Vol. 94 本当にいい医者とは? 〜街の赤ひげ先生談〜

「本当にいい医者とは、同業の医者に尊敬される医者のことなんだよ」


これは〝赤ひげ先生〟が暇な時に話してくれた言葉である。

赤ひげ先生とは息子のかかりつけ・O小児科のO先生だ。
O小児科は70代と思われるO先生が1人でやっているちっぽけな個人医である。しかし私はこのO先生を正真正銘の名医だと思っていて、密かに「赤ひげ先生」と呼んでいる。

何故赤ひげ先生かと言うと影に隠れた感があるからだ。O医院は住宅地のど真ん中にあり固定客は付いているものの〝超人気〟という訳ではない。この近辺にはもう一軒Tクリニックという女医の小児科が有りそちらに行く親が多いようだ。

病院の口コミサイトを見てもO医院は
「薬を少ししかくれない」
「愛想が悪い」
「受付の人も笑顔が無い」
と批判的な書き込みが多い。

しかし私は分かっている。
●薬をちょっとしかくれないのは子供の一生を考えてのこと。決して薬漬けにせず最小限で治す。=薬で儲けようとしていない。
●愛想が悪いのではなく疲れているだけ。決して感じが悪いわけではない。現に暇な時は前述のように雑談を持ちかけてくれたりもする。
●受付の人は普通。本来病院とはこんなものだ。最近は他の病院が「患者様」と持ち上げ過ぎなだけ。

何よりO医者は見立てが確かだ。
最小限の医療しかしないが必要な検査などはしっかりやってくれる。私は隣県含め数件の小児科を「病院ショッピング」した結果、結局このO先生に戻った。

ちなみに息子の発達障害を生後9ヶ月の乳児検診で見抜いたのもO医師だ。すぐに気付き、大きな総合病院へ紹介状を書いてくれた。お陰で息子は入院しMRI検査など様々な検査を受けることが出来きた。尚その病院へは今も発達の定期検診でお世話になっている。

そしてこの総合病院で息子を担当してくれているのがO先生の大学(東京医科大)の後輩・N医者だ。N医者はO先生をリスペクトしまくっている。尊敬なんてもんじゃない、と初めて会った時おっしゃっていた。今はちっぽけな病院の経営者だが若い頃は小児救急のある病院で小児科部長まで務め「千葉県にO医者あり」と知られた存在だったそうだ。

「本当にいい医者とは、同業の医者に尊敬される医者のことなんだよ」


これはO医師が自らに向けた言葉なのかもしれない。



【猫ムスメより】
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