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朝活仲間はお爺さん


私はいつも雨以外の日には、早朝に30分間ほどイヤホンをつけて音楽を聴きながらウォーキングをしている。
(最近は時々サボる日もありますが…)

この街に引っ越してきて数年…
新しい土地の空気にも慣れてきて、朝の春夏秋冬の匂いと肌に感じる温度を吸収しこの街に身体が段々馴染んでくる。


最近はまだまだ暗いが、朝焼けと対面した時には、道端で少し立ち止まり今日も無事に朝を迎えられた事に感謝するようになった。

綺麗な景色を見ると、昔はなぜか苦しく悲しくなっていた気持ちも、最近ではワクワクする様な少し穏やかな気持ちに変化している事にも気付きはじめていた。


毎日歩いていると、同じ道にはいつもだいたい同じ人が出勤して歩いていたり、同じ車が通っていたりする事も多く、誰も決めていないのに昨日も今日も同じ人と交錯する日課や日常の中にいられる事、例え知らない人とでもなんだか安心してしまう自分がいて嬉しい気持ちにもなった。


そんな中、同じようにウォーキングをしているご高齢のお爺さんとよくすれ違う様になった。お爺さんはいつもラジオをつけて歩いている。
初めはずっとすれ違うだけだったが、流石に毎日だとお互いの顔も認識できたからか、挨拶するようになった。
そして、月日は経ち、いつの間にか立ち止まり、おしゃべりもする様になった。

お爺さんは、今は86歳で定年退職してかれこれ20年以上は毎日歩いているとの事。


とても穏やかで優しいお爺さんは、いつも私に同じ言葉をかけてくださる。
「毎日頑張っていて偉いな〜転けない様に気をつけて今日も駅まで行っておいでや〜♪」


いつも優しく気遣ってくださるので、私もいつも同じ言葉をお返事する。
「ありがとうございます。〇〇さんも今日もお身体気をつけてくださいね。行ってきま〜す♪」

毎日同じ言葉のやりとりも、季節の中で変わりゆくお互いの姿の変化や、毎日の表情の変化から、毎日毎日違うあたたかな言葉に聞こえる。

それが

励みになる。
温かい気持ちになる。

お爺さんは、何十年と歩かれているからか本当に86歳とは思えないほど歩かれるのがめちゃくちゃ速い(>_<)
高齢者施設で元介護士だった私も自信を失うほどだ…(笑)


たまに、少し離れた場所からお爺さんの後ろ姿が見え、追いつけると思い、私も全力でお爺さんに近づこうとかなり早足になるもアラフォーの私には今だに一度も追いついた事がない。 

本当にいつも追いつけない…(´Д` )
後ろ姿のお爺さんの大きさが全く変わらない。
どれだけ足の回転数を上げても追いつけない…

でも、それがお爺さんと私のいつもの安定した朝活仲間の関係だ。



最近知った衝撃の事実は、お爺さんは同じマンションの人だった…
追いつけなくて、いつも追いかけて向かう先は私と同じ場所だった事。


やはりご縁がある人とは、気づかない時に既にもう出会っているのかもしれない。
そんな事を思っていたら、昔記事に投稿させていただいた、「警備員のおじちゃん」の事を思い出す。


出会おうと思った出会いでもなく、気づいたらいつも居てくださる存在が本当に尊い。

大切にしたい。


画像はみんなのフォトギャラリーからお借りしました。
中目黒土産店様、ありがとうございます😊


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