Crossfaith DEAD POP FESTiVAL 2024@東扇島東公園 2024.06.30(Sun)

「雨ニモマケズ、風ニモマケズ、雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ、丈夫ナカラダヲモ」っていても、Crossfaithのステージではすべての気力、体力を持っていかれる。
今年もそんなライブを展開してくれた。

雨の降りしきる東扇島。
6/29とは打って変わって肌寒さすら感じる日。みんな大好き怪物バンド、Crossfaithの登場を今か今かと待ちわびる。

音鳴らしには「Jägerbomb」を投下し、雨で冷え切った観客を温めてくれる。フラッシュバックするのは昨年のPAテントを回るクソデカサークル。もしかして今年も…？とほのかに期待を寄せてしまう。

リハを終え一旦裏に下がるメンバー。静かになった東扇島に彼らの闘魂注入の声が響き渡り、観客の期待は頂点に達した。

爆音で始まるは「The Final Call」。 "Embarking on their journey" と機械的な女性の声がこだまする。そうだ、新たなCrossfaithの幕開けに、我々は立ち会っているのだ。

"始めようかDead Pop！"
Koie（Vo.）の方向と共に、新章・Crossfaithを象徴するかのような「ZERO」のイントロが始まり、さあ来るぞ！…と思いきや、 "ちょ、止めて止めて" とKoieの静止に会場がざわめく。

"おい、サークル誰が解除していいって言った？"
いたずら少年のような笑顔でKoieがそう語りかけると、観客は安堵の声を漏らし、すぐさまぎらついたハイエナのような目で周囲を見渡す。

「ZERO」で観客を飢えた猛獣に変貌させると、休む暇なく「Monolith」をお見舞いする。一人でクソぶちあがっていた私だが、突如後ろから誰かがぶつかる感触があり、なんだ！？と思った直後肩を組まれ、横一列のヘドバンマシンの一部と成り果てた。（久々にやったが、これが最高に気持ち良い）

ここで例のアレが発動！
"あのテントの周りって回れんの？"
これだよ、これ！！！と観客が狂喜乱舞する。PAテントの周りは金曜日から降った雨でぐっちゃぐちゃのどろっどろだが、そんなのまったくもって関係ない。ということで、今年もCrossfaithのクソデカサークルを拝むことができた。

観客の興奮冷めやらぬ中、Koieが既に雨と汗と泥でぐっちゃぐちゃの観客を見渡し、言葉を発する。
"シのうかDead Pop！"
笑顔で言い放つKoie。もう地獄絵図完成してるんですが、更にHellに連れて行かれるんですか？
そんな疑問をよそに「Countdown To Hell」では、先ほどのクソデカサークルに負けないクソデカウォールオブデスを披露し、ここ東扇島を地獄に塗り替えた。

"あのさー、最近SNSうるさない？"
MCで観客の笑いを誘うKoie。おそらくだが、Dead Pop Festivalの事前アンケートでSaucy Dogがプチ炎上した件を受けてだろう。
"SNSの中に真実ないんで。どこに答えがあるかは、お前らが一番知ってるよな？"
"SNSのエンタメじゃなくて、本当のエンタメ見せたるから。やっちゃいますかー！"

とうとうここで、観客が何度も共演を願って、何年も待ちわびたあの男が呼ばれる。ロックスターすぎて登場が少し遅れたあの男が、今、東扇島に降り立った！
轟音を立てて「Wildfire」がフロアをレゲエ色に染め上げる。観客は皆、このステージを目に焼き付けようと、全身で今この瞬間を味わうことに夢中だった。Benji（Skindred）があまりにも歌詞を忘れていて、Koieも観客も大爆笑だったのはロックスターならではのご愛嬌だろう。
（遠くからだと、Ragga ragga raggaかBum bum bumしか聞こえなかった）

続くは新アルバムAЯKから「Warriors」のお出ましだ。シンガロングの後、 ”悪魔呼んでもいいすか？” とにやり。この世で一番優しい悪魔、MAH（SiM）と、まさに雨を携えたMasato（coldrain）が参戦。
雨にも負けず、風にも負けず、戦い続けてきた3戦士たちの勇姿がステージ上を彩る。
あれ、今もしかしてf.a.i.t.h（SiMの曲）やってますか？と見紛う咆哮の試合を披露し、一瞬たりとも目が離せない空間を作り上げていった。

そしてラストはお決まりの「Xeno」。表情で最後まで観客を煽り続けるメンバーがカメラで抜かれる。ああ、なんて楽しいんだ。なんて激しいんだ。この時間が終わらないでほしい。雨風の打ち付ける中、観客全員の心の声が聞こえるようだった。

最初から最後まで地獄のような轟音を響き鳴らし、Crossfaithはステージを後にした。
日本を代表する最恐バンドのパフォーマンスは、今年は前年を上回るパワーで繰り広げられた。既に来年が待ち遠しくて仕方がない。来年もまたPAテントクソデカサークルは見られるのだろうか。

6/28に渋谷のタワーレコードで行われたサイン会にて、Koieは "また、ライブハウスで" とファンに伝えていた。来年を待つのも良いが、彼らのライブには毎回違ったエネルギーと面白さがある。それを体感しに、 彼らの待つライブハウスへ足を運んでみてほしい。

＜セットリスト＞
1. The Final Call
2. ZERO
3. Monolith
4. Countdown To Hell
5. Wildfire - feat. Benji Webbe from SKINDRED
6. Warriors - feat. MAH from SiM, Masato from coldrain
7. Xeno