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どれが一番こわいのか


それは数年前の台風の夜の思考

真っ暗闇の中を永遠と歩くのと

真っ暗闇の中を永遠と落ちるのと

真っ暗闇の中を永遠と上がるのと



どれが一番恐怖だろう?と。



まずは終わりない暗闇を歩いてみた。

まずまずな気分だ。足が地についてるという感覚は感覚だけでもいいものだ。ペタペタと歩くのは中々良い。



次に落ち続けてみた。したから風圧のようなものが来るので落ちてるんだろう。元々暗闇だから、落ちてるけどまぁ恐くはない?…でも終わりがなくて体が強張る。力を抜いておちると楽だけれど、何とも言えない孤独感だ。早く底につかないかな?と思ってしまう。



最後に上がり続けてみた。スーパーマンみたいに飛んでるんだ。頭の方に圧を感じるから多分上がってる。

一応、前方を見据えてるつもり。……上を見ても希望の光の一欠片すらない。でもなんとなく見える気がしてくる。それに向かってひたすら上がるけど、そんなもの何処にも無い事を嫌でも思い知らされる。なんともいえない絶望感。そして飛ぶポーズをやめても上にいくのはかわりない…コレは絶望的だ。





どれも嫌っていえば嫌だけど

上がり続けるのが私は一番こわい。

次は落ちるの。

なんにしろ足が何にもつかないって人間的に慣れない。

魚の様に泳げたら違うかもしれない。深海なんかまさにこんな感じだろう。

と台風の夜布団の中で私は思っていたらしい。


確かにね。
今考えて見ても落ち続けるほうがマシだと思う。

でもさ、暗闇を思い浮かべなきゃ、上がる方のが怖くなさそうじゃない?
落ちるイメージは、ほら、ジェットコースター、バンジージャンプ、スカイダイビング、色々溢れているものね。下を見ると目が眩むから、上を見ろとかさ。
色々知っているのよ。怖いもの。

でも。
でもね。

何も見えないとしたら。
真っ暗闇。
周囲の何も見えないとしたら。
上も下も右も左もわからないのを想像すると
上がる時に頭に感じるであろう圧のほうが心臓に悪そうだと思ってしまう。

なんにしても、すべてを吸収してしまう黒の前に自我を保ち続けるなんてことは出来るのだろうか?
常人ではすぐ発狂するんじゃないかな。


ここで、思い出されるのは、私がキャラソンから薄い本からキャラグッズにと、そこそこ貢いだシャーマンキングの葉君が行った修行である。

彼は暗闇の洞窟を何も持たずに入って修行していた。入り口で待っていた仲間たちも緊張して待っていた。

しかし、葉君はいつも通りのヘラっとした笑顔を見せた。いや、葉君すごすぎだろ。あの脱力系な感じが堪らなく好きだ。因みに、アンナさんも好きだ。ハオはめんどくせぇやつだなって思ってたよ。(マンキンは心の支えであった…)

と、少し脱線した。

脱線するのが通常運転である。
どんな線路だ。
責任者を出せ!

あ、私か。

……。
とりあえずだ。

真っ暗闇を歩くのと、落ちるのと、昇るのなら、歩くのはやはり一番安定感があり、案外落ちるほうがマシで、昇る恐怖が一番だというのが、数年前も今も私の考えだ。

画面の前のあなたはどうだろうか?

真っ暗闇。
すべてを吸収してしまう黒の世界で一人。
ただひたすらに
歩かされ
落ち続け
昇り続ける。

因みにこの暗闇の怖いところは音や匂いが無い事である。
たぶん、視覚以外の感覚を補えれば、少しは慣れてくるのでは無いだろうか。
しかし、それらが無い。

私はこの星の五感を楽しむ。
感じ取れるものを楽しむ。

いつか暗闇に囚われても、自分でカラフルを呼び起こせるように。

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