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真夜中のひとりごと vol.13



凪いだ海の真ん中

浮かんでいるのは

わたしの子宮

そのうちクマノミの住処になって

深く沈んでいく

あるいは藻草に侵食されて

塩を吹いて漂うまま

岸辺でそれを拾った人は

茹でて干して磨いて

自分の心臓に取り付けた


子宮の代わりに心臓が犯されるなら

精液が全身を回って

酸欠になって

動きを止めてしまうだろう


だから子宮は海の真ん中

心臓はこの身の真ん中

たゆたうままに

みちるままに



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