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「なにかききますか?」5分小説『童話集とピアノ』

私はとなり街にある、お城のように大きな図書館に来ていた。

少し詳しく調べたいものがあったのだ。

だが、広すぎる図書館からひとつの本を探し出すのは、失くしたパズルのピースを見つけるくらいむずかしい。

私は早々に中断して、もうひとつの目的だった館内の探検を始めた。


探検中にいろいろな本を見つけて、私の両手は早くも使用困難になっていた。

階段をのぼり、図書館のつきあたりまで進むと、きっと腕をいっぱいに広げても両の窓枠に触れられないだろうというほどの窓。

そして、やや傾いた太陽の光を浴びた黒々としたピアノがあった。

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