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表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬(読書感想文)

 表紙とタイトルがあまりにも魅力的で、本屋で一旦我慢したものの帰って後悔して買いに戻った本。旅に飢えていたコロナ禍で、これ程魅力的な本があっただろうか。私はこの本の中で旅をして、絶対この病が去ったらキューバに行ってやる!と心に決めた。

 若林さんの旅エッセイだが、旅をしながら見える景色や人間模様だけでなく、そこで彼が感じたことが心に沁みて沁みて。旅ってただ新しいものを見たり食べたりするだけじゃなくて、一人旅だと特に人生とか自分とか今の生活や価値感についてじっくり考える瞬間があって。それが実は一人旅の一番素敵な部分だと私は思う。若林さんが見たものや体験したことと一緒にスルッと入り込んでくる彼の感想が興味深くて面白い。表現が豊かなのは、さすが表現者だな...と感心した。
 
 クスッと笑ったり、じっくり一緒に考えたり。本当に一人旅の良さが溢れている本だと思った。そして、お笑い芸人の若林さんだからこその体験も面白くて、これは自分には決して経験できないことで、お得な気分を味わった。

 若林さんだから書けた旅エッセイだと思うし、それを共有してくれたことに感謝の気持ちでいっぱいになる本だった。人に勧めて「あそこ、笑えたよね〜」って話すのも楽しかった。

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