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働くということ 「能力主義」を超えて(著書:勅使川原真衣さん)

こんにちは!キャリコンのななまる😊です!
久しぶりのゆっくり休日でのんびりしています。5月から机に積読している本が数冊あるので、この機会に少しずつ読んでいきたいと思います。

今回から新シリーズ「Reading」を連載します📙
唐突ですが、私は本を読むのが好きです。本は私たちを色々な世界へ導いてくれます。自分の知らないことや気づかなかったことを教えてくれます。
このシリーズ、ガシッと要点まとめではなく、読んで感じたことをつらつらと書いていきたいと思います。ぜひ最後まで見ていただけると嬉しいです😄



Reading:働くということ 「能力主義」を超えて

今回は、勅使川原真衣さんの本を読みました。


読もうと思ったきっかけ

今回こちらの本を読もうと思ったのは、前作の「『能力』の生きづらさをほぐす」を読んで、斬新な切り口で面白いと感じたからです!
もっと言うと、前作が販売される際に行われたトークセッションのイベントに参加したときに、私の質問にご回答いただいて感銘を受けたからです。

2023年5月18日 池原さんとの対談です。

当時の私は「今と未来のバランス」について悩んでいましたが、自己客観視の考え方をお聴きして心がスッと軽くなったのを覚えています。

「今を全力で生きるモード」と「目標(自分が望む未来)に向かって努力するモード」の切り替え・コントロールついて、『自己客観視』が使えるよと。

対談でご回答いただきました。

目次を見て

本を読むときは、最初に目次を見て全体感を把握してから読み進めるようにしています。どういう内容が描かれているのかなと想像しながら読むのが楽しいからです。

今回、目次を見て思ったことは、「面白さがにじみ出ている」ということです。なかなか目次を見るだけでこのような感情になることは少ないのですが、1つ1つの言葉に個性が現れていたり、疑問形の内容が多くて、興味をそそられるような仕掛けがたくさんありました。


心に残った言葉たち

読んでいくうちに本がマーカーでいっぱいになりましたが、特に心にグサッときて印象的だった言葉たちを紹介していこうと思います。

①教育基本法について

第一章第一条
教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。

働くということ 「能力主義」を超えて p36

「人格って、完成するものなんだ」と勅使川原さんが本書で仰っていますが、私も同様な感想を抱きました。何をもって”人格の完成”となるんだろうか?と思いました笑。

②「する」の価値

ChatGPTは物知りかもしれませんが、行動はできませんよ。『する』の価値を見誤らないでほしいんです

働くということ 「能力主義」を超えて p133

いま話題のChatGPTですが、そんな弱点があっただなんて目から鱗でした。本書でも出てきますが、"タイパ"や"コスパ"ばかりを気にしていては見落とすポイントなのかなと思います。行動するのは人間ですから、価値を見誤らないようにしたいですね。

③選ぶのは自分のモード

ここまでの事例とともに私が声を大にして示してきたのは、自分の見方をいかに客観視するか?ということです。

働くということ 「能力主義」を超えて p165

「選ぶ」のは他人のことではなく、自分自身の気持ちを俯瞰しながら、落ち着いて自己のモードこそを「選ぶ」のだ。それは、仕事がうまくいっていないとされる側にとっても同じことだ。

働くということ 「能力主義」を超えて p183

どの立場でも、自己のモードを適切に「選ぶ」ことにより、道は拓けるのです。

働くということ 「能力主義」を超えて p184

会社という組織も、個人が自身のモードを選ぶのと同じように、人を「選ぶ」のではなくて、自分たちのありたい姿や、それを実現するのに必要な体制や方法を「選ぶ」こと。これに尽きるんじゃないかなぁ。

働くということ 「能力主義」を超えて p196

本当に気づきが多くて、学びが多い本です。自分がモヤモヤと思っていることを言語化いただいています。人が人を「選ぶ」「選ばれる」の世界ではなく、自分のモードを選ぶこと。その考え方1つ持っていると、本書でも前作でも度々使われている「ほぐす」ことが出来るんじゃないかなと感じます。

④リスキリングの在り方

今ある感覚、知識を俯瞰して、既知の物語から「新しい一面を見る」という挑戦を自ら「選ぶ」こと。これこそが、今まさに求められる日本流リスキリングの在り方のはずです。

働くということ 「能力主義」を超えて p212

人生100年時代と言われる中、人々がいきいきと生きていくために必要な支援の本質は、自身の視座を客観視し、モードを「選ぶ」という、自己との向き合い方の訓練です。

働くということ 「能力主義」を超えて p212

本書では能力は有るものではないと位置付けしているため、リスキリングの在り方の考え方も必然的に変わってくるのではないかと感じています。技能ばかりが注目される世の中ですが、その前のプロセスにも注目してほしいものです。


全体を通して

前作もそうでしたが、勅使川原さんの本は心の声が多くて、まるで会話をしているような感覚で読むことができます。その声がなんとも斬新でリアル感が詰まっているので面白いんだろうなと感じます。
(2時間半ほどかけて一気に読み終えてしまいました😂)

本書には「革命」という言葉が所々に出てきます。きっとこの言葉にも色々な思いが込められているんだろうなと感じています。「革命」というと何か大きなことを成し遂げるようなイメージがありますが、それも小さな一歩の積み重ねから成り立っています。「一方的な正しさ」や「正攻法に限定」することなく、広い視野で『働くということ』を考え、一歩ずつ「革命」が生まれていけばいいなと思います。

読了:2024年6月22日(土)

私が思うこと

本書の「選ぶのは自分のモード」のところ、すごく共感できる考え方ですが、実際に自分自身で選ぶことが出来る方は少ないんじゃないかと思います。「自分自身の理解」と「周りの理解」の両方を進めていく必要がありそうです。

私はキャリアコンサルタントとして、「自律的なキャリア意思決定を支援していきたい」と考えていますが、まさに『自律的=セルフコントロール=自分の意思で選ぶこと』と定義しています。
"個人へのキャリアコンサルティング"や"組織へのコンサルティング(いずれ)"などを通じて、自分のモードを選ぶことが出来る人を増やせるよう努めていきたいと思いました。




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