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新婚のイメージとはほど遠い切ない授かり婚②

妊娠という大変な状態の中、働いててこんなに辛い思いをしてるのに仕事にしがみついてたのは、辞めるきっかけが見つからなかったから。

いや、妊娠という立派な理由があるのに。

余程の不調により身体が動かなくなってドクターストップがかかるとか、旦那と話して辞めた方がいいんじゃない?と言われたら…など。自分がどうしたいかは全く価値を置かずに、辞める理由を向こうから来るのを待ってて、誰かに辞める理由を与えてもらわないといけないと思い込んでた。

あとは、仕事という自分の居場所や存在を証明するものがなくなる恐怖感があったかな。
大学を途中で中退というドロップアウトしてしまったとはいえ、まがいなりにも将来のために…と進路進学にしか学生時代、力を注いでこなかったので、仕事を手放すことは、今までやってきたことを全部無駄にすることになる、仕事を失う=積み上げてきたものを失う ことが怖かった。

そもそも妊娠という理由で堂々と辞める根拠になるのに、自分が自分で許さなかったのはなぜか。

それは、結婚したら女は終わり。経済的に男に頼ると負け人生、という母の価値観が頭の中に住みついてたから。彼女論を嫌と言うほど聞いて洗脳されてきて、常に彼女が声を発しつづけてる。わたしの考えなのか彼女の声なのかも、もう分からないくらい染まってて。

だから、母から見るとそもそも妊娠自体が失敗で、失敗を失敗と責められないようにするためにも、以前と同じ生活を死守しようとする。

ほら、やっぱりできないようになったやん
自分のせいで引き起こしといて、しんどいとか言うな

色んな人にそう言われるのが怖いし、自分を守ることに疲れすぎてて、そんな一言が引き金になってもう立ち直れなくなるのがわかってた。

小さい頃から親の顔色ばっかり見て育ち、それでも長女だから親から当たり前のことでも子どもだから知らないことばかりなのに、失敗するたび、
そんなことも知らないの?
そうなると思ってたわ。ほらみたことか

って言われ続けてきてて。言った方には何の気なしの一言だし、覚えてないくらいの小さなことが、突き放されてきた積み重ねの、歪んで作られた自己責任が重くのし掛かってた。

失敗したら立ち直り方や、なぜそうなったのか?を教えてもらわないと、失敗は悪だ。と思い込んでセルフイメージを低めたり、そもそも挑戦なんてしようと思わなくなる。

今思うと本当どれだけ自分をないがしろにしてるの?!ってくらいに、周りばっかり優先。迷惑をかけちゃいけないと必死になって妊娠前と同じように動こうとしてた。

マイナートラブルばかりといっても過言じゃない妊娠中、立ち上がれない頭痛があっても、電車に乗ることを考えただけでも吐き気をもよおしても、休ませてほしいと伝えると、診断書がないと産休に入るまで長期休業はとれない、とか
急に体調不良で休むとなると、妊娠は病気じゃない、と言われたり。会社でも誰かに相談する人もいなくて、ただただ辛さと重たい身体を引きずって無になって出勤するしか当時はわからなかった。

なんならその時にやってることは変わらなくても、しんどさを誰かに受けとめてもらえるだけで大分違ったと思う。そう、気持ちに寄り添ってくれる人に側で励ましたり、支えてほしかった。

それを、母親やパートナーなら当たり前にわかってくれるだろう、やってくれるでしょう

っていう分かってほしいがわたしの根本に、根深く存在して、残念ながらそれを叶えられる器量をたまたま持ち合わせてない人たちに望んでしまってた。



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