ランダム単語でエッセイ〜ハイボール〜
今回は久しぶりにランダム単語ガチャの登場。
定期的にやりたくなるこのガチャ。
前回は3つの単語を引いて、
無理やり全部使ってエッセイを書いた。
たまたま単語の引きが良かったとはいえ、
さすがに3つを組み合わせて書くのはしんどい。
もっと気楽に楽しみたいということで、
今回は単語は1つでやってみよう。
という訳で、今回の単語は…
ハイボール
では、いってみよう。
あれは20歳を過ぎてからそんなに経っていない頃だったか。
当時は大学生。
まさに若かった。
年齢も考え方も
大学生なんて事あるごとにお酒を飲みたがる。
ましてや20歳になりたてなんて尚更である。
子供の頃は、お酒は大人の象徴に感じていた。
きっと美味しいんだろう。
きっと崇高なものなんだろう。
そんな風に憧れていた。
そして実際にお酒を飲めるようになると、
大人の仲間入りをできたんだと感慨深かった。
最初に飲んだお酒はビールだったか。
これが案外悪くなかったように記憶している。
元々苦いものがいける口なので、
甘くなく炭酸で爽快なのが自分には合っていたのだろう。
そんな訳で、
その後お酒を飲む場があった際は、
成功体験のあるビールを主に飲んでいた。
あとは定番のジュース見たいなカクテル系。
そしてしばらく後。
友人に誘われたバイトの帰り。
夜も遅く疲れていたので、
何かお酒でも買って帰ろうと思い立った。
そう、当時は何かと理由をつけてお酒を飲みたがり期である。
今日はどんなビールにしようかなと悩んでいると、
ふとビールではないお酒が目についた。
ビールとは少しテイストの違う缶のデザイン。
白ベースに黄金色のラベル。
そう、サントリーの角ハイボール缶である。
それまで手に取ったことはなかったが、
なんだか洒落てる、そう感じたのだろう。
晩酌の相手が決まった瞬間である。
家に帰って早速開けてみる。
プシュ、という音と共に匂いがやってくる。
未知のお酒との初めての遭遇である。
それは今まで嗅いだことがない匂い。
正直美味しそうには感じなかった。
なんか薬っぽいというか。
そんな風なファーストインプレッションだった。
いざ口に運んでみると、
匂いそのまんまの味といった感じだ。
どこか薬品のような味。
いや、どこか薬品のような味の炭酸水といったところか。
正直なところ、
美味しいものではないと思った。
同じ炭酸なら、ビールの方が100倍美味しいと。
そんなハイボールデビュー、
ウイスキーデビューだった。
その時はハイボールがウイスキーで作るとは知らなかったが。
その後、飲み会で何回か飲むうちに、
ハイボールも美味しく感じるようになった。
なんなら食事中はビールよりハイボールの方が好きかもしれない。
揚げ物とハイボールの組み合わせは抜群である。
初めてお会いした時からだいぶ成長したもんだ。
大人になったんだか、おじさんになったんだか。
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