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2023年5月の記事一覧

歴史小説「Two of Us」第2章 J-6

歴史小説「Two of Us」第2章 J-6

~細川忠興父子とガラシャ珠子夫人の生涯~
第2章 明智玉のお輿入れ~本能寺の変

J-6

 明智家の侍女清原は、お輿入れに帯同する侍女シモの着付け準備のため、一旦退席した。

 坂本城二の丸本殿、広間真ん中に残った細川家名代の家老松井康之が、再び婚礼の儀式次第に則って、告げる。
「長岡の勝竜寺城本丸にて、主君細川藤孝様と妻(さい)の麝香様(じゃこう)、そして珠子どののお輿入れされる婿どの御嫡男忠

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歴史小説「Two of Us」第2章 J-5

歴史小説「Two of Us」第2章 J-5

~細川忠興父子とガラシャ珠子夫人の生涯~
第2章 明智玉のお輿入れ~本能寺の変 

J-5

 首飾りのように、武家の嫁入りに欠かせない印籠筒が、あなた珠子が頭を深く下げた瞬間に、座敷の畳に届くほどぶら下がった。

 この両端を括り付けた白無垢と同じ生地の筒は、中身は通常、持病薬や御守り、親元から伝授の折り紙、本人なりの嫁入りの戒めみたいなMEMO、などが入っている。竹筒の両端を縛りテグス太縄あ

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歴史小説「Two of Us」第2章 J-4

歴史小説「Two of Us」第2章 J-4

~細川忠興父子とガラシャ珠子夫人の生涯~
第2章 明智玉のお輿入れ~本能寺の変

Vol.4

 昼の刻。外堀を渡った二の丸入口に、細川家家老の松井康之ら一行が、到着した。

 家臣である初老の小笠原佑清(少斎)と、忠興の側近の若い家臣、松井氏が馬3頭に乗り、輿入れの女人用櫓が3台、細川方の侍女である清原イト(後の洗礼名マリア)、御輿を担ぐ白装束12名、輿入れ道具の梱を担ぐ要員3名などなど、総勢2

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