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心の開き方

  Love myself という言葉や「自分らしく」なんて言葉が盛んに言われている昨今だが、本当の意味でそこに心を向けることは非常に難しい。
年を重ねれば重ねる程、自分をどこかに置いたまま周りの価値観を最優先して生きてきたそれまでの自分を否定することになるから。自分を褒め称えることも難しいけど、自分を否定することもしたくない。
そういうもんだろう。

 だからきっと自分の心の声を聞く方法を、子どもの頃に習っていられたら良かった。でも実際は。子どもが赤ちゃんから幼児になる頃には、私たちは「泣く」というごく自然な感情表現も封じられ始める。そういう教育が始まる。常に周りと歩みを揃えて。遅れることはよくないこと。行き過ぎると鼻につく。全然違う道なんて、あり得ない。そうやって大きくなってきた。
 むしろ「自分の声を封じる」術を長い時間かけて身につけ続けてきた。

 結果、この国で育った人の標準装備は「努力と忍耐」
人に合わせて、人に迷惑をかけない。偉い人のいうことは聞くし、良いことをしたら周りに知らせて自分の管理に携わる人の手柄にする。そういう仕組み。

 人という生物が全てそれに適応できるかというと、もちろん例外もたくさんいて。私もその一人。そしてどう考えても不自然なこの仕組みの不自然さに気付く人が、SNSなどで海外の風が入ってくることで増えてきた。その不自然さに闇雲に耐えてきた大人が大量に病んでいき、若い内から気づき始めた人たちも「自己責任」の下、その輪から外されていく。輪を乱すあなたはもはや仲間ではない、的に振り落とされていく。

 私は自分から外れた。必死でそこに掴まろうとしていた若い頃の自分を否定するのは悲し過ぎる様な気持ちもあるけれど、でもその時の自分は自分で大切にして。あの時違和感いっぱいで苦しみながらもしがみついていた自分を供養する意味でも、今こうして日々自分の中に新しい風を吹かせる。簡単だけど苦しい、あの流れに再び巻き込まれない様に。

 降りた人から自由になれる。まずはトレーニングから。自分の声を聞くトレーニング。
 あなたの好きな色は?あなたの好きな髪型は?あなたの一番お気に入りの場所は?服は?今年必ず食べたいものは?行きたい場所は?したいことは?作りたいものは?始めたいことは?
 私はこれを、英会話教室で体感している。英語を学ぶつもりで教室に来たけど、気がついたら自分自身のことを何も知らないことに気づいた…みたいな。英語で話す時のマインドは「自分の頭や心にあることを人に知らせて、人のアイデアも受け取る」。そのためには必要不可欠な作業なのだけれど、自分を封じることが習慣になっている私たち日本人にとっては、これはまた別の意味を持つ気がしている。

 もちろん英語じゃなくていい。自分の声を聞く練習、その①。自分にインタビューすることから始めてみよう。自分の声を聞いて。自分を大切にして。世間体や人の価値観が一番で自分は随分後回し…みたいな状況に少しだけ新しい風を吹かせよう。何か違和感がよぎった時「それは誰のためにしていること?」って自問すると、驚く様な答えが出てくるよ。

 いかに自分を人の目が占領してるか、まずは気づくこと。そっからは意外と早いよ。

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