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じわじわミッドサマーを思い出す

みらっちさんが書いた記事を読み


数年前に観たミッドサマーを思い出す。
当時の私の感想をこちらに載せたくなったので載せる。


昨日は疲れたので書けなかったけれど。

あんな映画はそうないので。
メモみたいな感想?なのでまとまりはありません。読んで、あまりのまとまりのなさにイライラするかもなので余裕のない人は読まない事をお勧め。

また、若干ネタバレ?なのかな。なので自分で観たい人は読まないほうがいいかもね。




始まりの音から人の神経に触る感じがした。
「あ、この映画は人を不快や不安に落とすものなのか」
と思った。

内容をかるーく説明すると、妹の心中により両親を失った精神的に不安定な女の子と、そんな女の子を見捨てられないも面倒な彼氏、その彼氏の友人達が夏至の儀式があるコミューンに行きあれこれなる話です。

北欧神話とかに絡めてるなぁって感じがするのであちらの宗教感とか神話の好きな人は発見!があるかも。

とにかく音がキーンっとする事が多く
気分が悪くなる人もいるかも。

それとᎡ15指定になっているのですが
死に様がグロテスクでリアルです。
儀式が遥か昔から続くもので
それはそれは悲惨な感じです。

私と夫の映画後の会話が「人間の潰れ方が思った以上にリアルだったね。」なので。

「死」を「喜び」と言うのは
まだ死ななくて済む人の思い込み(というか信仰)だなぁと私は思うのです。
死ぬ人はなんとも言えない表情をしていましたから。

とにかく個のない集団への恐怖心を煽られる。
透明な不透明。
美しい景色の中だからこそ
より一層感じる違和感。

脱出系かと途中までは思っていたのですが観ているうちに
「あ…逃げれないやつ。救われ方がなんとも言えないやつか」となりました。

友人達は、ほぼ死にます。それぞれ残酷無残に。

最後、心の安定を手に入れた主人公だけが微笑むのですが「あ…彼女は救われたのか…」って心に何かフィルターをかけたまま無に近い状態で納得しました。

夢を観ているような映画。
ぼんやりと少し気持ちの良い悪夢を
見せられている。

私はそんな感じでした。


人によっては途中退席するほど心を揺さぶられるようですし、精神的に不安定な方は観ないほうがいいでしょう。


個を無くし
一体になり
他を排除し 
「幸せ」を唱える。

遥か昔から人間ってそうよねって気持ちと
それを拒絶したい恐怖心が
ぼんやり霧のように立ち込める。



私は元々、集団でいる事が苦手なタイプなので
それに属する事に激しい抵抗感があるし
それはとても怖い事なのだけれど
ひとによっては「救い」だし温かで護られていて安心出来るんだろうと思う。



あ。そうそう。男女がことに及ぶシーンがありますが、エロスのかけらもありませんでした。
ただ気持ちの悪い恐怖のシーンです。悪魔の集会みたいなものです。
あんなに画面に肌色があるのに、あんなにおぞましいなんて、不思議。


それから人間は肺を引っ張り出しても果たして本当に生きていられるのか?
本当のところはどうなのかなぁなど私は考えたのでした。

私の感じた感覚をこの世にあるもので例えると

焼けたゴムの臭いを汗が出るか出ないかくらいのじっとりした暑さがある油の染み付いた寂れた工場の中で椅子に緩く括りつけられながら永遠に嗅がされている不快感。

かな。

短い時間ならダメージは少ないけど永遠となると耐え難い。でもおかしくなり切るには何か足りなくて怠くて気持ち悪くて苦痛。


とにかく神経に触ってきます。激しい痛みとしてではなく「あぁ…しんどいっ‥‥‥‥しんどいのに動ける…しんどい」みたいな。



あくまで私の感想なので、人によっては心臓を抉られるような痛みになるかも。
細かく書きたいような
細かく書くのも疲れるような

観て感じてくれと投げてしまいたい。


本当にメモですね。



私は「その世界の正解が自分の世界の正解と違う事を諦めるのがはやい」のでそのまま「そういうもの」と認めてしまいますが
そうではない人にはどう映るのか。



中々ない映画だけれど
世界の歴史の中には呆れるほどあるもの

そんな、映画でした。

映画の次の日の感想がこれ


今、じわじわ思い出しても、なんとも言えない纏わり付くような感覚がある。

あの村は、あれで平和なのだろう。
彼女はあれで救われたのだろう。

『平和』の一つの答えがあの村である。

外から来た人間からすれば、とんでもない悪だが
中から見ればそれは平和の為である。
そして染まれれば平和なのだ。

肉体のある精神でやることじゃないなと思う。
肉体がなきゃ多分………もう少しマシになる。

個であるということが、どういう事なのかすごく考えた記憶がある。

そして、この村のやり方をただ、ただ、気持ち悪いだとか、窮屈すぎるだとか、思うのであれば、きっとそれは『皆が平和』なんていう『平和』には辿り着かないということなんだろうと思った記憶がある。

村には村の幸せがあり、外から捕らえてきたものは獲物であり、そして繁栄していくのは動物的であり、意識を一つにし合うことは宇宙では当たり前でも物質の星には似合わず………人間の求めているもののおぞましさを凝縮したような、強烈な美しさ……………


まとまらない。
見た直後もそうだった。
思い出してもそうだった。



ミッドサマーはCMを見た瞬間『私はこれを観に行かなきゃならない。』と思った。映画を見る習慣のない私にはとんでもなく珍しいことである。


じわじわ思い出している。
あの美しい風景でも殺しきれない、ざりざりとした、いや、ねっとりとした感情が這ってくるのだ。
自然の美しい空気を吸っているはずなのに、マスクをつけられなんとも言えない空気を吸わされているような…


観たことのない人で、観たい人は観るといいと思う。
色々考えたり思ったり、するけれど、どこかでざわりとするものだ。

サポート設定出来てるのかしら?出来ていたとして、サポートしてもらえたら、明日も生きていけると思います。その明日に何かをつくりたいなぁ。