アメリカってすごい?

デンマークに4ヶ月程生活して実際にヨーロッパ出身の子たちと生活したり、授業を受けて議論を交わしながら感じたことは、アメリカが全てではないということ。

これはどういうことかというと、今まで私はアメリカの情報ばかりが入ってきやすい環境で育ったので、アメリカは夢があってすごいと思ってたし、アメリカはすごい国だと自分の中で過大評価をしていた。

というか、日本人の多くはそう思ってる部分があると思う。

だから私は元々留学はアメリカに行く予定であったし、(情報が乏しかったから)アメリカへ留学がいけなくなり、そのかわりとして探し始めて色んな国を見るようになってデンマークに留学先を決めたし、そもそもヨーロッパで留学して生活する予定は私の人生設計(バケットリスト)にはなかった。
ただ、ひょんなことからヨーロッパに留学したことで自分のそのような海外に対する考えが180度変わった。
きっかけは、デンマークのフォルケホイスコーレで生活してた時のこと。

フォルケホイスコーレは、デンマーク独自の教育機関のことで一言で言えば、ギャップイヤーをとって自分の人生を色んな角度から見つめ直すための学校である。
生徒は皆授業だけでなく、生活も共にする。
一つの施設の中に学校も宿舎も全部入っている。もちろん生活のほとんどを学校の人と生活するからとにかく色んなことが起こる。楽しいことも辛いことも沢山あったけど、それでもこの学校に通ってよかったことが沢山あった。

そんなフォルケホイスコーレでのとある日の授業。この日のテーマは“ 美の基準はあるのか“ というものだった。最近はLGBTも広く受け入れられていることなどを含めて、人の外見に対して評価するのは良くない、ありのままのその人を大切にしようという考えが浸透していることは目新しいことではない。それでもやはり世界各地にいわゆる“美の基準“というのは存在する。
例えば、アメリカではヒップが大きくて、肉付きがある程度ある方がセクシーで美だと捉えられている。
日本では細くて華奢な体型が美と認識されている。
まずはそんな感じで各国の美の基準を共有した後、アメリカのあるインフルエンサーの話題に。そのインフルエンサーは体重100KG越えのインフルエンサーだ。インスタグラムを見た感じでもだいぶ不健康そうな身体で堂々とポーズをとって写真を撮っている。その写真を見てそれぞれどう思うのかを討論してと先生が言った。そこで、グループを作って討論した。すると驚くことに、ほとんどがこのインフルエンサーの体型はtoo muchで不健康だと思う、という意見だった。
アメリカでは多様性を受け入れよう!という考えがtoo much になりすぎて、なんでもありになってきてるところがある。だからこの方はインフルエンサーになって、影響力を与える人になっているのだろう。
実際に私も彼らと同じ、too much という意見ではあったが、内心とても驚いた。日本で同じテーマで日本人だけで討論したらどのような結果になったかな。アメリカは多様性を受け入れているから、これも個性のひとつ!なんて意見もでるんじゃないだろうか。
私がここで言いたいのは、"アメリカがいいという意見だから"良いという意見になるのではなく、"あなた自身がどう思うか"という基準で、こういった話題に対し、どれくらいの日本人が意見の交換ができるのだろか、と言う話だ。
この意見の交換があるまでは、アメリカでは多様性でそれでもいいと受け入れられてる部分が大きいので、ヨーロッパでも同じような意見になるのかなと勝手に思っていた。意外なことに、アメリカは嫌いだとはっきりいう子も多い。小さなことかもしれないけれど、私はこのことにすごく驚いた。
理由は、先ほども言ったかもしれないが、日本人のほとんどはアメリカはすごい国だという認識があるからだ。(実際私もそうだった)
でもヨーロッパに住んで色んな意見を聞いたことで、当たり前なのだけど、アメリカが全てじゃないし、しっかり世界を客観的に見て情報を見る必要があると、私の今までの考えを180度変えた出来事であった。

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