョンへ】Tensor Energyの初めてのオフサイトイベントの全貌を公開!

背景と目的

Tensor Energyは2人のファウンダーに加えて、2022年1月に最初のエンジニアメンバーが参画して以来、ほぼリモートで活動しながら、徐々にメンバーを増やし、2023年4月1日時点で、11名のチームになりました。
多国籍で経験やバックグラウンドも世代も多種多様な人々が世界のあらゆる地域からオンラインで繋がって、チームTensorを構成しています。
2022年11月からはFukuoka Growth Nextにオフィスを借りて、経営チームはもっぱらここに居ますが、同じ時間と空間を共有する機会を持つことで得るものもあるよね、と改めて感じています。
ということで、年に一回は全員が一堂に会するオフサイトイベントをやろう、ということに相成りました。

さて、初めてのオフサイトイベントのテーマは、チームの一体感を高め、成長のための強固な基盤を確立することでした。

Tensor Energyはこれからの1年以内にチームを30人以上に拡大すること目指しています。急成長には成長痛がつきもので、メンバーが増えればコミュニケーションラインは複雑になり、ダイバーシティが拡大すればそれぞれの当たり前も異なるため、誤解や衝突も生じやすくなり、暗黙知の増殖にも繋がります。さらには顧客、チーム、採用候補者、株主、そして広く一般の方々など、さまざまな外部のコミュニケーションにおいても一貫性を持って臨むためには、カルチャーや価値観の明文化が不可欠です。

今回のイベントでは、その明文化の土台作りとして、普段バーチャルに行っている共同作業を物理的に行うことで体感し、私達の過去、現在、そしてこれからのあるべき姿を全員で考える、素晴らしい機会になりました。

私達を支えてくださっている皆さんへの感謝の気持ちと反省を込めて、今回のオフサイトイベントを振り返ってみたいと思います。
Tensor Energyに興味を持ってくださっている方、またこれからオフサイトや研修を企画する方の参考になれば幸いです。

準備

場所と日程の選定

新型コロナの影響が落ち着き、海外への渡航や日本への渡航ができるようになり始めた昨年10月頃に開催を決め、時期については十分な準備ができるように 6ヶ月後、年一回の開催なので、しっかりシンクするためにも期間は3日間、場所については、初回ということで私達の拠点がある九州を選定しました。
裏テーマとして、仮説思考の強化、がありました。限られた情報やリソースで意思決定をして、行動して、その場その場で改善を繰り返す必要がある状況を作るため、行き先を無人島に決定しました。

スタッフの方々も親切で最高だったので、ご紹介↓
ワカさん、ミヤジさん、お名前を伺いそびれてしまった地元の漁師さん、ありがとうございました!

各メンバーへのヒアリング

あらかじめ、各メンバーのニーズのヒアリングや課題の洗い出しを行うため、1 on 1を設定しました。ダイバーシティに富んだチームにおいては、宗教上の都合やポリシーの違いによって、3日間生活を共にする上でも様々なニーズがあるので、これは丁寧に行って良かったと思います。

ガイドブックの共有

ヒアリングの内容をもとに計画を詰めて、Notionでガイドブックを作って共有しました。何事も期待値の調整が大事です。とは言え、裏テーマにつながる部分ですが、一部のアクティビティについては敢えて詳細を伝えずにサプライズ要素を残しました。この辺の塩梅というか匙加減は難しいところです。

ガイドブック

調達&買い出し会場準備

2ヶ月前からウェルカムパッケージの中身の選定やオーダーを行いました。今回はキャンプやワークショップで飲み物やお皿が入れ替わってしまうのを避けるため、名前入りのマグカップ、お皿&調理器具を兼ねたメスティン、ロゴ入りTシャツを用意しました。

使い捨て容器は使わず、サステイナブルかつコンタミを避けるのも大切です


前日にファウンダー二人で食材や水を買いに買い出しへ。各メンバーのニーズに合わせます。食材だけ用意して、あるもので自由に調理してもらおうと考えていたのですが、もっとそれぞれが創造性を発揮できる仕掛けを用意すればよかったな、と反省。次回に生かします。

10人分はなかなかの量です

あたは3日目のワークショップの設計と会場の設定です。2日間の経験をどうアウトプットに仕上げるか、具体的な事柄からの抽象化やチームとしての日々のオペレーションに繋げるか、また二日酔いでグダグダにならないようにメリハリをつけつつ、楽しく成果物に仕上げるか、脳みそ汗だくにして考えました。
これは直前まで練り込んだので、当日までメンバーへの事前共有ができませんでした。これは前もって共有できていたら、さらに良いセッションにできたず。これも反省ポイントです。

オフサイトイベント

一日目: 電力インフラを離れ、チーム内のつながりを強化する

オフサイトミーティングの目標の一つは、お互いをより深く知ることで、チームメンバー間の絆を深めることでした。Day 1テーマは「電力インフラを離れ、チーム内のつながりを強化する」でした。

長崎県西海市まで3時間のドライブ。道中では、私達が日々データとして扱っている分散型の太陽光発電所を実際に見て、それがどのような場所で、どのくらいの大きさで、どのように作られているのか、都市から離れるにつれて、変電所や鉄塔が地理的にどのような場所に作られて行ったかを観察しました。本当は直近で見学の予定でしたが、時間が押してしまって断念。これもダイバーシティあるあるですが、旅行中の時間の感度にはばらつきがあります。ゆとりを持って計画しましょう。

荷物を詰め込んで3時間のドライブ

車を降りてからは、ボートに荷物を積み替えて、無人島の田島へ。
田島にはかつて人が住んでいた古民家が残されていますが、上下水道や電力といったインフラはありません。
島に渡ってからは、薪拾い、火おこしのワークショップの後、クーラーバッグに入った食材を使って、チームで相談しながらBBQの準備。これも事前には何も決めず、その場でそれぞれ手を動かしながら自然と分担して行きました。意外な得意分野があったり、苦手分野があったり、発見があって面白いです。

モーターボートで無人島の田島へ
田島に上陸
メタルマッチで火おこしワークショップ
田島の夕陽

出来上がった料理を堪能し、飲み物を楽しんだり、焚き火を囲んでの語らいなど、電力なしの生活を体験しました。夜が更けそれぞれ古民家やテントなど、思い思いの場所で就寝。

手分けして夕食の調理
焚き火を囲んで

こうしたアクティビティによって、それぞれの新たな一面を発見して、オープンなコミュニケーションや協力がより深まり、また日々の生活において電気がどれだけ重要であるかを体験する良い機会となりました。

二日目:チームでイカダを作って島を脱出

私達Tensor Energyの挑戦は、不確実性や急激な変化に満ちた世界で、次世代の電力のデジタルインフラを作ることです。このような大きな挑戦においては、何を作っているか、その全体像を具体性を持って把握すること、仮説を立て、チームで意思決定をして実行していくのは容易なことではありません。

そこでDay 2では、全員が乗ることができる大きなイカダを作り、それに乗って、島を脱出するというアクティビティを行いました。
このアクティビティでは、仮説に基づいて作業し、それを素早く検証し、コミュニケーション、問題解決、意思決定能力を磨くこと、そして変化や失敗への抵抗を克服する方法や、壁を破る方法を学ぶことを目的としていました。

慣れない寝袋でうまく眠れなかったメンバーもいる中で、イカダ作りにおいては、初めてのロープワークに苦戦しながらも、たったの2時間で完成させる、という驚くべきチーム力を発揮しました!おかげでお昼ご飯にはそれぞれに支給された飯盒でハラール仕様のラーメンを作って、さらに午後は皆で島を散策したり、残り少ないコーヒー豆で作った薄すぎるコーヒーを飲みながらゆったりおしゃべりしたりする時間も。

最初はそれぞれ結び方を覚えるのに夢中
徐々に協力体制が出来上がって
2時間で完成!
残った時間でハラールラーメンランチ

しかし、このイカダに乗って海に漕ぎ出して、本島に帰るのは、より大きな挑戦でした。 最初は漕ぐタイミングがバラバラでオール同士がぶつかったり、左右のバランスが悪くてゴール地点に向かって真っ直ぐ進めなかったり。
このアクティビティでは、変化の激しい環境に、限られたリソースで、どのように対処するか、十分な情報がなく、準備ができない中で、チームで協力して問題を解決する方法を見つける、というのが目的でした。
これは正に、私たちが日々直面している課題です。
市場が急速に変化し、時には十分な情報がなく、計画が十分ではない中で決断を下し、その場で行動する必要があるということです。それを身をもって体感する得難い経験でした。

海の上で頼れるのはイカダとチームだけ
無事に本島に到着
へとへとだけど笑顔で帰還

35分の奮闘の末、無事に本島に帰り着き、福岡県の志賀島へ3時間のドライブ。ホテルにたどり着いて、皆で夕食を楽しんで、ビーチでの二次会は明るくなるまで続いたとか続かなかったとか。

三日目:我々はどこから来たのか?我々は何者か?我々はどこへ向かっているのか?

第3日目には、経営チームから、長期的なビジョンに加え、今後一年のロードマップや四半期ごとのプロダクトとパートナーシップに関するそれぞれのゴールの共有を行い、チームとの擦り合わせをしました。

その上で、チームとしての文化やアイデンティティの言語化のための、ワークショップを行いました。
まずはウォームアップとして、オフサイトイベントでの2日間を振り返って、以下のようなポイントを、各自付箋に書き出して、ボードに貼り付けて発表しました。


  • チームメンバーについての新たな発見

  • チームについて気に入っていること

  • 最高の瞬間


手書きの文字にも個性が滲み出ます

メインのワークショップでは、海に浮かぶイカダ、太陽、アンカー、オール、岩礁の絵をボードに描き、ポジティブ<>ネガティブを縦に取り、内部的要因<>外部的要因を横にとって、4象限に分けます。そして2日間を振り返って、それぞれ以下のような質問に対する回答を付箋に書き出して、各象限に貼り付けていきました。


  • 太陽(ポジティブな外部要因):チームを活気づけ、推進力を与え、良い気分にさせたのは何でしたか?

  • 岩礁(ネガティブな外部要因):どのような課題や困難がありましたか?

  • アンカー(ネガティブな内部要因):チームの活力を失わせるもの、足をひっぱるのは何でしたか?

  • オール(ポジティブな内部要因):課題をどのように乗り越えましたか?


アンカーや岩礁のセクションから各自3つの課題を取り出し、それらを以下のようなルールで問題提起の質問に書き換えます。英語圏ではHMW(How Might We…?)と呼ばれ、ワークショップで広く用いられているそうです。


  • 質問に解決策を含めない。

  • 抽象化して汎用的な課題にする。

  • ポジティブな表現を使う。

  • 発見したインサイトや課題から始める。


各自が出した問題定義の付箋に対して、深掘りしたいものにそれぞれハートのステッカーを貼り付けて投票をしました。
最後に、得票数の一番多かった問題について、チームとして課題にどのように取り組むかをそれぞれ書き出して発表し、投票をしました。

真剣そのもの
HMWを中心にこれまでの付箋を整理
ワークショップの成果

今回のワークショップでは以下のようなものに集約されました。


  • 互いの多様な文化、専門知識や経験に敬意を払い、讃えあう

  • 仮説やアプローチを調整するための時間を惜しまない

  • お互いのニーズを把握する努力をし手を差し伸べる


引き続きこれらを磨き上げながらバリューとして仕上げていきます。

このワークショップを通じて、私たちは自分たちのチーム文化が、1日目や2日目の活動の中で、どのように具体的な行動に表れていたのかを議論することで、言語化することができました。

振り返り、そして未来へ

このオフサイトイベントを通じて、チームの一体感を高め、成長のための強固な基盤を確立すること、という目的は達成できたように感じています。
3日間にわたる濃密なプログラムを通じて、チームメンバーそれぞれが自己認識やチームとしてのアイデンティティへの気づきを高めました。ダイバーシティ豊かなチームから、それぞれの違いや多様性に敬意を払い、讃え合いながら、課題に新たな視点で取り組んでいくチームへと、さらに歩みを進めました。

引き続き、チーム全体のビジョンや目標、ゴールに向け、それぞれ取り組みを粘り強く続ながら、より良いチーム文化を育成し、事業の成果につなげ、さらなる飛躍をめざしていきたいと思います!

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