見出し画像

Emmure Japan Tour 2024@Shibuya Cyclone 2024.02.29(Thu)

本当に久々に首がイカれるかと思った。それほどまでにヘビーで気持ちの良いライブとなった。

"Get the fuck up!!!"
開口一番そう叫びつつ、暗がりから走って飛び出してきたのは本日の大トリであるEmmureのボーカル、フランキーだ。

「You Asked For It」を登場曲にお見舞いし、続いて「Shinjuku Masterlord」「Smokey」で渋谷サイクロンを一時的に新宿に変化させ、フロアの治安を悪くする準備を着々と始める。(新宿界隈の皆さん、すみません)

見事に治安の悪くなったフロアにハーコー(ハードコアモッシュ)を発生させつつ、曲は「Trash Folder」を叩きつける。
続く「Pigs Ear」が始まると、ハーコーで汗ばむ観客が小刻みに揺れ始め、フロアをノレる空間に変えたと思いきや、「Gypsy Disco」「Russian Hotel Aftermath」で再びモッシュ・ヘドバンをするだけの荒くれ者たちを生み出した。

”東京調子はどうだ!!!”
フランキーの問いかけに、観客の絶叫ともとれるうなり声がサイクロンに響く。6年ぶりの来日公演。待ちに待った観客が大勢いることは想像に難くない。

"まだ俺たちとやってくれるか?"
短いMCの後に小さく笑って、フランキーがこう呟く。
"よし、やるか!"

MCを挟み始まったのは「Natural Born Killer」。"サークルピット見せてくれ!"と呼びかけられたのも束の間、瞬時にフロアのど真ん中に広々とした空間ができあがる。
観客の中には全力で駆ける者もいればスキップをして楽しむ者もおり、Emmureが作り出す時間を各々が体全体で楽しんだ。ピットの周りにいた観客は、ピットが生み出す涼風に助けられた者もいただろう。(私がその一人である)

続く「Torch」では先ほどの涼風をかき消すかのように、フロアを灼熱の炎で包んでゆく。
「Flag of the Beast」「Sunday Bacon」「I Thought You Met Telly and Turned Me Into Casper」とほぼ休みなく続けて私の首のライフはもうゼロであったが、フランキーはライブ序盤からまったく変化なくステージを縦横無尽に駆け抜け、飛び跳ね、時に音ハメを意識して視覚でも我々を楽しませつつ、安定して歌を届けているのだから驚きだ。培ってきたキャリアの重みをひしひしと感じる。

ただ観客も負けてはいられない。フランキーの熱量に負けじと、続く「R2 Deep Throat」以降もひたすらに頭を上下し続ける。特に最前一列の観客は全17曲にわたってほぼ全員ヘドバンし続けていたので賞賛の拍手を送りたい。

”No, I don’t care anymore”という詞から始まるのは「Nemesis」。言葉通りに、もう何も気にしねえと言わんばかりにラストに向けて暴れ回る観客たち。もう俺たちを止められねえ!!と表現している矢先に始まるは「Children Of Cybertron」。まさに"unstoppable"な今の観客とEmmureを表現するにふさわしい曲だ。

「Solar Flare Homicide」のブレイクダウンで再び深い深いヘドバンの海が発生する。ステージに目を向けると、ベースのZackも観客に負けぬ、腰が入ったヘドバンを披露していた。
「When Keeping It Real Goes Wrong」でラストを締めくくると、観客からは"ワンモア!!"の声が飛び交ったが、どうやらお楽しみは次の来日まで持ち越しのようだ。

退場直前、フランキーは"じゃあねー!"という言葉を残して去っていった。
完全に音圧に圧倒されて耳がイカれていたためうまく拾えなかったが、日本に来れて嬉しい、また来たいといったことも別のMCで言ってくれていたような気がする。
なので、このじゃあね!に希望を託しつつ、次の来日までワクワクを胸に抱き、首の強度を増し増しにしつつ、彼らを待つことにしよう。

<セットリスト>
1. You Asked For It
2. Shinjuku Masterlord
3. Smokey
4. Trash Folder
5. Pigs Ear
6. Gypsy Disco
7. Russian Hotel Aftermath
8. Natural Born Killer
9. Torch
10. Flag of the Beast
11. Sunday Bacon
12. I Thought You Met Telly and Turned Me Into Casper
13. R2 Deep Throat
14. Nemesis
15. Children Of Cybertron
16. Solar Flare Homicide
17. When Keeping It Real Goes Wrong

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?