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子供が産まれて変わった働き方

先日の
「3児子育て中の建築士 私のタイムテーブル」
の記事が、想定より多くの方に読んで頂いたので、「育児と仕事の両立」に関連して、去年に別アカウントで書いたこの記事も、こちらへ移します。(会社勤務していた時のものです。)
「育児と仕事の両立」
今ではもう、特別なことでもなく、普通のことだけど、悩みは尽きないもの。皆さま、どのように対処していますか?

1.はじめに

私は結婚してから10年たつが、結婚前と結婚後で、だいぶ働き方や仕事に対する考えが変わった。簡単にいうと残業しなくなった。(残業できなくなった。)この十数年で社会の状況も変わり、産休・育休・時短勤務について、上司や取引先に理解してもらえるようになった。昔は残業する先輩より先に定時帰りすることが後ろめたかったが、今は会社から残業するなと言われる。

それでも同僚が長時間労働で心や体を壊してしまう場面にでくわす。自分にも責任があると思う。家庭と仕事の両立に悩む人もいる。

そこで、そういう人たちのヒントになればいいなと思い、自分の働き方を変えていった経験を書く。多くの人にとっては、当たり前のことばかりだと思うし、全く違う考えの人もいるだろう。

2.独身の時の働き方

私は20代前半で地元の小さな建築設計事務所に就職。右も左もわからぬまま、図面を描き、構造計算を覚えた。構造計算を始めたころにちょうど耐震偽装事件が起こり、審査が厳格化された。提出した計算に対して審査機関より100近くの追加検討が要求され、毎日半泣きで格闘し、夜10時11時まで残業する日々が続いた。そのうえ、建築士試験の勉強もあり、休日に資格学校へ通っていた。

体はしんどかったけど、そんな日々で得た技術や資格は大きく、後悔はしていない。でも今から同じ生活をやれと言われたら無理だ。今の若い人も、同じことをするべきではないと思う。仕事を覚えたり試験勉強をするにしても、今ならもっと効率的な方法があると思う。

3.結婚後の優先順位

結婚して子供が生まれ、産休育休ののち、7か月の息子を保育所へ預け、9時-16時の時短勤務で仕事に復帰した。保育園に預けていても、ベビーはすぐに熱を出すから、園に呼び出されるし、仕事を休まなくてはいけなくなる。インフルエンザにかかったら、1週間出勤不可能。

ある時、熱はなかったが、子供がぼんやりして元気がない時があった。でも、仕事の納期がせまっている。熱はないから大丈夫です、とむりやり保育園に押し込む。やっぱりその後、体調がおかしいと保育園に呼び出された。息子は風邪で大事には至らなかったが、自分の行動を猛烈に後悔した。子供より仕事を優先してしまうなんて。

離婚経験のある女性の先輩が言っていた。

「仕事は失敗してもなんとかなるけど、家庭は一度壊れたら元に戻らない。」

「幸せな結婚生活を維持していくには、努力が必要。」

どんなに仕事が忙しくても家庭を優先しようと決意。子供の急病で仕事ができない時は同僚にフォローしてもらう。そのかわり同僚が休む時は自分がフォローする。子供の体調が悪いときはためらいなく仕事を休むようにした。

しばらくは、自分の本業は育児。副業が建築設計。子供の手が離れたらまた本格的に建築の仕事をしたらいい。そうやって自分に言い聞かせる。

4.仕事が計画的になった

時短勤務であるし、夕方には保育園にお迎えに行かなければならないから、残業はできない。そのことによって、以前より計画的に仕事をするようになった。

建築設計の仕事は、A邸建築工事、B施設建築工事、というように1物件ごとに仕事を受ける。どの仕事にどれだけ時間がかかるか考える。外注先や同僚に協力してもらう部分を計画する。時短勤務内にできない仕事は引き受けない。できるといって、後でできなくなるのは一番信用がなくなる。どの日にどの作業をするか決めておく。16時までにその仕事に集中する。

結婚前は、そういうことを計画せずにだらだらと仕事をしていた。日中に仕事が終わらなくても、残業して終わらせればいいやと思っていた。

こうやって意識が変わったことは時短になって一番よかったことの一つだ。

5.人に仕事を頼む

効率的に仕事をするには、人に仕事を頼むことも大事なスキルだと思う。仕事を依頼することは、外注先にとっては利益になるし、社内の同僚や後輩にとっても役割を与えることだから、悪いことではない。

けれどそれが出来ずに、一人ですべての仕事を抱え込み、長時間労働になるパターンをよく見る。彼らは、

「仕事を頼むのに、説明するのが面倒だ。説明している間に自分で作業したほうが早い。」

という。確かにそうなのだけど、それでは何も進まないなと思う。

仕事を上手に依頼するには、納期や目的、報酬を明確に伝える、などポイントがあると思うが、そこは私も勉強中だ。

仕事は一人でするものでなく、チームで助け合ってするものだと思う。(家事や育児も同じ)

6.社内の残業を減らしたい

こうやって働き方について書いたのは、社内の残業の多さについて悩んでいるから。私は残業していないが、長時間労働で疲れ果てている同僚がいる。今までも、多忙すぎて心や体調を崩した社員が何人かいる。

それなら、会社として仕事量を減らせばいいのだけど、それだと、社員が食べていける給料が出ないという。

根本的には建築設計料が安すぎるという業界全体の問題なのだけど。

もっと上司と話をするべきだろう。話をするにしても、何か具体的な案を持っていかないと聞いてもらえないだろうな。

そんなことをずっともやもや悩んでいる。

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