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「心の健康と栄養素」

「心の健康と栄養素」

この記事での心の健康の定義としましては、一般的な抑うつ症状と呼ばれるものを指します。

それこそ、看護師になり驚いたことの一つに心の健康を害して辞めたり休職する同僚が多いことでした。必然私は同僚や患者様などの心の健康を崩してしまった方に多く関わる機会がありました。
近年では、家族がメンタル不良にて体調を崩し対応したり、またお世話になている方がうつの増悪のため奔走したことも最近の出来事です。
私自身、多くの出来事から食欲が無くなり、抑うつ気分で動けなくなった経験が20代の頃何度かございました。

その為、今回は心の健康と栄養の関係性についてお話ししていこうと思います。

まず、私は10代後半の頃「鬱」と言われて「心の病気」と考えていました。そんな何も知らない私に尊敬する看護学校の先生が言ったことは「鬱(精神病)とは脳の基質的な疾患である」ということでした。

これは、脳内の情報様物質がなんらかの要因によりホルモン生成やホルモンを受け渡しが上手くいかなくなり起こるという考え方です。
つまり、心の健康を害しているとは脳内で起こっている体調不良に他なりません。

鬱になる原因にはセロトニン仮説というものがあります。セロトニンは脳内の幸せホルモンと言われており、これが少なくなると幸福感が減りうつ症状を呈すると考えられています。
実際、精神科の薬にはSSRI(セロトニン再取り込み阻害薬)というものがあります。

セロトニンは、必須アミノ酸(体で生産できず、体外から食事で摂取しなければならないアミノ酸)のトリプトファンから作られます。

ではトリプトファンは何から取れるのかと言いますと・・・そうタンパク質です。

タンパク質が分解されたものがアミノ酸になるので食事からお肉やお魚、大豆製品などを食べなければ心の元気は補給できないのです。

ただ、難しいことにトリプトファンからセロトニンになる量自体が少なく、多くのアミノ酸が必要になります。
糖質を多く摂取する方はトリプトファンが糖化という、アミノ酸と糖質が結びついて劣化する反応が起こり、これもセロトニン不足をおこしてしまいます。

トリプトファンからセロトニンに変わるには、ビタミンB6が必要になります。
ビタミンB群の中のナイアシン(B3)もセロトニンの量を増やすために必要になることや、ビタミンDもセロトニンの調節に必要であるとされています。

日光を浴びることで体内でビタミンDの産生が促されたり、セロトニン分泌を促進します。

またビタミンDの産生には良質な脂質の摂取も必要になります。


ビタミンB群は、糖質や脂質の吸収・燃焼に関わる大切なビタミンになります。
ビタミンDはメンタルや免疫、骨の吸収に必要なビタミンです。

また、トリプトファン→セロトニン→メラトニンという流れで生体内でつくらっていくのですが、メラトニンは睡眠を促すホルモンです。
メラトニンは睡眠を促す効果の他にも、欧米ではアンチエイジング目的で摂取する人も増えています。
高齢者ではこのメラトニンの量が減り、睡眠時間が短くなっている一因だと言われています。

また、メラトニンには強い抗酸化作用もあり簡単に言ってしまえば細胞の老化を防いだり、そのほかにも免疫や糖の吸収やタンパク質の吸収に関わるインスリンというホルモン(肥満にも関係します)にも関わってきます。
このメラトニンは強い抗酸化作用や抗炎症作用を持つことで生活習慣病の予防や寿命の遺伝子に作用して寿命延長に関わると指摘する論文もあります。
また、癌を抑制する作用や免疫力を上げる作用などもあります。
メラトニンは光を捉えると産生を阻害するため、夜は暗くして眠ることで、このメラトニンは活性化してくると思われます。
またメラトニンは記憶の維持にも関係しているとされ軽度認知症(短期記憶の障害)に対する改善薬につながる可能性も示唆されています。

まとめ
タンパク質やビタミンB群の多く含む食事を大切にして、日中は太陽光を浴びる事でビタミンDを産生し、夜は暗くして休む事で心の健康を保てます。
また、メラトニンによるアンチエイジング効果で肌や内臓の健康や肥満抑制効果も期待できると考えます。

●タンパク質
牛肉・豚肉・鶏肉・卵・豆腐・納豆・魚・プロテインなど

●ビタミンB群
サプリメントのビタミンB群
ビタミンB1(豚肉・無精製の穀類・豆腐・納豆・卵黄・野菜類・魚類)
ビタミンB2(乳製品・卵黄・野菜類・レバー)
ビタミンB6(レバー・魚類・メロン・キャベツ・卵・ナッツ類)
ビタミンB 12(肉類、卵、乳製品、魚類)
ビール酵母

●ビタミンD
肝油
ビタミンDサプリ
レバー

牛乳
キノコ類

これらを食べつつ、規則正しい生活を送りましょう!

何かあれば、ご相談ください。

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