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お母さんより 2023.1.13.

去年の今頃は、まだきみの顔すらも見たこともなかった。
今ではお外の世界から、1年前よりもっと元気にお母さんのお腹を蹴ってくるようになったね。

さて、この1ヶ月もあっという間だった。
またいつものように、心を込めてお手紙を書いていくね。

前回のお手紙……

生後11ヶ月までのあゆみ

病の12月

12月に入ってそうそう、お熱が出てしまったね。
お母さんは週末にお仕事があって1日留守にしていて、お父さんとお留守番をしてくれたきみ。
結局きみが心配で、ほとんどお休みをいただいてしまったのだけれど。

お母さんもきみのお風邪がうつったのか、熱が上がったり下がったり。
きみはやっぱり夜はお母さんじゃないとダメで、お母さんと順番こみたいに熱を出しながら寄り添って眠って。
苦しそうなきみの寝息を聞きながら、明日もいつもと同じように目を覚ましてくれるだろうかと不安な気持ちで過ごす夜。
深夜に泣き出す声を聞くのは辛かったけれど、毎回きみが生きてることを確認するように抱きしめて、おくすりを飲んで一緒に乗り越えたね。

やっとお熱が下がってきたと思ったら、お母さんの不注意でやけどを負わせてしまった。

聞いたこともないようなきみの泣き声が頭に染み付いて、きみを失ってしまうんじゃないかとものすごく怖かった。

きみの成長に、おごっていたのかもしれない。
お母さんとしてしてあげるべきこと、軽く考えていたんだと思う。
こんなけがをさせても、いつもと変わらないようにすり寄ってくれて、笑顔をみせてくれるきみに、どれだけ救われたことか。

母親として、お母さんはあまりに足りないことが多い。
きみから学ぶこと、正してもらうことがこんなにも多いのに、わかっていなかったんだね。
こんなお母さんなのに、見捨てないでいてくれて、甘えてくれて、好きでいてくれて、本当にありがとう。

おっぱい、バイバイ

急なバイバイになってしまってごめんね。
とっても不安だったと思うし、さみしかったよね。
言葉がわからないなりに、もっとちゃんと説明してあげるべきだったんじゃないかなと、今になって後悔したりしてる。

きみが生まれてすぐのときに、まだお母さんは疲れて身体を起こすこともできなかったけれど、助産師さんに「あげてみる?」って提案されて、すぐ胸の横にきみを連れてきてもらった。
外の世界に放り出されたばかりのきみは、まだ何がなんだかわからない様子で、乳首をお口の近くに持っていっても「?」な素振り。
それから数日間、何度もきみをお母さんの胸に抱いて、一緒に授乳の練習をしたね。

今まで何度、あの幸せな時間を繰り返したろう。
すぐ近く、上から見下ろすきみは本当にかわいくて、愛おしくて、こんな素敵な贈り物を授かった私ってなんて幸せものなんだろうと、いつも思っていたの。

柔らかい髪の毛をなでて、小さな鼻をなでていると、きみと目があう。
きらきらまんまるなお目々で見上げられて。
大きな黒眼にはお母さんしか映ってなくて。

授乳中にお母さんが誰かと話していると、会話が気になるのか、必ず乳首から口を離して相手の方を見てたよね。
「じゃましないで!今はぼくとお母さんの時間なの!」って。

やっぱりさみしいね。
おっぱいはもうバイバイだけど、おっぱい以外のたくさんの方法で、これからもきみとお母さんの時間をたくさん作っていこうね。
お兄ちゃんになってくれてありがとうね。
おっぱいにも、今までありがとうだね。

大きな一歩

クリスマスイブの前の日。
きみが11ヶ月を迎える前日だったね。

急にすくっと立ち上がって、手をパチパチして拍手を求めるきみ。
ほんとかわいくて、お母さんも嬉しくて、もうニッコニコで一緒にパチパチしていた。

そんなとき、きみの脚がお母さんに駆け寄ってくるように、ほんの少し前に動いて。

倒れ込むような一歩だったけれど、その瞬間だけ時が止まったみたいだった。

お母さんの胸に飛び込んできたきみの背中をごしごしなでながら、「すごいねぇ!!!!」って何度も何度もほめた。

今までどんなにもどかしかったろう。
お父さんもお母さんも、なんてことないように立ち上がって、大股ですたすたと前に進んで、それを一生懸命にはいはいで追いかけて。
(でもそのおかげで、はいはいはめちゃくちゃ早くなったよね!)

お父さん、お母さんみたいにあんよができるようになりたい!
そう思って、勇気を振り絞って踏み出した大きな一歩だったんだね。

今も、そしてこれからも、しばらくはお父さん、お母さんの後を追う、とてもゆっくりなあんよが続くかもしれない。
でもしばらくするときみもどんどん大きくなって、お父さんとお母さんよりもずっと前にずんずん進んでいくようになっていくよ。
そのときにはもう「あんよ」なんてかわいい歩みなんかではなくなってる。
立派な一歩一歩になっているだろうから。

0歳の一歩、お母さんにとってもなんだかとても大きく感じて。
つまづいて転んじゃっても、いつでもお母さんはそばにいてきみを守っているから。
これからも怖がらずに、たくさんの一歩を踏み出して。
少しずつ、一緒に歩いていこうね。

不思議な行動

そうそう、最近お母さんがすごく気になることがあるの。

かみかみのことだよ。

お母さんがちょっと横になってるときとか、ちょっとだけぼーっとテレビを見てるときとか、夜おねんねするとき。
割りと全力でかみかみするよね。涙
あれ、めっちゃ痛いの……

お母さんの手とか、ひざとか、顔とか、髪の毛まで……
前、うんち拭いてるとき、うんちの中にお母さんのっぽい髪の毛が入ってたときは本当にびっくりしたよ……

ネットで調べたら、「かまってほしい気持ちの表れ」って書いてあったから、お母さんのせいなんだね。
おっぱいバイバイもあったし、お母さんが最近おうちでもお仕事のことで頭がいっぱいだったりするから、きみなりのメッセージだったんだろうか。

なのにお母さんは、きみのかみかみが本気で痛くて、「なんで噛むの〜(涙)」って言って逃げ回っちゃってた。
まだおしゃべりできないきみからの気持ちを上手に受け取れていなかったかもしれない。
ごめんね。

きみとの時間は、きみ以外のことを考えない。
そうしたいんだけど、お母さんの頭はいつもどこかに寄り道しちゃうんだよね。
これからも気をつけるけど、またよそ見をしてたら、かみかみで教えてね。
でも、ちょっとだけやさしいかみかみで、お願いね。

最後に

今月の24日は、初めての誕生日を迎えるね。
この1年、きみにとってどんな時間だったんだろう。

毎月こうして書き続けてきたきみへのお手紙。
本当に楽しくて、幸せで、ときどき涙が出るくらいの感情が溢れてきて。
次のお手紙で、お母さんの知っている言葉で、きみへの感謝をどれだけ書き表せるだろうか。

健康で、そして笑顔で満ち溢れていたきみとの日々を、また24日を迎えたら一生に振り返ろうね。
今までも、これからも、ずっと大好きなきみへ。

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