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バレンタイン・Miss

シャラララ、素敵にKiss♬シャラララ、素直にKiss♬
バレンタインデーと言えば、私には一生忘れられない思い出がある。

その年のバレンタインデーは、MBSラジオ「それゆけ!メッセンジャー」の
生放送に重なったため、私は健気にも一人一人にチョコを用意し、持っていった。

全員に「愛しています」と言いながら渡すと、
「そんなんええねん!」と温かいツッコミが返ってきたりして、
和気藹々とした雰囲気。やっぱりチョコを用意してきて良かった。

そう思いながら全員に配り終えたところで、誰かが私を呼び止めた。

「六車さん。これ、、、」

見ると、私のあげたチョコを慎重に摘まみ上げているではないか。

「どうしたんですか?」

と視線をチョコに送った瞬間、私は固まってしまった。

ち、ちぢれ毛だ。

「ぎゃ~っ!!!」

スタジオを破壊するほどの悲鳴をあげながら、私はちぢれ毛を鷲掴みでもぎ取り、その辺にバッと捨てた!

なんでだ?
なんで、こんなものがチョコのシールにくっついているのだ?
心臓が口から飛び出そうになりながら、私は必死に頭の中でグルグルと考えた。

・・・私だ。
残念だが、私だ。

何を隠そう、私は下半身裸族であった。

しかし、うら若き乙女だ。私だと認めるわけにはいかない。
どうすれば切り抜けられる?
レジの人がパンチパーマだったと言おうか?いや、完全にウソだとバレる。
さぁ、どうする?
私の奇声のおかげで、全員がこちらを見ている。どうする?どうする?

「当たりーっ!おめでとう!」

しーん。。。 

シャラララ、素敵にMiss♬シャラララ、素直にMiss♬
バレンタイン・Missであった。

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