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子育て最強説

子どもだった
学生だった
フリーターだった
社員だった
旅人だった
家庭を作った
親になった
自分の教室を立ち上げた
学校や施設に仕事をしに行った
子どもが大きくなって巣立とうとしている←イマココ

 私の約半世紀の人生の経験をまとめると、ざっとこんな感じになる。
もっと分けると「海外で働いた」とか「日本で早朝から翌朝まで働いた」とかいろいろあるけれど、シンプルにまとめて上記の通り。

 さて。「何が一番大変だった?」と聞かれたら、私はなんと答えるでしょう。それは私にとっては「子育て」でした。
 もちろん人によって違うとは思うけれど。そもそもなぜこんなことを急に考え始めたかというと、今小さなお子さんがおられる方から私がどうやって本を読む時間を確保しているのか、と尋ねられたからです。
確かに私は自分の教室だけでなく小学校や生涯学習センター、カフェやオンラインなど働く場所が多いので忙しく見えるのでしょう。いつ本を読んでいるんだろう、と思われたそうです。自分はもっと時間があるはずなのに、本読む時間が取れないんです...と言われるその方のお膝には小さなお子さん。
 言われた途端、何も考えずに驚く程の速度で口を突いた
「どんなに忙しくても、子育て中程ないですよ」
という言葉に、自分で驚いた。でも本当にそれは真実。
さて、好きなことしよう、と何かを始めた瞬間必ず何かが起きる。泣き声や「かーさーん」という声に飛んでいってみると、何かがこぼれてる、倒れてる、水道が止められない、蓋が開かない、「これ可愛いから見て」、「これどうやって描くの?」…と、簡単に無視出来ない状況がある。
日々その繰り返し。夜は崩れる様にして寝かしつけと共に休み、朝起きて青ざめる。「なにもやってない。。。」
 子どものプリントなくす、提出物の締め切りぶっちぎる(故意ではありません)、そんなこと日常茶飯事。あの時の私は、こうして本を片手に優雅にコーヒーを飲んでいる自分自身を想像したこともない。その時のことで精一杯だった。

 今はいくら忙しくても、仕事の合間に自分調整時間は取れる。カフェに立ち寄って本を読んだり、温かいお茶をすすってリセットすることも自由。

 あの時の私に会ったら、なんて声をかけよう。
「子育てなんてあっという間ですよ」なんて言えない。とてもじゃないけど。だってその先に起こるすべてのこと、私を揺るがす大事件の数々…それを知ってるから。ただ優しく背中をさするかな。当時の私ならその手を跳ね除けるかも知れないけどね。今の私はそれも含めて優しく見守れそう。
 本当に大変だね。でもあなたがどんどん苦しみながらも切り拓いていくのを知ってるから、ただ見守ろう。勝手に我慢し続けてたこと、ちゃんと好きな人に話せたね。お互い不器用だったけど、話すことを始めたよね。子どもたちに「家事は母親の仕事ではない」って言い始めたよね。娘たちが将来苦しい立場にならないように。息子が間違った知識で女性を苦しめない様に。

 今、ちゃんと子どもたち生活力を身につけてるよ。そして不器用ながら折れそうになりながら支え合った人とは、ちゃんと支え合ってるよ。
その幹を少しだけ太くして。

 あの時は本当に大変だったけど、あの時の私にお礼を言わなくちゃね。
これが届いていたのかな。大変な中でも時々温かいものを感じながら子育てしていた私。ありがとう。

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