「お子様連れ歓迎」が、地獄をまねく? ある飲食店店主がもらした本音から学ぶこと
先日、こちらのツイートがバズっていました。
「神!」「店主、素晴らしい!」「気遣いがすごい」など、リプ欄には称賛の声がたくさん集まっていました。
しかし、私は手放しに喜べなかったのです。2児の母だというのに。「なんでこんなに物事を冷たく見るようになってしまったのか・・・」と自分を嘆いたりもしますが、仕方がありません。
なぜかというと、同じように「お子様連れ歓迎」と掲げた飲食店を取材した時、「子育てファミリーと言えども、常識のないお客様には二度と来てほしくない」という本音を聞いたことがあったからでした。
子育て世代にとって、外食はホッとひと息つける場所だけど
0〜3歳くらいの幼児さんは、外食のマナーなどを理解するのはむずかしく、はしゃぐ、うろつく、こぼすなどなど、大人がおどろくほど自由奔放な行動をとります。
ツイート画像の張り紙をした店長さんも、3児の親とのこと。リアルに食事タイムの惨劇を目の当たりにしているからこそ、ご自身が経営する飲食店では「パパママにゆっくりと外食してもらいたい」という気持ちを持ってくださっているのだと思います。
このあたりの配慮は、子育て世代として本当にありがたい限りです。
でもですね、やっかいなことに、この張り紙のあたたかい言葉を「鵜呑み」にして、好き放題する人たちも少なからずいるんです。
「お子様連れ歓迎」のお店で、好き放題やっていいわけじゃない
2年前、子育て世代向けの地域お出かけWebメディアの仕事で、とある飲食店へ取材に行きました。
店主によると、古民家の内装を時間をかけてセルフリノベーション。椅子や什器、照明ひとつとっても思い出話に花が咲いていたのがとても印象的で、場所そのものに大きな愛を感じました。レトロかつかわいらしさがつまった
、とても雰囲気のいいお店です。
また、店主にもお子さんがおられました。だからこそ、パパやママはもちろんのこと子どもたちにも楽しく過ごしてほしい、という思いが強くあったそうです。
ゆったりと過ごしてもらうために小上がり席をいくつか設け、絵本やおもちゃも自由に遊べるように置いていました。おむつ替えスペースもあります。もちろん、取り分け用の器やカトラリーもそろえました。
そうして、口コミが少しずつ広がり、関西エリアでも有名なお出かけメディアから取材が入り、「子連れのお客様大歓迎」と掲げて掲載してもらったそうす。
それからが「地獄だった」と。最低限のマナーを守らない、やりたい放題の子連れファミリーが激増したというのです。
どんな愚行なのかと例をあげると
など。
いや・・・あかんやろ、普通に。子連れうんぬんでなく、人としてどうなの、という行為ばかり。信じられん。子どもになにを教えとるねん。
あまりにひどすぎます。
「壊したらダメじゃないんです。それはこどもだから普通。でも、こちらとしては一言ほしいだけなんですよ。」
私は頭が真っ白になり、しばらくボーゼンとしてしまいました。同時に同じ小さなこどもを持つ親として申し訳ない気持ちでいっぱいになり、店主さんの無念を想像すると涙があふれました。
くそう・・・ふざけんな。
最低限のマナーを守って、お店の厚意に甘える
「お店としてはパパママにゆっくり過ごしたもらいたい。でも、お店には他のお客様もおられる。“おうち”ではないんですよね」
そう、ため息まじりにお話していました。
お店のものは、当たり前ですが、自分のものではありません。壊したら普通は弁償です。それを厚意で「子どものやることですから気にしないでください」と言ってくださるのです。
「張り紙にちらかしていいって書いてあるから、そのままで店を出る」では、ありません。こぼしたらできる限りキレイにするのは、当たり前。サービスだから当然なんて考えは、ただの傲慢です。
人間は、持ちつ持たれつで生きているもの。
「ありがとう」「ごめんなさい」は、人間社会で助け合って生きていく上で最低限のマナーです。
「お子様連れ歓迎」のお店に「どうぞ盛大に散らかしてください。そのままでいいですよ」と書いてあっても、そこは家の外。お店です。
お店にはもちろん、自分たち以外もお店の味を求めて他のお客さんがいらっしゃいます。その人たちだって、貴重なひとときを楽しんでいるのです。
ということで、周りのご厚意に甘えつつ、最低限のマナーを守って、外食を楽しみたいものですね。
こんなにもやさしいお店が、ずっとずっと続いてもらうために。
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