シェーファー犬

ドイツの犬税

 初めて犬税のことを知った時の衝撃が忘れられないnamiyukiです。
今回は、皆様にもぜひ犬についてもっといろんな分野から深めていっていただきたくこのテーマで書かせていただきます。 

 さて、『犬税』ですが、みなさんは聞いたことありますか?ドイツに犬税があることは有名です、私もドイツという国のすばらしさの中で知りました。いつかドイツに住みたい!とまで一時期本気で思っていました(笑)
また、ドイツのほかにも犬税導入国は、オーストリア、スイス、オランダ、フィンランド、チェコなどがあるようです。
※犬税とは犬の税金で、人間でいうと市県民税ですよ。
(中国では、登録費という形で飼うことに費用を設定しているようです)

 ドイツでは犬税の納付が州ごとに義務付けられており、犬の飼い主は年に1度、犬の頭数に応じて税金を納めることが法律で定められています。税額は州によって異なり、ベルリンを例にしますと、1頭目で120ユーロ、2頭目からは180ユーロが税額です。つまり、犬を2頭飼っていれば年間300ユーロ、3頭飼っていれば年間480ユーロもの納税の義務があります。犬税を納めれば犬札もらえ、犬の首輪に装着することが定められています。札には番号の記載があり、迷子になっても登録番号から飼い主がわかる仕組みとなっています。
※参考:1ユーロ=120.8円(2019年10月22日現在)

 犬税を導入しているドイツですが、そもそもドイツは犬に対して全体的な意識が日本とは全然違うことが伺えます。
例えば、犬を飼うときのルールが細かく設定されています。
(以下一部抜粋)

・役所に届け出の義務。
・ドイツ国内6州は犬の賠償責任保険に加入義務化している。
・糞は必ずゴミ箱へ(放置は罰金!?)
・公共交通機関に犬を連れるときは口輪とリードを用いる。
・犬をオリに入れて飼う場合、犬の大きさによってオリの大きさも決められている。
・散歩の時や場所によってリードが長さが決められてる。
・6時間以上室内に閉じ込めてはいけない。
・外の気温が21度以上になる場合は、車内に犬を置き去りにしてはいけない。
・闘犬には口輪必須。

などなど、参考までとさせていただきますが、結構厳しいものもありますね。

 生活の環境としては、公共のバスや電車に犬もそのまま、子供料金で乗車できます。レストランなどにも犬同伴で入店できるお店がたくさんあるようです。
 また、犬のためのトイレや犬の糞専ゴミ箱が頻繁にあり、糞を取る紙まであちこちに設置されています。(※最後のこれだけでも日本も導入してほしい…)

 それからドイツの犬税ですが、頭数をコントロールすることに繋がっているようです。飼育している頭数に対して税金が高くなる仕組みなので、安易な気持ちで飼うことを防ぐ効果があります。また、指定犬種などは税金が何倍か高く設定されており、流行りや自慢というような無責任な理由で飼うのを防ぐことに効果を発揮しているようです。 

 また、ドイツにはペットショップがほとんどありません。数少ないペットショップでさえ、『まずはティアハイムへ行ってみてはいかがですか?』と保護施設を勧めるそうなんです。日本にそんなペットショップ聞いたことないですね。ペットをペットショップで買う人が減れば、むやみな繁殖もおのずと減るでしょうね。  
※ティアハイムとは寄付金や補助金で成り立っている保護施設のことです。保護された動物は、ここで里親が見つかるまで快適な暮らしができるようになっています。里親が見つからなくても殺処分は生涯ありません。

 犬税があるからできることもあると思いますが、上記を見る限りでも日本とドイツのあまりにも犬に対する捉え方が違うことがわかります。国と国民が一丸になっているからこそ、犬税のような導入が功を成しているとしか思えません。
 根本的な部分に穴が空いている日本で犬税またはペット税導入となると、それはそれでうまくいかないのでは、とも思いますよね。また、国に税金を納めて託すとなると、使い道に不安を感じずにはいられないのですが。

 日本でも、動物愛護法が改訂されてきていますが、『殺処分ゼロへ』は、本当に真剣に取り組むべき重大な問題です。マイクロチップの義務化や動物虐待罪の厳罰化など。多頭飼育崩壊も問題視されてますが、どれも生まれてきた後の話ですよね。
 同時進行で、売る(生む)側と買う側の増加を食い止めていくほうにも重点を置いてほしいものです。結局は事前をしっかり固めないと矛盾が生じると思ってしまうのです。事前に行うことが事後に流れていくわけですから。

 あ、我が国日本をディスっているわけではありません。

 先日、公園に愛犬と散歩へ行きまして。おじいちゃんに声を掛けられました「なんて犬だい?珍しいね~」。かれこれ数十分にわたりおじいちゃんはご自分の愛犬の話をしていました。私はただただ、うんうんと聞いておりました。最後に「せっかく飼ったんだから、何が何でも最後まで一緒にいてやれよ」と。
 きっと日本も、こんな風に思っている人のほうが確実に多いですよね。ただ一部の無責任な行動が動物の悲しいスパイラルを起こしているとすれば、やはりどうにかしたいと思う今日この頃でした。

 このタイトルを見て、まだ飼う前の方が読んでいましたら、ぜひ保護センターへといいたいところですが、せめてペットショップでなくブリーダーを探してみてください。飼いたい犬種とブリーダーと検索すれば見つかります。
 ブリーダーの犬舎へ行けば、生まれた環境も見られるし子犬の親も見られるし、一緒に生まれた兄弟も見られます。これ、本当に重要ですよ!

 犬税ならぬペット税。伝えたかったことを私の見解でまとめます。
『可愛い!飼いたい!』とすぐに飼えるペットより、飼う前にいろいろ考えさせられる制度(決意を確認し固める制度)があったほうがより責任感が増し、また、迎え入れるまでの気持ちの中で愛犬や愛猫に対する想いが何倍にもなり、結果、悲しい問題は減少するのではないか。また、一歩手前で考え改め、留まる人が増えれば、それは安易な繁殖を減少させる一歩となりえるのではないでしょうか。

 いずれ、日本にもしっかりした制度を導入できる日が来ることを祈りつつ、人とペットが幸せに暮らせるお手伝いをさせていただきながら日々昇進いたします。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
今回はこの辺で失礼いたします。

PS.感想や質問などコメントお待ちしております。私も勉強になりますので、ぜひお願いいたします。


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