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Prompts DEAD POP FESTiVAL 2024@東扇島東公園 2024.06.29(Sat)

10:55。
曇天、涼しい風が吹く東扇島。今年も日本一優しい悪魔主催のフェス、Dead Pop Festivalが始まる。
今年のDay1オープニングアクトに選ばれたのは、日韓ハイブリッドバンドであるPromptsだ。

重々しいSEが響き、開幕のゴングが鳴った!
にやりと笑みを浮かべたPK(Vo.)が "始まるよDead Pop!サークルピット!!" と開会宣言を述べると、「Face Me」から幕が開けた。

”We're not just sinking, we're falling apart” から始まるナンバー。オーディションを勝ち上がってオープニングアクトの座を掴んだ彼ら。この場で言わせると、 "We're not sinking but we achieved the right to stand here" と言えるだろう。

朝イチで轟音のブレイクダウン、フロアにはハーコーが入り乱れる。あれ、今何時だっけ?

こんなことを考えていたらPKがゆっくり前に両手を突き出し、左右にグッと広げる。あの動きだ。
"3, 2, 1で真ん中!ぶっコロせんのかDead Pop!"

…あれ、今朝だよね?と再確認してしまった。そう思わせるくらい、観客はPKの声に呼応するようにド派手なウォールオブデスを繰り広げていた。

"ようやく始まったなDead Pop!"
PKが高らかに声を上げる。この1年間この日をずっと待ち望んでいた観客も、同様に喜びの声を上げる。

満足げな顔を見せて始まるは「Locust」。Lo-fiを思わせるブレイクダウンを挟み登場するは、Paleduskのボーカル、Kaito。このステージに立つPromptsを祝福するかのように、フロアからわかるくらい顔を真紅に染め、力強く歌い上げた。

続いて「Asphyxiate」の怪しげなイントロがかかり、来た!!!と歓喜のジャンプが散見されるフロア。PKがフロアへ駆け込むと同時にDead Pop Festivalの醍醐味である大量のダイバーが発生。飛んでくるダイバーにセキュリティがにやにやしていたことが印象的だ。

"そのままのノリで来い!" とPKが絶叫すると、頭も振れる、ダンスもできる、モッシュもできる超贅沢な曲「Sun Eater」が始まる。気分がアガりすぎて、もはや肩の上に立つダイバーまでもが現れ、観客がPromptsにかけるエネルギーが凄まじいことが窺える。

Promptsのステージも終わりに近づく。
"俺らはここまでシぬ気で勝ちあがってきました。だからお前らもシぬ気で来いよ!"
PKが檄を飛ばし、PromptsのDead Pop Festivalデビューを締めくくる「Empty Sandglass」がより一層強い音で鳴り響く。手を掲げてシンガロングをする観客と、ダイバーのマリアージュが形容しがたい美しい光景を生み出す。

綺麗な薔薇には棘がある、とはよく言ったものだ。「Empty Sandglasses」も例に漏れず。 "今日イチ出せよ?" とPKの煽りが入り、美しさの裏に見せる凄惨なラストパートでは、フロアではモッシュが発生。ステージではPKとPiguri(Bass, Vo.)の暴力的なセッションから目が離せない。

轟音を掻き鳴らしステージを終えると、観客から祝いとリスペクトの拍手が巻き起こる。爪痕をこれでもかというほど残したPromptsは、笑顔でChaos Stageから姿を消した。

昨年は、オーストラリアのレコードレーベル、Greyscale Recordsと契約を結んだPrompts。彼らが再び川崎の地に戻ってくる頃には、どのくらいデカいバンドになっているのか、楽しみで仕方がない。
メンバーのPiguriの出身地は、川崎と似た工業地帯だという。東扇島も工業地帯。ということは、Dead Pop Festivalのステージに立つことになったのも必然だったのだろう。
ぜひまたこの地へ帰ってきてほしいと願う。次はもちろん、Cave Stageで。

<セットリスト>
1. Face Me
2. Locust - feat. Kaito from Paledusk
3. Asphyxiate
4. Sun Eater
5. Empty Sandglass

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