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20,05,20。家庭用ゲームの思い出⑰

93年に発売されたトルネコの大冒険 不思議のダンジョン。

ゲームシステムは古典PCゲームの「ローグ」を踏襲した物でした。
比較的プレイヤーを選ぶゲーム性が一般受けする事になった要因は何と言ってもゲームの世界観がドラゴンクエストの物であった事でしょう。

プレイヤーの分身たる主人公はドラゴンクエストⅣに登場する武器商人のトルネコ。ゲームの紹介記事を初めて見た時に「主人公として抜擢するのであればもう少しビジュアル的に華のあるキャラがいるのに何故トルネコ?」
と思いましたがこのゲームの主人公はトルネコ以外では務まりません。

何しろ冒険の目的が悪の大将を倒すためにダンジョンに入るのでは無く、ぶっちゃけアイテム拾いです。戦闘&レベルアップはもちろん必須とはいえイメージ的に小太りのおっさんが己の分身としてゲームの中を動き回っても全然OKでした。

鳥山明氏のデザインによるドラゴンクエストのキャラ達の所為でダンジョン物RPGにしては明るくユーモラスな世界観ですがシステム自体はウイザードリィと大差のないシビアなゲームです。

敗北=死ではありませんが、敗北=身ぐるみはがれてポイ(笑)

ダンジョンに潜る時には毎回レベル1からのスタートとなり、ダンジョンの階層ごとの作りも潜るたび毎回違う上に、持ち込めるアイテム数に縛りがるというシステム。ゲーム画面はドラクエのフィールドと同じとはいえこちらがひとつ行動するとモンスターもひとつ行動するので何も考えずに動けるのは序盤のごく浅い階層のみ。

もっともプレイを重ねるにつれ持ち込むアイテムがそれなりの品になりますから万が一の敗北が許されない事を考慮すれば浅い階とは言えHPが低い序盤からむやみな考えなしの行動はNGになっていきます。

サブタイトルが「1000回遊べるRPG」でしたがちっともオーバーでは無く、自分が潜った回数は1000回どころでは無かったと思います。

ハマってプレイを続けるうちにこの緊張感あふれるゲームの最大の魅力が「プレイ中のストレス」にあるのではないかとさえ感じ始めるM気質を持つプレイヤーには堪らないトルネコの大冒険。

「浅い階層でじっくりレベルアップ」を阻む空腹&地震&落とし穴。
いかに強力な武器&防具に身を包もうと帰るまでは予断を許さない悪意すら感じるランダム作成によるモンスター&罠の配置。
「もしかしたら超高度なAIが搭載されているのでは…」と思わせるような思いもしなかったトラブルの連鎖から起きる大ピンチ。

キー入力で行動を起こさなければ熟考出来るゲームですが、熟練のプレイヤーですら時に悲鳴と共にうっかりキーを押さぬようそっとコントローラーから手を放してしまう事態が珍しくありません。

ドラクエライクな見た目のわりにチェスや将棋のように「一手先」を読むことが重要となるこのゲーム。

今回のタイトルバックに使わせていただいた「モンスターハウス」などはその最たるジレンマ&大ピンチポイントでした。


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