実家暮らしは、選べない(「ダイヤモンドは砕けない」みたいですね)
「結婚相談所で2年間婚活しても結婚できない人は、心の奥底で結婚したくないと思っている」
さて、前回の記事に引き続き、実家暮らしの婚活についてのお話です。
実家男子に対しては、世間の目はかなり厳しい。
私個人としては『自分は一人暮らししても家事をしなかった&弟は実家暮らし時代から最高に家事ができた』という実例があるので、「この人は実家暮らしだからダメ!この人は一人暮らしだから家事ができるはず!」と安易に決めつけることには反対です。
しかし、一人暮らしの方が婚活でモテるのは事実。
なので、「実家にいても家事の練習はできるし!貯金も貯まるし!」と思っちゃうコスパ厨の男子は、「モテ代」「可愛い子に会える代」と思って一人暮らしを始めてもいいかもしれません。実家女子は実家男子に抵抗はないので、一人暮らし女子を避けて彼女らに申し込むのもおススメ。
さて、本題です。
実家男子に比べれば、実家女子への風当たりはマイルド。
40過ぎて未婚の実家女子はさすがに「んんー?」「介護?」などと思われますが、30過ぎた実家男子へのブリザードのような視線に比べれば全然マシ。
結婚後のリスクを考え過ぎてプロフィールに少しでも気になるところがあれば断る女子と違い、男子は単純で素直!「一通りの家事はできます」と書いておけば、女子のように「でも実家暮らしだし」なんて言わずに信じてくれる。
選び放題のハイスペイケメンならともかく、可愛い女の子から申し込まれた時に「実家女子だから」と断る男子は少ない。
そうです!
選ばれにくい実家男子と違い、実家女子は見た目さえ頑張れば選んでもらえる!
会う前から「家事もできないマザコンに違いない」と決めつけられて断られる可哀想な実家男子に比べて、実家女子ははるかに結婚しやすいはずなのです!
それなのに、なぜ実家女子の成婚率は低いのか?
雑誌やネットのdisを読むと、
「実家女子は贅沢。家賃や光熱費や食費を浮かせられるので、年収300万の女子でも海外旅行やショッピングをいくらでも楽しめる。一人暮らしの貯金無し浪費女子と実家女子は今と変わらない贅沢をさせてくれる年収の男性を探しているのでかなりの高望み。そうやって一生、永遠に見つからない夫を探していればいい。」
「常に家族がいて寂しくない、家事もしなくていいので楽、お金もかからない。そのため結婚する気になれない。その快適さがいつまでも続くはずがないのに。今、親に家事もお金も全て甘えているということは、将来、親が倒れたら自分が家事も仕事も介護も全てやらなければならないということ。そうなったら本気で婚活するだろうが、体調の悪い親がいる女と結婚したい男はいないのでその時点でゲームオーバー。」
などと、相当キツいことが書かれています。
そんなことある???
うちにも実家女子何人かおるけど、
そんな、そんなアホの子らとちゃうけど!?
まあ、当社で婚活している時点で、入会諸費用の30万ちょいを払うことができるし、私のSNSから来る人が多いので、他の結婚相談所よりも男性にアホみたいな年収を望む女子は少ないかもしれないけど、
そんな、メディアで言われてるような実家女子、他社でもあんま見たことないけど!
「いずれは親が年を取ることを分かっていない」
いやそんな女子おらんやろ!親が井上喜久子なん!?
だいたい、このご時世に実家でも一人暮らしでも「貯金もせずに毎年海外旅行に行って服も買いまくってて、結婚後はダンナの稼ぎにぶら下がる気マンマンの女子」ってそんなにいる?当社にいないから私が知らんだけ?
「婚活は一歳年を取るたびにハードになる」ってみんな分かってるのに、わざわざ相談所に高いお金払ってそんな適当に婚活してる女子とかいる?
そんな、そんな「実家にいるとラクだし⭐️実家と同じ暮らしができないなら焦ってショボい男捕まえなくていいか〜⭐️」みたいな婚活女子、そうそうおらんて!
しかし、
実家女子は一人暮らしの女子に比べ、確かになかなか成婚しない。
当社にも結構可愛い実家女子が一人いたんですけど、お見合い組んでも組んでも仮交際に進まない。ちょっとしたことですぐ断っていました。
どれだけ性格がいいハイスペイケメンを紹介しても「今回の方は微妙でした。もう少しいい人を紹介してください」って言ってくる。東京ならともかく、あなたの街(北関東の結構な地方)に年収500以上の30半ばがゴロゴロ転がっとるわけないやろうが!
入会してから2年経って、40人以上の男性と会って、全員と初回か2回目で終わった彼女が私に送って来たラインがこちらになります!
「最近、紹介してくださる方のランクが下がってきています。もっといい方を紹介してください」(原文ママ)
コレは一回しばかなあかんと思って、私電話したってん!
「2歳も年取ったのに入会した時と同じレベルの男に会えるわけないやろ!ていうか断ってるつもりやけど向こうからもお断り来てるからな!傷つくと思って我々が伝えてないだけでーす!言っとくけど、あなた誰からも選ばれてませんからー!!」
って一刀両断しようとしたんですが、所長に
「Tさんは毎回、影山と日向もびっくりの速攻で正論をアタックする。人は問題点を他人に指摘されるより、自分で気付いた方が直そうという気持ちになれます。すぐに『アナタが結婚できない理由は高望みです!』と答えを投げつけるのではなく、『どうしてだと思う?』と根気強く聞いてあげてください。」
と言われたので、
「気付くまで待ってたらBBAになるからAクイックぶちかますんだろうが!アプリで1年+相談所で2年も結婚できてない時点で、相当待っただろうが!」と舌打ちしつつ、優しく話すことにしました。
開口一番「あとまだお見合い1人残ってますけど、もう一生1人でもいいかなーって気になってきてるんです。周りの既婚者も全然幸せそうじゃないし」と言ってきた彼女。
言うとくけどそれ、このパターンのやつやで!!
さらには「ていうか30過ぎてる男って、こりゃ余るだろうなって感じの人しかいなくないですか?」と重ねてくる彼女。あまりのイラつきに私の服は戦闘中の孫悟空のように大事な部分を残して弾け飛びました。
「あなたも30ちょっと過ぎてますし、こりゃ余るだろうなって感じの人ですけど?」とかめはめ波を放ちそうになりましたが、所長が仕事をしながら私を見張っているので、仕方なく彼女の話を優しく聞きました。
「ふんふん、生理的に無理とかじゃなくても会話したらすぐに相手のことが嫌になって、顔に出ちゃうんですね。何が嫌だったんですか?」
彼女の話を聞いていて、私は面白いことに気づきました。
彼女は「AさんとCさんは、家事ができないって言われたからお断りしたんです!」と言いながら、家事ができるBさんやDさんを断っているのです。
話しながら、自分でも矛盾点に気づいた彼女は、私に聞いてきました。
「あれっ…どうしてなんでしょう?」
「お前にも分からんのにワシに分かるかいな!もうええわ!ありがとうございました!」と電話を切りそうになりましたが、所長が見ているので、「どうしてだと思いますか?」と私は優しく聞きました。
すると、彼女は突然泣き出したのです。
「できないんですー!私、お母さんみたいになれないんですー!」
突然メンがヘラった彼女に動揺…はそんなにしませんでしたが(毎日会員の誰かのメンがヘラっていて慣れているので)意味が分からなかった私は、どういうことなのか彼女に聞きました。
まとめると、
☑️クックパッドを見ないと料理できない
☑️掃除はそんなに得意ではないので、仕事をしながら毎日家を綺麗に保てるか自信がない
☑️家事が下手な人だと自分が全部やらないといけないので結婚したくないけれど、上手な人だと自分と比べて辛くなってしまう
とにかく
「家から出たことがないから自分が結婚して家事をちゃんとやっていけるのか自信が無い」「お母さんのようにちゃんとできない」と泣くのです。
私は所長が見ていることも忘れ、ツッコんでしまいました
「いや、それ、当たり前やろがい!」
私は声を荒げました。
「ええか?落ち着いてよく考えるんや!オカン専業主婦やろうが!なんでフルタイムで働きながら専業主婦と同じレベルで家事する気やねん!無理や!普通に無理!死ぬぞ!だいたい女が全部やらなあかんってその思い込みはなんやねん!自分とマッチングするくらいの年代の男は共働き希望が多いから、わりと家事やる気あるわ!ほんで未婚でクックパッド見たらある程度のもんが作れるなら上出来やろうが!こっちは既婚やのにクックパッドどころか、クックドゥに頼っとるんじゃ!」
彼女が「えっ…クックドゥ?そんなんで結婚していいの?人として許されるの?」みたいな感じになったので、私はいかに自分がダメ人間だったかをぶちまけました
彼女と違い、私は何年も一人暮らしをしていたけれど、片付けが苦手で、いつも靴下の片方が無くなっていたこと。夫と結婚の話が出た時、私に貯金がなさすぎてドン引きした夫が、強制的に私から毎月お金を徴収するようになったこと。以前の夫のお弁当は「ふりかけご飯のおにぎり2個⭐︎」だったこと。
根気強く夫が教えてくれたおかげで、整理整頓と貯金はできるようになったけれど、料理は今でも気を抜くとポイズンクッキングが出来上がること。
保育園で手作りのカバン系を要求されたら、全て義母にお願い❤️していること。
そんな私ですら「既婚ですけど?」と偉そうな顔をしていること。
私の話を聞きながら、彼女はだんだんと元気になってきました。
「そんなレベルでも結婚できるんですね!」
おい!軽くdisっとるやないか!
「ありがとうございます!」と電話を切った彼女でしたが、その後、1人だけ残っていたお見合い相手と、生まれて初めて真剣交際に突入!
たまたま相手の結婚相談所が「婚活ラウンジメンバーズ」だったのもあり(男性会員が教育されているので他社よりプロポーズが早い)一瞬で成婚!!
今まで苦戦した2年が嘘のように、相談所から秒で消えていきました。
実家暮らしの彼女が結婚できなかった原因は、
高望みでした。
彼女がずっと高望みしていた相手は、
男性ではなく、結婚後の自分だったのです。
お見合いしたいと選んでくれる男性はたくさんいたのに、結婚後の自分自身に高い高い理想を課していたから、誰と出会っても結婚を選ぶ勇気が無かった彼女は、
自分への理想を下げた途端、驚くほど簡単に人を好きになることができたのです。
もちろん、結婚してもしなくても、男も女もどちらでも、掃除も洗濯も料理も貯金もできた方がいい。
だけど、今の時代に生きていると「私たちに何もかも求めすぎじゃない?」と言いたくなることがある。
共働きは当たり前!
女性も男性に負けずに働こう!
でも、家事と育児は今まで通り女がメインだよ!!
独身女性は想像します。
結婚後に、自分がぶつけられるであろう声の数々を。
「えっ?保育園のお迎えで残業できない?子供が熱を出したから休みたい?これだから女は!」「ちょっと近くに来たから寄ってみたら、夕食がスーパーの惣菜?息子と孫が可哀想!あなた母親失格なんじゃないの?私は一汁三菜は必ず作ってたわよ!それに、この散らかった部屋!」
インスタを開けば、既婚の正社員の友人が綺麗に片付いた部屋で子供の誕生日を手作りのケーキで祝っている。
(私、結婚して、こんなにちゃんとやれる自信が無い!!仕事しながら子供なんて育てられるんだろうか?)
そう思っている女性の皆さん!
大丈夫です!!
インスタを閉じて、Xを開くのです!!
そこに真実があります!
みんな、全然完璧に主婦なんかやってない!今日息子の写真あげて「#️⃣私の宝物」ってドヤ顔してる既婚女子も、裏ではレゴ踏んでぶちキレてるから!
安心してください!
今過渡期やから!親世代から受け継がれた「家事はこのくらいやって当たり前」的な思想、どんどんアップデートされてるから!
料理研究家のコウケンテツさんは「日本は家庭料理頑張りすぎ!他の国ではみんな毎日同じもの食べてる!」と語り、土井先生(きり丸とカップルの方じゃなくて土井善晴先生ね)は「一汁一菜でよいという提案」という本を出版!
主婦向け雑誌は「めんつゆ一本で味付けじゃあー!」「食材二つでメイン料理じゃあー!!」「家電で時短じゃーッ!」「適当に掃除しても綺麗に見える方法!」「(家事の手抜き)がんがんいこうぜ!」「(母親の)いのちだいじに!」な、特集でいっぱいです!
自分が仕事と家事と育児を両立できるのか、
不安でたまらない女子の皆さん。
大丈夫です!!
世間は、変わり始めている!
「専業主婦が普通やった昔と違うんじゃあ!働きながらそんな全部完璧になんかできるかーい!!」とブチ切れる母親たちの叫びを受けて、新しい家電も、気の利いた家事代行サービスも、世の中にどんどん出現しています。
男が仕事100、女が家事100の時代が終わったからといって、女が仕事100家事100を目指さなくていいのです!死にます!
仕事50、家事育児50でも充分頑張っているのです。専業主婦のお母さんの、半分家事をやったら上出来です!!
メディアには時々仕事も家事も育児も完璧なスーパーウーマンが出てくるけれど、そんな人は100人に1人もいませんので!にゃんこ大戦争なら覚醒のネコムートくらい出ませんので!
我々のほとんどは普通!一般人!ノーマルキャラ!!
仕事も家事も頑張りすぎてピリピリして、部屋は綺麗でも毎日ちょっとしたことでご主人やお子さんに怒鳴り散らすお母さんより、ちょっとくらい部屋が散らかっていても、惣菜に頼っても、まあいっか!といつもご機嫌で笑っているお母さんの方が、家族はハッピーです!!
また、女性ばかりが大変だという風潮ですが、男性の事も忘れないでほしい。
男性だって、今や仕事だけじゃなく家事も育児も求められています。
女性は「働くんだから、お母さんみたいに家事を頑張らなくていいんだよ」と言ってもらえますが、男性に「家事育児やるんだから、お父さんみたいに稼がなくていいんだよ」と言ってくれる人はいない。
むしろ男の方が、仕事100のまま、女よりも稼ぎながら、家事育児もがっつりやってくれとプレッシャーをかけられているのかもしれない。
時代が良くてたくさん稼いでいた父親と自分の年収は全然違う。30代の独身男性の平均年収が300万台のこの時代に、自分は奥さんと子供を養っていけるのだろうか?
女性が配偶者に求める年収は最低500万!?600万!?
俺は家事育児もやりながら、そんなに稼げるのだろうか!?
でも、世界は、変わり始めている。
私たちが「車は便利だけど高い…」と悩めばTOYOTAがカーシェアを提案し、「家電で時短したいけど厳しいな…」とため息をつけば「月々400円からレンタルです!」とCLASが吠え、「塾に通わせたいけどそんなお金…」と嘆けば「月々980円から!」とスタディサプリが斬り込んでくる。
この時代、手元に携帯電話が一つあれば、昔よりはるかに少ないお金で、たくさんの知識や素晴らしいサービスを見つけることができる。
もちろん、お金はあった方がいい。
しかし、30までに結婚した女性に聞けば男性の平均年収は300万台だし、50代や60代を入れても、既婚男性の2人に1人は年収500万以下なのです。
多くの家庭は「妻と夫、足して年収500みたいな感じ(東京ならもう少し高そうだけど)」でも、子供も生んで、何だかんだで楽しく過ごしているのです!
もちろん、男女どちらでも、年収が安定している相手がいいし、家事もできる相手だとありがたい。
だけど、サクッと結婚して幸せになる人たちは、相手にも自分にも、完璧を求めていません。
私たちは、
完璧でなくても、
幸せになれるのです。
以前、京大出の同年代ハイスペイケメンと結婚したバツイチのアラフォー女子がいました。
彼女は全然家事が出来なかった彼を笑って許し、一緒に部屋を片付けていました。
結婚後、彼女が風邪を引いた時、彼は一生懸命苦手な料理を作ってくれたそうです。
正気か!?
病人の食べれる料理ちゃうやろ!!
送られてきた写真を見て「彼を正座させて説教しましょう」と返信しかけた私ですが、彼女は嬉しそうにこう言っていました。
「彼が頑張ってくれました!毎日10回は彼と結婚できて良かったと思ってます!」
幸せな結婚生活を送るために本当に必要なものは、
完璧な家事能力や高い年収ではなく、相手への思いやりと、完璧を求めず、ちょっとしたことに感謝できる気持ちなのかもしれない。
彼は彼女のためにたゆまぬ努力を続け、現在はこれが作れるようになりました。
彼女がもし、「掃除も料理もできないから」と彼を断っていたら、今の幸せな2人はいなかった。
完璧じゃなくても、
最初から何もかもできなくても。
私たちは、変わることができる。
2年以上婚活を頑張っているのに、
誰も選べない方がいたら。
初めから、何もかも完璧な自分と相手を求めすぎていないか、考えてみてもいいかもしれません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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