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はじめての一人旅で憧れの北欧へ!自由と不自由を体感した2週間

こんにちは!
旅先で出会うワクワクがなにより大好き!ベニです!

みなさんは「旅行」と「旅」の違いについて、考えたことはありますか?
わたしもなんとなくのイメージしかなかったので、改めて調べてみました。

【旅】・・・住む土地を離れて、一時他の土地に行くこと
【旅行】・・・徒歩または交通機関によって、主に観光・慰安などの目的で、他の地方に行くこと

広辞苑

概ね違いはないものの、「目的」があるのか、ないのかが違いになるようです。もう少し体感的に補足すると、「旅」では成長した自分に出会える、そんな気がします。

今回は「間違いなくこれぞ旅だ!!」と、
わたしが感じた 北欧一人旅の出来事をつらつらと…📝

◎一目惚れしたデンマークの景色をこの目で見たい!

カラフルな街並みのニューハウン

わたしがデンマークに興味を持ったのは、社会人になって2年くらいが経った頃。日々のタスクに追われ、終電で帰る毎日にヘトヘトに。
これってわたしが思い描いていた社会人生活なのだろうか…。
「海外でのんびり過ごしたいなぁ」ふと、そう思っていた頃。

愛読していたwebマガジンで北欧デンマークの特集がされていた。デンマークに住む、ファッションデザイナーやインテリアコーディネーター。その中に「フォトグラファー」として彼女が紹介されていた。

Mayaさんの撮るデンマークでの写真は、それはそれは 美しく、繊細で、あたたかい。
気づけば、この景色を自分の目で見ないと死ねない!そう思うようになっていた。
そうして、デンマークのことを調べるうちに、「フォルケホイスコーレ」(以下、フォルケと省略)という北欧独自の教育機関があることを知った。

大学に進む前に本当に興味のあることが何なのかを探したい人や、職種を変更し新しいことにチャレンジしたい人が入学し、自分が学びたい教科を好きに選択して納得できるまで学びます。人生のどんな場面においても、自分を見つけ出すために人々が向かう場所がフォルケホイスコーレなのです。

フォルケホイスコーレとは|一般社団法人IFAS

そしてさらにフォルケが魅力的なのは「試験や成績が一切ないこと、民主主義的思考を育てる場であること、知の欲求を満たす場であること」だ。

この瓶にはあたたかい愛ある言葉が書かれたメモが溜められている。
傷ついた時に誰もがそのメッセージを受け取ることができる、生徒によるハートフルな創作活動。

自身の興味関心に合わせて学問を追求し、追求する中で己と社会と向き合い、今の自分を知り、これからの人生を自由に設計していくことができる。

「最高すぎるのでは!?」心の底から思った。
ただ世間はコロナ禍真っ只中。気軽に海外に行けるわけもなく、その後専門学校に行ったり、転職をしたり社会の波に揉まれながら、3年ほど日本で暮らしていた。
そんな日々を優しく包んでくれていたのも、Mayaさんの写真。
Instagramで更新されるストーリーズの写真たちは何度もわたしの心を癒してくれた。

①そんなある日、思いもよらぬビッグチャンスが

諦めの悪いわたしは、来る日も来る日も、インスタやネットでフォルケに行った方の体験談ブログを読み漁っては、夢を膨らませていた。
そんな時にSNS広告であるものを見かける。

「福祉国家デンマークでフォルケホイスコーレに体験入学!」

わたしのために用意されたプログラムだ!!
とんだ勘違いをよそにそのままの勢いで説明会に申し込み、個別相談会、申し込みとトントン拍子でことは進んだ。

わたしが参加したのは学生向けに海外インターン事業を行っているタイガーモブさんのプログラム。

もちろん会社に勤めていたので、申し込む前には上司に相談。

「あ、あの〜〜、わたし2週間ほどお休みをもらってデンマークに勉強しに行ってきたいのですが!!」

半分通るかわからなかったのが本音だけれど、この時ばかりは普段仕事を真面目にこなしていた頑張りを武器に、なんとか許可を得ることができた。
こんな要望を許してくれた職場の上司や環境には感謝しかありません。

こうして1週間のタイガーモブでの研修と残り1週間かけて、「デンマーク」「スウェーデン」「フィンランド」を巡る一人旅が始まった。

憧れの詰まったデンマーク行きのチケットは、わたしの手の中に。

渡航の前日は、ワクワクな気持ちと少しの不安で案の定まったく眠れなかった。

②憧れの場所で優雅なワルツを

夢にまで見たデンマークでの「フォルケ体験入学」
それは研修の3日目に行われた。
わたしがお世話になった学校は、Krogerup FolkeHøjskole(クロロップフォルケフォイスコーレ)だ。

教室の風景

FolkeHøjskoleは1946年に創設され、現在18歳から25歳までの男女170人が共同生活を送っている。メインの教科は7科目あり、演劇、照明演出、映像撮影、写真撮影、映画創作、ジャーナリズム、アウトドアレジャーの中から興味関心のある分野の授業を受講することが出来る。

https://www.hojskolerne.dk/

訪れたこの日はダンスの授業がメインで行われていて、わたしたちも参加させてもらうことになった。

ー 翌日から全身筋肉痛になるとも知らずに ー

授業が始まると同時にリズミカルな音楽が流れ、40分ほどストレッチや筋トレを入念にしていく。ヒーヒー言いながら、ワークアウトを終えると次は男女ペアを作って、本編ワルツのスタート。
先生の見本を見ながらワルツのステップを練習する。

「ワン、トゥ、スリー〜〜、ワン、トゥ、スリー〜〜」

ひたすらに練習。初めましての人とスピードや歩幅を合わせて呼吸を揃えていくのは、なかなか難しくて何度も相手の足を踏んでしまった。

そして最後には、みんなで円になり優雅な曲に合わせてくるくると移動しながらワルツを踊った。かれこれ全体で3時間弱ほど体を動かしていた。

遥々遠い日本から異国の地にやってきて、初めましての人と踊るワルツはどこか、くすぐったく、可笑しくて、心の底から楽しかった。

正しく踊れるとか、キレ良く踊るとか、そういうのではなく「いま、目の前のことに集中して、楽しむ」
日本にいたら、恥ずかしいの気持ちの方が勝ってしまっていたと思うけど、不思議とそんな気持ちにはならなかった。

心底楽しめている自分に気づき、わたしのこころもワルツのように軽やかに弾んでいた。

【学びその1】 周りの目を気にする暇のないくらい自分に集中すると想像以上に楽しい
【学びその2】言葉が通じなくても「楽しい」感情は伝染すること
【学びその3】20代後半の筋肉痛はじわじわと続くこと

③悲劇!電車が突然来なくなる、始発の駅のホーム

タイガーモブの研修も終わり、一人旅をスタートさせていた頃。
デンマークの首都コペンハーゲンから、スウェーデンのマルメに向かう時に悲劇は起きた。

国を跨ぐ移動も電車でできるのが良いところ


ホテルの最寄駅からコペンハーゲン空港へ移動する始発の電車に備え、その日はとても早起きをし、駅のホームで電車を待っていた。
だが、入念に調べた電車は指定の時刻に近づいても掲示板に表示されない。
しばらくすると、デンマーク語のアナウンスが流れた。意味はわからなかったけれど、掲示板には「キャンセル」の文字のみが表示された。

「え…どういうこと!?」

始発の駅のホームには駅員さんはおらず、訳もわからず泣きそうになっていた。
けれど、ここで泣いている暇などない。向かいのホームにわずかにいる乗客に決死の覚悟で相談をした。

その女性はとても優しく「空港に行くまでには遠回りだけど、この駅まで行って乗り換えるといいよ」と代打案を教えてくれた。

彼女と一緒に電車に乗り、離れた席に座ったが私が降りる駅を間違えないように、3つ前くらいにわざわざ隣に来てくれて、「あと3つ後に降りるんだよ」と教えてくれた。本当に優しい。
「親切にどうもありがとう」感謝を告げてその電車を後にした。

誰もいない駅のホーム。怖かった…。

【学びその4】何が起こるのかわからないので、移動には余裕を持ち計画すること
【学びその5】親切にしてくれた人には一生分の感謝をすること

④知らぬ間に無銭飲食をしたわたし inノルウェー

デンマークから乗りたかった電車がキャンセルになり、遠回りをして目的地のスウェーデンにあるマルメ駅に辿り着いた。
出発が遅れたため、予約していた高速鉄道には乗り遅れ、次に予約できた7時間後の電車まで時間を潰す必要があった。

キョロキョロ駅内を散策していたら、幸運にも予約している高速鉄道のラウンジを見つけた。
扉はオートロックで、予約したチケットのQRコードをかざすと開くシステム。自分のQRコードをかざそうとした時、ちょうど中から利用客が出てきて、重そうなスーツケースを見かねて中に入れてくれた。

朝からトラブル続きだったので、シンプルにその優しさに泣きそうになった。カウンターでラウンジの使い方の説明も受け、FREE Wi-Fiとおかわり自由なモーニングビュッフェをゲット。

パンを2個食べたあと、欲張ってもうひとつおかわりした。チーズが特に美味しかった!

優雅に朝食を食べ、マルメ周辺のおでかけスポットの情報をゲットして、何不自由なく過ごした。

ラウンジの受付でスーツケースを預けたかったけど、ずっと荷物は見れないから自己責任で管理してね、と言われてしまい、泣く泣くスーツケースと共にマルメ市立図書館に出かけた。

数時間後、道に迷ったりしながら図書館から帰還したわたしは、吸い込まれるように駅のラウンジへ向かった。なんせあと4時間くらいは時間を潰さないといけないからだ。

さっきと同じように、QRコードをかざして…って
あれ?扉のロックが開かない。

何度か試したが、全くもってダメなので、中にいるスタッフさんを呼び出して事情を話しQRコードのチケットを見せたら、
「君のチケットはファーストクラスじゃないから入れないよ」

え・・・ということはさっき入れたのは、本当は入ってはいけないのに入って、パンやジュースを自由に飲み食いしていたってこと!??

一瞬にして頭が真っ青になり、ラウンジからそっと静かに離れた。
無銭飲食しちゃってごめんなさい…!!(ラッキーだったけど!)
このご恩は絶対にどこかで返しますので!!

その後、鉄道の出発時間まで、「あ〜あのフカフカのソファの座りごごちよかったな〜」なんてラウンジに思いを馳せながら、駅の平たいベンチで時間を過ごした。

外観がなんとも強そうな高速鉄道SJ

【学びその6】 スーツケースは体力温存のためロッカーに預けておでかけに行くこと
【学びその7】ラッキーな出来事には感謝すること

⑤「HELP ME!」大声で叫んだ最終日 inフィンランド

日本に帰国するまで残り3日間はフィンランドのヘルシンキに滞在した。

アクセスも良く、外観の可愛らしさや、清潔感あるお部屋だと思い予約したホテルは、実際に行ってみたらアポートの1室を貸しているもので、部屋の5階までエレベーターもなく、20kgのスーツケースを抱えて階段を登る修行から始まった。

まるで一人暮らしのお部屋のようで、
ここに暮らしているかのような気分になった

そうして辿り着いた部屋の前には、なぜか先客がいて、二人組の大学生くらいの女の子たちが、部屋の扉が固くて開かないと困っていた。

わたしもここの部屋を予約してるんだけど…と鍵を見せると3人の頭の上にクエスチョンマークが見えた。
ダブルブッキングなのでは??と不安な気持ちを隠せないまま、とりあえず鍵を開けて部屋に入ろう、と言うことに。
ひとりが鍵を差し、ひとりがドアノブを押し、ひとりが扉を押すと言うスタイルで10分ほど粘った。

結果なんとかコツを掴んで扉を開けることができ、中に入ると廊下がありさらに扉が2枚あった。
どうやら、先ほどの扉は大扉で中に二つの部屋があったらしい。

びっくりしたね〜〜なんて話しながら、謎に一致団結した彼女たちとお別れをした。

そこからはトラブルもなく、悠々自適な生活を過ごしていたフィンランド生活。

念願のかもめ食堂にも行けた。
ここではおにぎりとお味噌汁を食べて日本食に大感動。

最終日は、これまでのことがあったから、飛行機の時間までだいぶと余裕を持って部屋を出ることにした。大扉の内鍵を解除して開けようとしたその時、悲劇が始まる。

このタイミングに限って、どう頑張っても扉が開かないのだ。

何度も試みるが開かず、焦る気持ちばかりで、刻々と時間は過ぎていく。
「あ、もう…わたし…日本に帰れないんだ。」なんてことまで考えていた。

ちょうどその時、隣の部屋から物音がした。日中だったからてっきりお隣さんはお出かけしていると思い込んでいたけれど、彼女たちがまだ部屋にいる!!

次の瞬間には、脇目も振らずに隣の扉をドンドン!とノックし
「HELPME~~~~!!」大声で叫んでいた。

ちゃんと聞こえていたのかわからないけど、「隣の部屋に泊まっていたんだけど、扉が開かなくて、力を貸して欲しい。」とありったけの声で叫んだ。

すると、恐る恐る扉が開き、彼女たちが出てきてくれた。初日に彼女たちとは、扉を開けるのに苦戦した「絆」があったので、すんなりと一緒に開けるのを手伝ってくれた。

3人であの手この手で鍵を回しながら扉を押す。
10分くらいの格闘の末、外から希望の光が差し込んだ。

助けてくれた彼女たちに感謝の気持ちを何度も述べ、急足でアパートを後にした。

【学びその8】ホテル予約の際はよくよく建物の口コミを調べること
【学びその9】困っているときはお互い様で助け合うこと
【学びその10】すべてのことに感謝すること

こうしてトラブル続きの一人旅を経て、わたしは日本へ帰国した。

◎旅を振り返って

初めての一人は思っていた以上にトラブルの連続だった。だけど、同時にその時々に応じて沢山の人が手を差し伸ばしてくれたことに、今でもなんてわたしはラッキーだったんだろう、そう感謝せずにはいられない。

驚くほどみんな優しくて、見ず知らずのわたしのために親切にしてくれる姿に幾度と感動した。

普段の生活でいかに何不自由なく安全に暮らせているのかを実感したとともに、この旅を通して、わたしには【10の学び】があった。

これらの学びのおかげで、道中は大変だったはずなのに、どうしてか楽しい愉快な思い出として記憶に残されている。

「間違いなくこれぞ旅だ!!」

ハプニングに巻き込まれるかもしれないけれど、それもまた「旅」。これがわたしの旅の原体験。

旅を通して見た世界は想像以上に「やさしさ」に溢れていたのだ。

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