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句読点のない恋


横浜に来るのは三年ぶりだった。

三年前は19歳。私の10代最後の年だった。

その頃の彼氏と横浜デートをしたものだ。 

そして今の私、大木麻奈 22歳。

来年の春から社会人として働くことになっている。

学生生活最後の年だ。

なんだか横浜には人生の節目に来ているように感じる。

今の彼氏は付き合って半年。前の彼氏と別れると同

時に付き合った、だから友達からは注意された。

彼氏は25歳のアパレル関係の仕事の人。

車持ってるし、子供じみたこと言わないしで、

基本日曜日が休み。

前の彼氏と来た時は、観覧車に乗って、

てっぺんでKissされた。恥ずかったけど、嬉しかった。

今の彼氏はそうゆうタイプじゃない。

私のダメな所を見せれない、気の抜けない関係とで

もいうか、大人の恋って感じである。

この日はクリスマスも近い平日。

週末は混むからって、避けたのに、

それでも混んでいた。恐るべし横浜。

赤レンガでショッピング楽しんで、山下公園にも行って

そして観覧車に戻ってきた。私が観覧車に乗りた

いことを言うと『いいよ』と言ってくれた。

観覧車がゆっくり動きだす。

てっぺんに来た時、私は目をつぶってみた。

しばらくして『なにしてんの?』と言われてしまっ

て、私は「なんでもない」と応えた。

やっぱりてっぺん来たら、Kissぐらいして欲しい。

そんなこと考えてたら観覧車は地上に着いた。

私たちは食事をすることにした。

お店に入って注文すると、彼が訊いてきた。

学校どお?

「まあまあだよ」それより仕事どお?

私は自分の生活の質素さを悟られぬように、 

オウム返ししていた。

『今、アパレルはどこも不況だからね』

大変そうだ。食事が運ばれてさた、大好きな海老チ

リだ。すごく美味しかった。

今の彼氏は、外じゃ絶対にKissしてくれない。

友達に言ったら『私は気にしないけどな~』って、言

われてしまった。

だけど私はして欲しい派なのだ!

レストたランを出て駐車場に向かってる時だった。

私はKissしたくなって、とっさに嘘をついてみた。


『あっ!流れ星!』


彼氏はどことこ?って、顔してる。

その横顔に私はKissをした。

彼氏に半分本気で叱られた。

帰りの車の中でずっと考えた。しばらく一人になっ

てみようかと。別れるんじゃなくて、会いたいと思

う決めちが強くなるまで。それを彼に告げると

『わなった』

やっぱり欠点がないのが、欠点だよ!と、思うのであ

った。家に着くと私は上着を脱いで

洗面所の鏡にKissの顔を作ってみた。

「可愛いじゃん!」  

冷蔵庫から缶チューハイを照りだすと、テレビを

『月曜から夜ふかし』にチャンネルを合わした。


「あー、もう終わりじゃん!」

やっぱり背伸びはやめようと思った。

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